好転
道中2人とも真っ赤な顔で歩く。
真っ赤な顔で謝り続けるマリヤと、マリヤの謝罪が耳に入らないほど怒りに燃える自分。
家の前について自分のほうを向いて謝るマリヤを見てもう一度抱きしめる。
「大丈夫です。自分が何とかします。」
自分に言い聞かせるようにそう言うと、マリヤはもう一度手を自分のほうへ回そうとする。
立てかけていた傘が倒れ、それを拾おうとマリヤから手を離ししゃがむ自分、そして少しムッとした顔をするマリヤ。
傘を拾い家のドアを開けて、マリヤが先に入り、背後を警戒してあと自分も入る。
ティアさんと彼女が向かい合って座っている。
マリヤは不満そうな顔をしながらティアさんの横の椅子に座る。
傘を置いて机に向かって歩いていき、ティアさんに話しかける。
「ティアさん、少し探し物があるんだけど、この周辺に砂漠とかないかな、大きな岩場がいっぱいある砂漠。
少しほしい石があって・・・・」
最悪掘らなきゃいけなくなっても、ティアさんの力があれば簡単なはず!
「どんな石を探しているの?
ギルドに石が好きな人がいるから聞いてみるわ。」
「淡い色をしている石で、燃やすと紫色になる石が欲しいんだ。」
特徴を説明すると横からマリヤが入ってくる。
「ボウショウのこと?
それならギルドにあるよ?」
「ほんと!?」
マリヤの回答を聞いて喜び、マリヤの肩をつかむ。
「えぇ、ギルドの医務室にあると思う。」
それを聞いてマリヤを思いっきり抱きしめて続ける。
「マリヤ!それをもらってこれるか!?
できるだけたくさん!」
「わかった!わかったってば!」
マリヤがつぶされながら叫ぶ。
今度はティアさんのほうを向き、
「その石が好きな人に会いたい!」
と頼み、紹介してもらえることに。
ここにきて運が向いてきた。
抑えきれない喜びに少し小躍りしながらマリヤとティアさんと3人でギルドに向かっていった。




