いつも通り
「じゃ、漢解除いくからな! いくぞ! いってもいいんだな!」
先生は宝箱の前で大声出している。踏ん切りつかないんだろな。前回はいきなり腕落とされたからな。ちなみに漢解除とは、罠とかを力技で押しきる先生の必殺技だ。その技術は、多分、熟練のスカウトにもひけは取らないと思う。先生、ほぼ不死身だもんな。
「分かったから、早く開けなさいよー」
情け容赦ないミーの声。けど、明らかに先生は腰が引けている。もし、ミミックだった時のために、僕は先生の後ろでハンマーを構えて待つ。宝箱が動いたとたんにハンマーを叩きこんでやる。けど、ミミック、箱のくせにすばしっこかったんだよな。
「では、いきます!」
先生は宝箱に手をかける。宝箱が開く。そして、そのまま宝箱に牙が生えて、宝箱は先生の頭に食らいつく。なんとこれは予想外だ。ミミックに攻撃したら先生にもダメージが入りそうだ。いくら先生でもさすがに頭はヤバいだろう。
「キャハハハハッ! 先生食われてる!」
ミーは腹を抱えて笑っている。ひどいな。
「ちょっと、ミー、どうにかしないとヤバいんじゃないの?」
マリンの言葉に僕は我に返る。ハンマーを収納に入れて僕は先生とミミックに飛びかかる。手に牙が食い込むのも気にせずミミックの口をこじ開ける。先生と2人がかりでなんとか口をはずす。けど、これは好機だ。素早いミミックを僕と先生は掴んでいる。
「「うおおおおおーーっ!」」
僕と先生は気合いを入れて、そのままミミックの口を限界いっぱいまでこじ開ける。
バキッ! バキバキッ!
大きな音を立ててミミックの口、宝箱の蓋は引きちぎれる。そして、僕と先生は蓋を投げ捨てる。
「しゃあーっ!」
僕は右手を突き上げる。前にあんなに苦戦したミミックを結構簡単に倒す事が出来た。間違いなく、前より僕たちは強くなっている。それに、ミミックの攻略法が掴めた気がする。相手は箱。しっかり押さえて安全を確保しながら空ければ問題ないのでは?
「上手く行ったわね。ほらほら魔石も落ちてたわよ」
ミーの手にはキラキラ光る石。
「それより、先生、大丈夫か?」
先生は頭から知を流しているが、頭蓋骨は大丈夫そうに見える。
「ああ、なんとかおでは大丈夫だ。けど、まだガンガン頭が痛ぇー」
「先生もカナンも凄いわね。ミミックを引きちぎるなんて」
マリンはそういうと、僕の怪我した両の手を合わせて両手で包み込む。
「タッチヒール」
手がじんわり温かくなる。マリンは成長して、タッチヒールを倍の8回使えるようになった。助かる。
しばらく休憩して勝利の余韻に浸り、次の部屋を目指す。




