表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1633/2183

 乱入SS クリスマスプレゼント


「メリークリスマス」


 ザップは満面の笑顔で収納からテーブルに3つの小包を出した。全部が赤に緑の可愛らしい包装紙に包まれていて、これまた可愛らしいリボンが巻いてある。ザップがこんな器用な事出来る訳ないから、どっかのお店で店員さんに包んでもらったんだろう。


 あたしの名前はマイ。『最強の荷物持ち』の通り名をもつ高名な冒険者『ザップ・グッドフェロー』のパーティーメンバー。

 今日はクリスマスイブ。みんなでプレゼントを渡しっこしてる。あたしとジブルとアンちゃんはみんなにプレゼントを配り終え、最後はザップだ。いつもザップはプレゼントは意表を突いてくる。別に普通でいいのに、プレゼントにどうにかしてサプライズを混ぜてくる。人を驚かすのが好きみたい。男の人ってそういう子供っぽいとこあるわよね。


「ほら、まずはアンからだ」


 ザップはアンに大きな箱を渡す。


「一番大きいですね。開けていいですか?」


「当然だ」


 アンちゃんは嬉しそうに箱を開ける。あたしは鼻がいいから中身は見当がついている。


「うわぁ! でっかいですね。ご主人様、ありがとうございますっ!」


 本当に嬉しそうな顔で、アンちゃんは箱の中身を凝視している。口が開いてよだれがこぼれそう。


「最高級肉の巨大ローストビーフだ。いつでも腹が減った時に噛み付いてやれ」


「はい、ご主人様。じゃ、早速」


「待って、待って、このあとご飯だから。いっぱい用意してるから、違う日に食べてね」


 あたしはアンちゃんを止める。これからあたしが腕を振るったごちそうなのに、危ないとこだった。今日はアンちゃんにも満足して貰える量を用意している。


 けど、クリスマスプレゼントにローストビーフを贈るのなんて初めて見たし、それで喜ぶアンちゃんもすごいと思う。けど、喜んでるから正解なのね。



「ザップ、もしかして、私を酔っ払わせてなんかしたいの?」


 ザップはジブルにはワインをプレゼントした。


「ぬかせ。お前が欲しいって言ったんだろ」


「ありがと。このワインって産地に行かないと手に入らないのよね。よく覚えてたわね。本当に嬉しいわ」


 ジブルも大喜び。あんまり本気で喜ばないジブルがそうしてるのを見るのは新鮮だ。なんだかんだでザップって色々なこと覚えてるのよね。


「はい」


 ザップがあたしに小包を渡す。なんかあたしのが一番小っちゃいんだけど。けど、小っこいものって言えば宝飾品?


「マイが何で喜ぶか思い浮かばなかったから、今までで一番喜んで貰えたものにしたよ」


 箱を開けると中身は金色の液体を湛えた小瓶。


「えっ、スキルポーション?」


 あたしはつい目を見開く。なんてものプレゼントしてくれるのよー。最近スキルポーションは価格が高騰して、どんなに弱いスキルのでも大金貨100枚くらいで売買されてるのに。とりあえず鑑定。


『剛力のスキルポーション』


「うっ……」


 つい言葉に詰まる。たしかに嬉しいわ。スキルポーション美味しいし、スキルポーションだし。けど、けど、剛力だけは勘弁して欲しいわ。あたしの剛力スキルは成長しすぎてカンスト間近。文献で調べたところ、個人差はあるけどあと少しで体型が変わってゴリマッチョになる可能性があるらしい。強くはなれるけど、女の子として大事な何かを失ってしまうかも……


「あ、ありがとう」


 つい声が震える。そうだ、飲んだふりして売ろう。ザップには悪いけどゴリマッチョは嫌だ。あたしはスキルポーションを手にする。収納に入れよう。


「マイ、飲まないの?」


 ザップがキラキラした笑顔であたしを見ている。ダメ、そんな目で見ないで。しょ、しょうがないわね……


「いただきましゅ」


 あ、噛んだ。


「マイが噛んだ」


 ジブル、何も言わないで。


「マイ姉様が噛んだ」


 アンちゃんも黙って。


 あたしは外野を無視して、ポーションを口に含む。あまーい! やっぱり美味しいわーっ!


 ドクン!


 体が熱い。やばい何かがほとばしりそう。それを無理矢理押さえつける。なんて言うか、全身の筋肉に力を込めた感じ。あたしは全身全霊をもってそれを押さえつける。なんか涙がこぼれてしまう。


「まさか、マイがそんなに喜んでくれるなんて……」


 嬉しいけど、嬉しくないわ。


「ザップ、隠れて何度も、何度も迷宮に行ってたそうよ。ミノタウロス500匹以上倒したそうよ」


「ジブル、それ言うなって言ってただろ」


「ザップ、照れない照れない」


 ザップとジブルの声が遠くに聞こえる。けど、なんとか押さえ込んだ。多分、押さえ込まないと体型変わる。けど、お礼は言っとかないと。


「ザップ、ありがとう」


「どういたしまして」


 なじみのレストランで、サービスは要らないですって言っとかないと食べられない量の料理が出てくる様な感じだわ。もう、剛力のスキルポーションはお腹いっぱいです。今後はプレゼントシーズンにはジブルみたいにそれとなく自分の欲しいものをアピールするようにするわ……



 ◇◇◇◇◇



ザップ 「ん、これがクリスマススペシャルステーキ?」


マイ 「そうよ」


ザップ 「ステーキが3皿?」


マイ 「全部ロースよ。1つ選んでいいわ」


ザップ 「どう言う事だ?」


マイ 「3つから1つを選ぶのは?」


ザップ 「三者択一?」


マイ 「短くして」


ザップ 「三択?」


マイ 「お肉は?」


ザップ 「ロース」


マイ 「続けて」


ザップ 「ロース三択? 三択ロース? あ、サンタクロース……」


マイ 「(^_^)(^_^)(^_^)」


ザップ 「………………」



 メリークリスマス!! 


 今日が皆様にとっていい一日でありますように!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 下から集英社のオフィシャルサイトに移動できます。よろしくお願いします。
最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ