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第8話 夜魔獣作戦会議

今日は授業はなく一日することもないので、部屋に戻ることにした。


気まずいが仕方がない。

そういえば、ここに来た時に同居人と気が合わなければ言ってくださいってリキが言っていた。


だが、リキに苦労をかけるようなこと言えないし…何よりまだ飛鳥との関係を修復できる気がする。


「飛鳥…」

部屋に入るとさっき出て行った時と変わらず飛鳥はベッドの上にいた。



「湊…」上体を起こし湊に焦点を合わせた飛鳥。


「…ごめん。さっきは」

ぽつぽつと飛鳥は言葉を零した。


その様子は後悔と不安に押し潰されそうなのを必死に耐えているようで痛々しい。


湊はそんな飛鳥の目をまっすぐと見つめた。

「別に気にしない。飛鳥にも事情があることは分かる。だから協力しようと、思う」



「え、きょう…りょく?してくれるの…」




「うん。する…って言ってもわけを話すのは嫌なんだろ?だから少ししか役に立たないだろうけど」


飛鳥は弱々しい笑みでありがとう、と言った。



「だから対価として勉強教えてよ?」


「対価にもならないよ。勉強のために手伝ってくれるんだったら止める。いくらでも教えるし」



「勉強のためじゃない」

真剣な眼差しで湊は飛鳥に言った。



「飛鳥?俺は飛鳥に手伝ってもらいたいことがあるんだ。だから今日させてくれ」

強引な言い方だが、湊が自分のために協力したいと言っているのなら遠慮はしないだろう。



「…ふふっ、ありがとう」


だが意図が読めてしまったらしい。

手伝ってほしいのは本当だ。聞きたいことがある。

飛鳥はお見通しと言わんばかりの笑みを浮かべたのだった。



「じゃあ、作戦を立てようよ。この前みたいに突っ込んで行ってやられないために」


「意外だな。湊が作戦を立てて動くなんて」


「意外と思ったのはこっちだよ。飛鳥が突っ込んでいくなんて」



お互いに顔を見合わせた後2人から笑いが零れた。

柔らかい笑い声があたりに溶けたのだった。



「うーん、まずは情報が欲しいな。飛鳥、あの魔獣は夜にしか現れないんだよな?」


「んー、そうでもないよ」


「え?」


この前夜魔獣って…言ってたはずだが。

それに昼間にあの魔獣たちが練り歩いていたら住民が困ることあの上ない。


予想外の答えに戸惑っていると説明してくれる。


「夜じゃなくても薄暗い場所とかに潜んでいたりするかな。例えば路地裏とかの日が当たりにくい場所で」


ということは街中にもいるということだろうか。

だとしたら街は日々阿鼻叫喚なはずだ。


そのように考えていると飛鳥がその疑問を解決してくれた。



「昼間に出る分は街の討伐隊が狩ってくれる。だが、夜は魔獣が街に出てきた時のみ討伐する。夜魔獣は森に群生しているからね」



そして、そこから出るのを飛鳥たちは防いでいたということらしいが、咲奈はあれ以来体調がすぐれないらしい。



命に別状はないということだが。




「けど、飛鳥たちが抑えきれていない部分もあるはずだよな?そこはどうしているんだ?」



それぞれ夜魔獣が出やすい地点は決まっていてそこには駐在所のようなものがあるという。



「じゃあ、どうして学校の裏には誰もいないんだ?」


「結界が張られているはずだったからだよ…」


「はずだった…?」

飛鳥は訳知り顔で言ったのだった。




「まぁ、ここからは深く言えないんだけど…」

それが飛鳥を縛り付けている理由だろう。

これ以上は聞くことができそうにない。

けど…




「そっか。なら、心配ないね」




ニコッと微笑む湊に飛鳥は不思議そうな顔をした。

だって、結界がなくなっていると言っているのに心配がないというのだから。



「どうして?」


「今のところはここだけなんだよな?夜魔獣が大量発生している場所って」


「そうだけど」


「なら、ここを抑えれば済む話じゃんか」


ポジティブな考え方に飛鳥は微笑んだ。

今まで1人で対処することを強いられてきた問題が解決するかもしれない。


咲奈は事情を説明することなくただ好奇心で着いてきていたということなのでノーカンだし、来る頻度にもムラがありすぎた。



それが飛鳥が咲奈のことを苦手に思っている理由の一つだった。


けど、湊は…違う。


「飛鳥、昼間の森を見ておきたいんだ。地図が頭に入ってないと対処できないでしょ」


「そうだね。そこから始めようか」




2人は森の探索に出たのだった。



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