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趣味人のVRMMO  作者: et al.
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78/94

ep.76

 

「おはよう。」


「  」


 久しぶりの簡易ベッドもなかなかどうして、味があっていい。ルー、夜はどうだったか?タリアにいじめられなかっただろうか。今日の夕方決議を取ろう。キャンプと、ここ、どっちがいいのか考えておいてくれ。金が入ったら、宿の方に移るから。でも、タリアが寂しがるな。考えものだ。


 今日も今日とてやることが多い。外の天気はどうなっているのか。種植える予定だし、晴れていれば嬉しいんだが。畑までの移動を考えると、こっちで寝るのはラグがあるな。畑で寝て、ステータスにボーナスもつく方法はないものか。キャンプキットの豪華版なんかは有りそうだが、先の街だろうな。


 起き上がり、広間へ出て神像へ手を合わせ、一礼。本日もタリア女史は出勤か。尊敬に値する。タリアに胡乱な目で見られながら、神殿を後にする。この感じも、懐かしく感じる。


「さて、どっちに行くか。」


 東門は昨日、色々あった。西門も昨日、色々あった。どちらが、危害なく外に出られるだろうか。西の方が近くはあるが、また絡まれたら堪らないしな。東門があの後どうなったかも気になるし、東門から外に出ようか。ルー、きっちり隠れておくんだ。あんなことができると広まってしまえば、お前に安息の時は訪れないかもしれないぞ。


 天気は曇天。コレから、気分次第で、雨にも晴れにも転びそうな状況。今日はトノサマフロッグの水袋の出番はないかもしれないな。便利アイテムだが、残り残量が見れないのが少し残念。適宜継ぎ足せばいいのだろうが、人様の土地から頂いているものだし、気軽にはもらえない。


「1人、2人、、」


 うん。いつもの人数だ。捜索は打ち切りになったのだろう。または、何らかの答えを得られたか。中には、昨日言葉を交わした衛兵さんもいる。あの後どうなったか、聞いておこう。


「おはようございます。」

「昨日、あの後何かわかりましたか?」


「おはようございます。」

「いや。結局何も出ずに解散となった。」


「そうでしたか。」


 あの後、爆発した周辺を探ってみたのだが、爆発の跡以外目ぼしい発見は出なかったそうだ。俺も迂闊だった。ルー、次からは離れた位置で試さんといかんな。その前に、威力を調節する練習もしなきゃ。【魔力操作】なんかはいいぞ。魔物のスキル習得がどのように行われるかは知らんが、魔法が得意なら、そのうち覚えられるだろうけど。


 礼を行って立ち去る。畑の様子はどうだろう。最初に荒らされた時も、雨降りの後だった記憶があるが。荒らされていなければいいな。せっかく作ったんだ。できれば、落とし穴にも反応があればいいな。


「ああ、君!」


 背後から、衛兵さんに話しかけられる。まずい、バレたか?ルー、隠れてろって言ったろ!え?ちゃんと隠れてる?ほな、違うか。一体なんだろうと、振り返る。


「まだ何があるかわからないからね。」

「何かあれば、報告してくれ。」


 至極、真っ当な連絡事項であった。刑事物の見過ぎだろうか。去り際にあともう一つ、と言われるとチェックメイトかけられているような気分になる。手練の刑事が使う常套手段だ。


 気をつけます、と一言答え、畑の方に向かう。俺と爆発を結びつけて、城壁付近で畑やっていることやルーがいることが捲られる可能性もあるな。落とし穴に最初にかかるのが衛兵さんだなんて、笑える笑えない。何か、爆発しそうな何かが東門付近で見つかればいいのに。雷がたまたまスライムに当たって爆散したとか、都合よく改変されないかな。


「うん?なにか、かかってる!」


 本日も無事、畑は荒らされていない。日頃の行いだな。豊穣神が目を配らせてるのかも。落とし穴に被せていた木が落ちてぽっかり穴が開いていて、何やらガサゴソと音がしている。すごい!本当にかかるんだな。


「さてさて、鬼が出るか蛇が出るか。」


 俺の畑を荒らしたのが、お前の運の尽き。水属性の暴走とは同情の余地があるが、もっと遠くではしゃぐべきだったな。城壁に何か特殊な効果でもあるのかと疑うくらいには、近くに魔物が寄ってくるのを見かけないんだがな。今後、この世界で過ごしていくには属性の暴走も考慮しておかないと。テンションが上がると表現していたが、万能感や全能感に浸ってしまうのだろうか。JKみたいな。ウチら無敵だし、みたいな。一般陰キャ男性としては、いちばん避けたい相手なんだが。オタクに優しいギャルなんていないんだし。


「ええい、ままよ。」


 このまま手を拱いて見ていても、埒が明かない。意を決して穴に落ちて、今なお動いている生物Xを覗き込む。一応、ルーは畑の方でローナでも喰んでおきなさい。危なくなったら、助けを求めるよ。落とし穴を作った時には想定していなかったが、属性の暴走であることを考えると、遠距離攻撃の手段を持っているかもしれないし。


「猪。」


 しかも、子連れ。





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