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二十五話『定例会議〜Side.ヘクレール〜』

「それでは本日最後の議題に移りたいと思います」


【快晴】ギルドの定期報告会は今日も問題なく終わるはずだった。


「本当は先程全て終わったはずでしたが!これからギルドマスターから代理戦争についての申し開きをしてもらいます」


「今日もヘレンの眉間の皺は深いなあ」


「一体!誰の!せいだと!思ってるんですかあああ!!」


「すみませんでした!」


 ヘレンさんがいつになくキレている。

 ギルドマスターは華麗な土下座を決めている。

 なんだかんだギルドマスターに容赦なく言えるのはヘレンさんと白雪さんくらいだ。ギルドマスターの実力を見て取り乱して以降、ギルドマスターと少し距離を取ってしまっている。白雪さんは純粋に強い。でもギルドマスターの強さは執念とか怨念とか呪いとかそういった粘ついた強さだ。普段の本人からすれば考えられないが、A級ギルドのマスターで仮にでもS級を従える実力だということだ。


「…代理戦争。拙者はいつも通り引きこもるでござる」


 横で独り言をつぶやいているのは守備部隊長の不動さんだ。彼のギフト【籠城】は守りに適しているが、彼を基点とし、四方を囲まれている必要があるため彼はほとんど動けなくなる。以前は一日中、重低音バイスで聖書を暗唱していたそうだが守備部隊から苦情が殺到して今は暇らしい。

 会議は攻撃部隊長の私と守備部隊長の不動さん、ギルド管理人のヘレンさん、S級の白雪さん、そしてギルドマスターがいつものメンバーで、遊撃部隊と斥候部隊からは隊長や副隊長が持ち回りで参加している。彼らは多忙だ。


 会議の内容は代理戦争の話になり、ギルドマスターが説明を始めた。けれど、私は新人のユキくんのことを考えていた。

 最初は何も感じない子だった。白雪さんが気に入っていることが不思議で興味を持ったが想像以上だった。

 動きは素人で挙げたらキリがないほどダメダメだった。けど、それでも身体に振り回されながらも何とか食らいつこうという気持ちを感じた。大人しそうな雰囲気なのに強い負けん気を感じた。

 彼は何度つまずいても起き上がってもっと強くなっていく。私なんてすぐにかなわなくなるだろう。


 いや、上がそんなんじゃ彼もギルドに入った甲斐がない。私ももっと研鑽して彼の上に少しでも長く居座ってやろう。

お読みいただきありがとうございます。

少し期間が空いてしまいましたがちゃんと続きます。

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