prologue
処女作となります。
「流石に、あれだな。ワクワクするな。」
数多のMMO作品が乱立したのも過去の話、現在はVRMMOそれもフルダイブ型のものがゲーマー達の話題をさらっている。
そんな中大手のゲーム会社が手がけた【DesiredWorld】通称【DW】は"全ての人から望まれた世界"をコンセプトに掲げ、注目の的となっている。
「まずは、コーヒーからだな。うん。何よりもコーヒーだ。」
プレイヤーは旅人としてDWの世界に降り立つ。現在スポーン地点は開幕ログイン勢であろうカラフルな頭をしたプレイヤーでごった返す。我先にと冒険に繰り出す者、テンプレート的に冒険者ギルドを探す者とライバル達に遅れをとるまいと皆が一様に行動を始める。
そんな中流れに逆らい、街の寂れた裏路地を自分の嗅覚を頼りに一人探索し始めるプレイヤーがいた。未だこの世界のマップを手に入れておらず、自分が今どこにいるかもわかっていなかったが彼を止めるものは何もなかった。はずだが、
「くそ、足はおせえし、もう疲れてきてるし。そりゃあ、この世界にも制約はあるよな。」
自身の初期ステータスの低さに悪態をつき、立ち止まり、息を整え、今度はゆっくりと歩き始めた。にわかに嗅ぎ慣れた香ばしい香りが鼻腔をくすぐり周囲を見渡す。その匂いの元を突き止めるべく、彼は残る力を振り絞り、駆け足で辿っていく。
やがて匂いの元凶とも言える蔦で覆われた煉瓦造りの建物を見つけ思わず口角が上がる。
「名店ってのは隠れてないといけない法律があるんだよな。」
この世界に趣味に生きる時間を望んだプレイヤー”GAKU”はこれからの展望に両手を揉み、胸を躍らせながら自身を誘惑する雰囲気を放つ建物に駆け込んでいく。
プレイヤー:GAKU
職業:旅人
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