↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
趣味人のVRMMO  作者: et al.
PR
142/148

ep.140

 

 インフォに明日ガチャイベントの出物など情報が出ていないか確認しながら街へ戻る。結局公式からの発表はなく、当日までお預けのよう。では、と久しぶりに掲示板を覗いてみると、俺と同じ夢追い人たちが予想大会で盛り上がっていた。俺と同じ、家やら装備品やらを予想している人は多い。変わり種でいうと、運営に直接お願いができる権利や、現実世界で流行っているアイドルのコンサートチケットなど。


「それは考えていなかったな。」


 現実世界で使えるものは考えていなかった。公式からの発表がないってことは、現実世界の品物が景品として出てくる可能性も捨てきれない、のか?ゲーム開始する時に個人情報は登録しているので、それも不可能ではないのか。でも、今は現実世界での現金よりも、こちらの世界のレアなものの方が嬉しいな。そのくらいハマってしまっている。最初にたてた趣味に生きるという目標はあまり達成できていないが、それはコレからだ。不労所得の下地ができれば、あとは遊んで暮らすんだ。


 帰り道、草原の途中、因縁の相手と出会した。随分だな、角ウサギ。あの時敗走したのと同個体ではないだろうが、あの恨み、お前で晴らさせてもらおうではないか。お前は変わっていないだろうが、俺は強くなったぞ。そっと【鑑定】をかけてみる。結果はLv.10?あれ、10だったっけ?そんな強かった?君、成長してない?


「ふふ。お前も成長しているというのか。」


 そんなもの想定内だ。それでこそ俺のライバルに相応しい。狼なんかよりも、こいつに負けた悔しさの方が強かった。この街を出るのに、角ウサギを倒さずに進むことが心残りではあったが、良いタイミングで会えた。


「ウォーターボール!」


 相手も気炎万丈。こちらを目掛けて突進しようと右後脚で地面を蹴っている。こういう時にも、利き足は右なのか、とか呑気に考えてしまう自分がいる。邪念を振り払い、お手並み拝見とばかりに、水の球を放つ。ダメージチェックと俺自身の成長を確かめるために、通常のMPを支払ったが、一撃では倒せず。なかなかやりおる。


「サンドウォール。」


 相手の突進に合わせて、砂の壁を出す。攻撃魔法とは違い【詠唱破棄】の恩恵を強く感じられる。感覚的に出せるというか、出るまでのラグが少ない感じがする。流石に守護者ほどの攻撃力は持っていないのか、砂が角ウサギの突進の勢いを全て吸収してくれる。カートゥーンにみたいに、角と顔の形が残っているのかな?気になるが、確認する前に砂の壁は消失してしまった。


 角ウサギが壁との衝突で動きが止まっている間に再使用できるようになったウォーターボールを当てる。他に見ている人もなし。餞に【破壊】の力も込めて俺の最高打点を。礼を言うぞ、角ウサギ。これで俺はまた一つ強くなることができた。


 ・角兎の肉

 ・角兎の皮

 ・黄色兎角


 まあ、ドロップは通常のウサギ魔物に角が生えた程度。ストレージに入れるほどではないか?まあ、空きもあるし一番レアそうな兎角だけ入れておいてもいいか。なんに使うんだろうな。槍の穂先とか?でも金属の方が硬くて強そうだよな。東洋っぽく考えると、薬とか印鑑とか。マダムに譲ったっていいな。角ウサギ自体がレアで角は幸運のお守りになるとかそんな感じのご利益があるならミアに渡そう。そういう場合は、アクセサリーに加工して渡した方がいいんだろうか?面倒だからいいか。


 街に到着する。日付が変わってすぐガチャが始まるみたい。どこか会場になるかは知らんが、特設会場みたいなのが用意されるんだろう。今日は早めに寝て、日付変わってすぐログインしようかな。でもログアウトする前に、やっておかねばならんことがある。


 いつもの大衆浴場に入って、身を清める。今日はゆっくりしている暇はない。上がったらすぐに、神殿に行き、手近にいた神官さんに寄進を。神官さんからの礼を片手で制し、足早に女神像の方に。タリアがまた胡乱げな表情を見せるが、気にしない。女神像の前で跪き、心の中で祈る。


 転職の時のように別空間に飛ばされることはなかった。ただ、ひたすらに、神聖な場で俗なことを願い続ける。


 女神像の前にどれくらいいたのかわからないけど、とりあえずやれるだけのことはやっただろう。人事を尽くして天命を待つ。いい言葉だ。神の存在を強く感じられるこの世界には相応しい。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。