表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能扱いで追放された俺、実はパーティが崩壊しないよう全部やってただけでした  〜戻ってこいと言われても、もう遅い〜  作者: 芋平


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
98/113

第98話 政治の数字

 ヴァルト市は、

 地図の上では

 重要な都市だった。


---


 交通の要所。


 かつての工業拠点。


---


 だが。


---


 今は違う。


---


 列車を降りた瞬間、

 リーネはそれを理解した。


---


「……静かですね」


---


 駅前広場。


---


 人はいる。


 だが。


---


 活気がない。


---


 店は開いている。


 だが。


---


 客がいない。


---


 広告は貼られている。


 だが。


---


 色あせている。


---


「数字は悪くなかったはずですが」


---


 リーネは

 資料を思い出す。


---


 ヴァルト市。


---


 NCI:中位。


---


 悪くない。


 むしろ安定している。


---


 だが。


---


「……これは」


---


 その時。


---


「ようこそ」


---


 声がした。


---


 振り向くと、

 一人の男が立っている。


---


「市政局の

 担当官です」


---


 やや疲れた顔。


---


「NEAから来たと

 聞いています」


---


「はい」


---


 リーネは

 軽く会釈する。


---


「状況を

 見せてください」


---


 担当官は

 苦笑した。


---


「見れば分かりますよ」


---


 車に乗る。


---


 街を走る。


---


 工場。


---


 動いている。


---


 だが。


---


 人が少ない。


---


「自動化です」


---


 担当官が言う。


---


「効率化で

 人は減りました」


---


 次の場所。


---


 商店街。


---


 シャッターが

 目立つ。


---


「利益の出ない店は

 閉めました」


---


 さらに進む。


---


 学校。


---


 規模が縮小されている。


---


「予算配分の

 最適化です」


---


 リーネは

 静かに聞いていた。


---


 すべて。


---


 正しい。


---


 効率的だ。


---


 無駄がない。


---


 だからこそ。


---


「……余白がない」


---


 小さく呟く。


---


 担当官は

 驚いたように

 見る。


---


「余白?」


---


「新しいことを

 始める余地です」


---


 担当官は

 少し黙る。


---


 そして。


---


「そんな余裕は

 ありません」


---


 静かな声。


---


「失敗すれば」


---


「NCIが下がる」


---


「予算が減る」


---


「責任を問われる」


---


 その言葉は、

 重かった。


---


「だから」


---


「誰も

 やらない」


---


 車が止まる。


---


「ここです」


---


 降りる。


---


 そこは。


---


 かつての

 工業団地。


---


 今は。


---


 半分が

 空き地になっている。


---


 風が吹く。


---


 静かだ。


---


「ここは」


---


「新規事業用地でした」


---


 担当官が言う。


---


「ですが」


---


「全部

 止まりました」


---


「なぜ?」


---


 リーネが聞く。


---


「リスクが高い」


---


「評価が下がる」


---


「だから

 却下」


---


 短い言葉。


---


 だが。


---


 すべてを

 表していた。


---


 リーネは

 空き地を見つめる。


---


 何もない。


---


 だが。


---


 ここには

 本来あったはずだ。


---


 未来が。


---


「……これが」


---


 小さく言う。


---


「政治の数字」


---


 効率は上がった。


---


 無駄は減った。


---


 だが。


---


 未来も

 消えた。


---


 その時。


---


「おい」


---


 声がした。


---


 振り向く。


---


 見覚えのある顔。


---


「久しぶりだな」


---


 カイルだった。


---


 軽い笑み。


---


 だが。


---


 どこか

 懐かしい空気。


---


「……なんでここに?」


---


「呼ばれた」


---


 肩をすくめる。


---


「“実行役”として」


---


 リーネは

 少しだけ笑った。


---


「ちょうどいい」


---


「現場が

 止まってる」


---


 カイルは

 空き地を見る。


---


 そして。


---


「なるほど」


---


「完璧に

 止まってるな」


---


 軽く言う。


---


 だが。


---


 その目は

 鋭かった。


---


「で?」


---


「ここからどうする?」


---


 リーネは

 答える。


---


「動かす」


---


 短い言葉。


---


 だが。


---


 それは。


---


 国家制度を

 動かす最初の一手だった。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ