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 お正月SSドラゴンイヤーはドラゴンフルーツ


「「あけましておめでとうございます」」


 僕たちはお互いに頭を下げる。なんて言うか、年末の『よいお年を』っていう挨拶と、この『あけましておめでとうございます』っていう挨拶はなんか面はゆい。特に毎日一緒にいる人達と挨拶してる時には、なんか相手との距離が出来たような気がして少し躊躇われる。昔は挨拶する相手も居なかったから、贅沢な事だけど。


 今はリビング。居るのは僕とマイとアンとジブル。年始の挨拶も終わったので、まずは日課の素振りだ。多分、アンは炬燵に帰って、ジブルもそれについてく事だろう。アンもジブルも年末からゴロゴロし通しなのに全く体型が変わってない。僕と同様、いやそれ以上飯食ってるのに。まあ、理由は変身能力だ。アンはドラゴンに戻る事で、ジブルもドラゴンに変身する事で、一発で成人男性の1日の必要摂取カロリーを使うらしい。眉唾ものだけど、実際太って無いから事実なのだろう。

 逆に僕はすぐ太る。素振りを手抜きしたくらいで太る。


 思いの他寒くなく、外でハンマーを素振りする。アンジュ達少女冒険者4人、北の魔王リナがやって来て新年の挨拶しながら素振りする。


 正月なのに、いや正月だからなのか、今日はギャラリーが多い。隣のレストランのラパンを始めとするメイド軍団が周りに屋台を出していて、1つを除いて大盛況だ。行列出来ている。忙しくて挨拶にも来られないみたいだから、後で声をかけよう。


『ドラゴンフルーツ』


 そう書いた看板の屋台で、ラパンが謎の物体を売っている。ここだけお客さんが少ない。て言うか居ない。ラパンと目が合うとニコッと笑顔を返してきた。ドラゴンフルーツって、何なのか気になってしょうが無い。素振りを中断して見に行く事にする。


「なんなんだこれは? 新種の芋か?」


 新年の挨拶をしてラパンに聞いてみる。棚の上に所狭しと赤色から緑のトゲみたいなのが出た球根みたいなのが並んでいる。


「えっ、ザップ、知らないの? これドラゴンフルーツだよ。今年は東方ではドラゴンの年で、ドラゴンフルーツを食べると、縁起が良くて1年を健康に過ごしやすいって言われてるそうだよ」


 まじか、これがフルーツなのか。なんかよく見ると外側は鱗っぽくてドラゴンに見えなくない事もない。


「ふーんそうなんだ」


 マイが隣で腕を組んでる。


「けど、ドラゴンフルーツが流行りはじめたのは最近だから、縁起がいいって言うのは、誰か商人がこじつけたんでしょうね。けど、健康にはいいらしいわね」


「マイさん、よかったら試食しませんか?」


 ラパンは包丁とまな板を出してドラゴンフルーツを半分に切る。あ、中は真っ白で黒いゴマみたいな粒々がある。


「ドラゴンフルーツって種類があって、中の色が白かったり赤かったりするらしいよ」


 僕とマイにラパンはドラゴンフルーツにスプーンを添えてくれる。スプーンで、中身を掬って食べるんだろう。口にするとさっぱりとした甘み。見た目の毒々しさに反して上品な味だ。  


「あたしは嫌いじゃないかな」


「俺はこの控え目な甘さ、いいと思うぞ」


「アンちゃんとジブルに1個づつ買おっか」


 ドラゴンフルーツはでっかい芋くらいの大きさはあるのに、2つで銀貨一枚(約千円)だった。今年は豊作で、このために隣では大量に仕入れてるそうだ。


 そして、僕たちが素振りを再開すると、僕らが食べたのを見たのと、ラパンの口上で、ドラゴンフルーツはガンガン売れはじめた。


「ドラゴンイヤーにドラゴンフルーツ。女性に優しいドラゴンフルーツだよーっ!」


 ラパンの声が響く。あとでもう1個買おう。

 

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