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趣味人のVRMMO  作者: et al.
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133/143

ep.131

 

「ジョン、何か習得しておくと便利なスキルはあるだろうか?」


「なぜ俺に?」


「雑談のようなものだ。気軽に考えてくれ。」


 どうせジョンにも俺のスキルセットは筒抜けだろうから、改めての自己紹介は省略する。ジョンのなぜ俺に、という反応は、なぜ喫茶店の店主である俺に、なのか、俺がレイに言われた時のようななぜ俺が、の意味が含まれているのか。まあ、あくまでもジェラートが完成するまでのつなぎだと思ってくれていい。おすすめしてもらったやつを取るかどうかは、また別の話だ。俺が習得できるかどうかも、別の話だし。そういうわけでいっちょ【生活魔法】みたいな便利なものを頼むよ。


「じゃあ、戦闘面では?」


「魔法を使うのであれば、相手と距離を取れる術は持っておいた方がいいんじゃないか?」


「確かに。」


 現状自力で移動しているからな。こないだの守護者戦もいきなり目の前にワープしてきて、常に移動して距離を取っていた。あの時スキルのアシストを受けることができれば、もっと頭を使うのに余裕ができたのは間違いない。大きめの戦闘のたびに回避関係のスキルは考えていはするが、ついにその時が来たのだろうか。それにしても距離をとる術か。回避と移動が一つになったものがあれば、それぞれを取るよりも安上がりで済むのに。どちらも取って、熟練度を上げれば進化するとか?スキル枠の上限がないゲームにおいて、それは意味のないものに思えるが。


 それか、相手を動かす方向で考えるか。例えば、STRを強化して、相手を押すことで自分ではなく相手に距離を取らせる、とか。でも、物理的に触れない相手だったり、サイズが大きかったり、小さかったり、人型ではなかったりしたらその手段は効果的ではなくなってしまう。自分が移動するのが、汎用性高くて今の自分には一番あってるかな。


「そろそろだ。」


 ジョンの声に我にかえる。注文した濃いめのコーヒーが出来上がったよう。今すぐだと熱すぎるかな?ちょうど糖分を欲していた頃だし、ちょうどいいか。


 冷凍庫から、ジェラートを取り出す。固くなってはいるが、果たして出来上がりはいかほどか。底から掬い上げ、全体を均していく。ディスプレイはしないから、なみなみに見栄え良く盛る必要はない。カップにジェラートを盛ってそれぞれの席へ提供。ジョンにも、別の小さめのカップに少しずつコーヒーを注いでもらい、ジェラートを盛り付けたカップの隣に提供していく。


「コーヒーは濃いめに淹れてもらった。カップに入っているのはミルクジェラート。まあ、冷たくて甘い牛乳だ。コーヒーをジェラートに注いでから、食べてみてくれ。旅人はアフォガードと呼んでいる。」


 主に髭の紳士に向かって説明する。生粋のブラック好きには刺さらないかもしれないが、たまには変わり種もいいだろう。


 2人は恐る恐るといった感じだが、一口食べる。それを見守って、俺も一口。バニラビーンズがないから、コク?がない気もしないでもないが、これはこれで、美味しいじゃないか。現実世界のエスプレッソとまではいかないが、ジョンの淹れてくれた濃いめのコーヒーもしっかり主張している。主張しすぎているか?これは俺の料理の腕がまだまだ追いついていないってことだろうな。もっと精進せねば。


「悪くないな。」


 ジョンからも及第点をもらう。糖分を取ったことで、脳も元気を出してくれたみたい。ジェラートを一掬いし、小皿に乗せ、ルーが食べるか確かめてみる。冷たいから食べないかな?興味は持っているようなので、とりあえず放任。余ったジェラートはよかったらお二人でどうぞ、と告げ、再度取得スキルを考えていく。


 戦闘関連のスキルは大枠での方向性が定まってきた。あとは生産とか戦闘関連以外のスキルとのポイントの兼ね合い。ここでしっかり考えておけば、今回ポイントが足らず取れなかったとしても、ポイントが手に入った際にスムーズに取得できるようになるから、この時間は意義のあるものだと思う。


「では、戦闘以外で思いつくものがあるだろうか?」


「冒険者稼業を続けていくなら、【解体】はあって困らんな。」


「何それ?」


 何それ?少なくとも、現在獲得可能なスキル一覧には上がってきていない。プレイヤーにも獲得可能な代物なのだろうか?魔物倒したポリゴンになって消えるが、どう解体するのか。


「魔物を倒した時に得られるものが増える。熟達すれば、通常では手に入らない貴重なものも手に入れられる可能性があるそうだ。」


「すごいじゃん。」


 信じていなかったわけではないが、本当に有用なスキルだった。どうやったら覚えられるのか。




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