理想の弟
「こんな事までしてもらって…ありがとう」
私の買ってきた服に着替えたレンが、紅茶を淹れている私のところまでやってきた。
「スポンサーは俺だけど見立てはくるみだからな」
白い、そのへんの高校生が着ているような何の変哲もないTシャツにジーンズだけど、本当に恰好いい。均整のとれた身体に長い脚をしているからだろう。
ただの量販店の服なのに、レンが着ると高級店のショーウィンドウに飾られていたみたいだ。
少年から青年になりかけのあやうい透明感がなおさら美しいと感じさせる。
レンは本当に綺麗な子だった。
「裾切りしなくていいだなんて反則だなぁ」
兄貴は苦笑していた。
「長さまで計っていかなかったから、ロールアップすればいいかって思ってたけど必要なかったね」
「…変なところはないですか?」
レンはちょっと照れているようだ。
「どっこも変なところなんてないよ~。すごく似合う」
「よかった」
素直な笑顔だった。
今日一日かけて兄貴がレンに、起こった事を教えたと見えて、レンは自分に起きたことを理解しているようだ。
積極的にこちらの世界の事を学ぼうとしているように見える。
何にでも好奇心旺盛のようだ。
私の用意したスィーツを一口食べて目を見張る。
「おいしい。こんなにおいしい物、はじめて食べた」
キュンとした。母性本能的というか姉性本能的な何かで私はときめいた。
フォークを使って、一口一口、味わうように食べているレンを見ていると…
「まるで弟ができたみたい」
理想の弟がそこにいた。
レンの口調が変わったのは二人が自分より年上だとわかったから…という設定でお願いします




