第22話 OLは意外なものと出会う
救済処置の便箋のとおり、鍵は食器棚の上に置かれていた。
意図的に隠されたものだけど、そうと知っていれば見つられたのよね。
部屋の中にヒントはあったのだから。
鍵はテーブルの前にあった椅子を、棚の前まで持って行って、その上に乗れば簡単に見つかるような場所に、無造作に置かれていた。
で、鍵穴に鍵を挿し込んで、回す。
かちゃり。
軽い音とともに、鍵が開いた。そしてドアを開けて……
……静かにドアを閉めた。
ここでもかああっ!
だいたいドアに鍵がかかるってことは、その先に行かせたくない理由があるって事よ。反対にドアの向こうにいるのを、こっち側に来させたくない場合って事もあるのよねっ。
……はあはあはあ。
心臓に悪い。まだ心臓がばくばくいってる。
部屋の中を見て、パニックに陥って、叫び出さなかった私を褒めてあげたい。
だって、部屋の中には……
へびがいました。
部屋の大半を占めるような、でっかいの。
とぐろを巻いて。
こっち見てた。
ヤバイ。とってもヤバイ。
完全に油断してた。
今まで、相手は私を殺す気はないと思ってた。
行動を制限するのは、動く細密画が描かれた額縁だけだった。
ここまでのところ、トラップとかも無かったし。
だから、ここから先も安全だろう、って。
そう思い込んでいたので、今回は丸腰だ。
装備しているものは鉄兜だけだ。服に至っては部屋着にしているジャージ。
あんなデカブツを相手にするんなら、これじゃダメよっ。
こっちもフル装備するしかないじゃない。
すぐに戻らなくちゃ!
……無理でしたけどね。
食堂のドアはぜ~んぶ、額縁に変わってました。
あひゃひゃひゃひゃ。
もー、笑うっきゃないわ。
もうお手上げ、かな。
あれから、部屋の中は徹底的に調べなおした。
武器になるようなものは何もない。
前回来た時に無視していた2枚目の便箋。
なんで2枚目という事がわかるかというと、この便箋も白紙だったから。
何かの条件を満たせば文字が浮かび上がるのだろう。
選択肢はふたつもある。
ここにずっと留まるか。
それとも隣の部屋に行くか。
考えるまでもない、わよね。




