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勇者が家にやってきた  作者: 相川イナホ
9/16

それはTVと言って箱の中に人が閉じ込められているわけではありません


 「いやぁテンプレ。テンプレ」


 急いで帰宅すると兄が頭をかきながら 玄関まで出てきてくれた。


 帰宅して来て、部屋に引きこもっていない状態の兄を見るのは、本当ひさしぶり。


 兄も、私に話たいことがいっぱいあって待っていられなかったようだ。



 「テレビ見て『魔法の箱か?』って騒ぐし、時代劇を見てて剣持って飛びかかろうとするし…トイレやお風呂の使い方覚えるだけで大騒ぎでさあ?」



 参った参ったと言いながらも兄は楽しそうだ。こんな様子の兄を見るのも久しぶりだ。


 「で、アレ買ってきてくれた?」


 アレとはレンの服である。

 量販店でどこでも手に入りそうな特徴のないものを選んで、しかも店員さん以外に見られないように買ってきた。


 スポンサーは兄である。

 引きこもりついでにデイトレとかFXとかで、小銭を稼いでいるのだ。


 「レンは今なにしてるの?」


 「医療ドラマ見てる」


 たしかに、TVは情報の宝庫だ。


 視覚と聴覚にダイレクトに飛んでくるものがあるだろう。


 「でも、味覚と嗅覚はどうかな~?」


 私は帰りにスイーツを買ってきていた。 早くレンの驚く顔が見てみたい。


 「兄貴の分もあるからね?」


 できる妹だろ。と胸をはる。


 「サンキュな。」


 兄貴は笑顔を見せると買ってきた服をレンにもっていった。


 私はウキウキと紅茶を用意した。


 こんな風に兄貴と笑顔で会話できるだなんて、本当にいつぶりだろう?


 レンの存在が私達、兄妹の関係を変えてくれているようだった。

 

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