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C【派生シリーズ】邪  作者: 邑 紫貴
感謝短編

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【秘密】②

『約束は絶対』

Side:あらし・登場人物:しずか


仕事から帰ると、今日は先に帰宅して台所で料理をする閑の姿が目に入る。

「おかえりなさい。」

手にオタマをもって、笑顔の閑……エプロン姿。

ムラッ……

「ただいま。」

俺の表情で何を読み取ったのか、閑は引きつった表情に変化。

「あ、お風呂、先に行って!その間に、準備できるから!」

挙動不審に、駆り立てられる欲望。

近づく俺に、困った表情で背を向けた。後ろから抱きしめると小さな抵抗。

「嵐、ダメ……火を使っていて、危ないから……」

逃げないように手を捕らえ、もう片方の手で火を止めた。

耳元に囁く。

「閑、お腹すいた。」

「……う、ん……。」

俺の続く言葉を知って、曖昧な返事で誤魔化す。

学校は嫌だと言うので、最近は我慢しているのに……家でも、コレなのは何故なんだ?

結婚して、お互いに仕事が忙しいのがいけないのかな。

捕らえていた手を離し、閑の安堵に苛立ちが更に募った。

両手を閑の脇腹から服に手を入れてたくし上げ、圧し掛かる。

「なぁ!?」

胸元まで持ち上がった服を押さえ、視線を俺の方に向けて涙目で訴える。

「ふふ。かわいい閑、いい子だから……ね?バンザーイできるかな。」

自分でも、意地悪な顔をしている自覚がある。

閑は視線を逸らして服を握り締める力を強め、首を振る。

やべぇ、制御できねぇ~。大事にしたいのに、閑の恥じらいに煽られてしまう。

「閑、服を着たまま……ここで、しちゃう?」

「ばか……」

抵抗は少なく、服を押さえていた片手を俺の手を退けるように動かし始める。

「夫の愛情に、ばかは酷いよ?」

肌の露出した背に、顔を近づけてキスを落とした。

「ん……」

小さな声と共に息が漏れ、身体の反応は敏感になっている。

ゾクゾクッ……

自分の熱が上がる。閑を自分の方に向かせ、深いキス。

「はぁ……閑、わりぃ……余裕ねぇ~わ。……止まんねえ……」

台所の床に崩れ、閑の柔らかい胸に顔をうずめた。

「……嵐……」

名を呼ばれ、頭を撫でる優しい閑の手に胸が苦しくなる。

顔を上げて閑と視線を合わせると、微笑んで俺の額にキスを落とした。

「料理が冷めるから……その後で。」

視線を閑の胸元に落とすと、エプロンが邪魔をして肌は見えない。

あっやべ……いけない事を思いついちゃったや。

そんな俺の考えも知らず、閑に被さるのを止めて笑顔を見せた俺に最高の笑顔。

「ね、閑……約束だよ?食事の後、イチャイチャしようね。俺、お願いしたい事があるんだ。良い?」「うん!じゃ、準備するね。」

服を整え、食事の準備をする健気な閑に、悪戯心。

白い肌にエプロン……お風呂も一緒に入ろう。

閑は真面目に育ったものだ。

付き合い始めの頃、威嚇していた閑の兄貴達が原因だな。

俺は剣道で勝って障害は無くなったけど、肝心の閑がこれだからなぁ。

俺、我慢したんだよ?味わえばいい……

約束は絶対に守ってね♪




『相容れぬ相思』視点:あらし・登場人物:しずか


愛しい妻は、現国の教師……今日は当直で、学園に泊まり。

職員室で、彼女が襲われたりしたら大変。

「止めろ。イヤだ……」

危険から、俺が護ってあげなきゃ♪

「職員室で私に触れるな、嵐!!」

えぇ~~?俺、心配で来たのに……超テンション落ちるぜ。

抱き着いた俺を押し退け、抵抗する閑。

「な、何で?ココ……セキュリティーがっ……勝手に……え!?」

プチぱにっく……可愛い!!

「え?だって、こんな薄暗い所に閑を置いておくなんて……俺、心配で来ちゃった♪」

笑顔の俺に、嬉しそうな笑顔は一瞬で……眉間にシワ。

何だかサミシイ……

「俺の愛情、いらないの?」

机で逃場のない閑を、両腕で閉じ込め……身を寄せる。

愛しい妻は、素っ気なく……顔を背け「帰れ!!」

冷たいなぁ~~

「俺、学園のカギを握ってんだよ?大丈夫♪ね?セキュリティー万全……誰の邪魔も入らない。閑……イチャイチャしようぜ?」

顔を近づけ、耳元で甘く囁く。

「前にも言ったよな。ここでは、教師だと!」

真っ直ぐな視線……イラつく……

「うん?ふふっ……何度も聴いたけど、納得できないよ。俺には、関係のない話だ。俺にとっても、ここは職場……だけど、今は二人……俺達は夫婦。俺は、閑を愛している。ね、君は?閑は、どうなの?俺に愛情はある?あるなら、関係ないよね?」

分かっている。本当は……君の価値基準を……

それでも、俺の望むのは……その基準を超えてでも、俺を受け入れようと思ってくれるかどうか……

愛情を試したいんだ。

俺達には、永遠も……呪いの鎖も無い……不確かな見えない感情を、常に意識していたいんだ。

「どうして……信じてくれないんだ?いつも、いつも……劾のことも疑う。嫉妬以上の悪意さえ感じる……」

俺を突き飛ばし、背を向けた。

俺は、閑の泣いている後ろ姿を見つめる。普通なら……

「閑、俺……慰めたりしないよ?だって、さぁ~……欲情しちゃうんだ。そんな弱さを見せられると……もっと、追い詰めたくなる。」

涙を拭う両手を捕らえ、閑の体を机に押し付けた。

「やだ!!止めろ……痛い……」

嘘だ。そんなに痛くないはずだよ……加減をしているんだ、これでも……

味わえばいい。俺の愛情を……逃げられない。俺のモノ……

「どうして、信じないか?さぁ~ね、きっと……閑は、俺より仕事の方が大事だと思わせるような態度だからかな?」

「仕事と、愛情を比較に出すなんて……」

そうだね、分かっているんだって……ただ、イラつくんだよ。

無防備な背中に手を置いて、顔を首筋に近づける。

【ビクッ】

反応の返って来る身体……どうして、素直に感情も反映されないんだ?

イラつく……

「嫌だ。止めて……好きだ……けど、イヤ……」

小さくなる声……震える体……何が間違っているんだろう?

「好きなのに、俺に触れられるのがイヤ?」

どうして、俺を受け入れてくれないんだ……

舌を出し、首筋から肩に滑らせる。背中から腰に指を滑らせ、お腹にそうように移動させる。

ただ、声を殺していた閑の息が荒くなる。

手が冷たい机に挟まれた。無理やり胸元に手を移動させ、上着のボタンを外し脱がせていく。

「はぁっ……嵐、頼む……家に、帰ろう?」

職場の当直を放棄しても、ここ……学校で俺に抱かれるのは駄目なんだな。

閑なりの譲歩……俺は自分の腕を、閑の胸と机の間から抜く。

安堵したように、閑の体の力が抜けたのが分かる。

イラッ……手をタイトスカートに移動させ、なぞる様に内股に入れた。

「……っ!?」

閑の太ももが、慌てて俺の手の動きを封じる。

「はぁ……はっ……嵐……っ……うっ……イヤだ、お願い……止めて。」

俺は、追い詰めるのが好き……けれど、ここまでしたかったわけじゃない。

心が……冷たくなる……距離を埋めたくて、もどかしさに狂う。

そっと、俺の手から閑の両手を解放する。

触れていた太ももは、柔らかさも感じない。それが、恐ろしく……怖った。

閑から、そっと離れ……背を向ける。

後ろから押さえるんじゃなかった……

閑の表情が見えなくて、制御もできず……読み取る情報を遮った。

恐怖は、闇に突き落す……嫌われた……

軽蔑された。きっと、許してくれない……

「俺、帰る……」

職員室から出ようと、ドアを開けた。

「待て!!」

背中から抱きしめられ、歩行が止まる。

「閑、俺が悪かった……分かっているんだ。ここが、閑にとって特別な場所だと。それでも……」

俺の腰に回った閑の腕は、震えていた。

心が痛む……腕を解こうと、手を近づけた。

「いいぞ!!もう……嵐になら、何を、どこでされたって……」

え?

視線を後ろに向けると、涙目で視線を上に……俺を真っ直ぐ……睨むように見ていた。

視線が、俺と合った直後……いつもの笑顔。

「抱いて……ここで……愛してくれる?」

閑の愛情の大きさを……疑うんじゃない……

求めて止まない、俺の貪欲な想い。

「我慢する……ただ、キスを頂戴?それで、今日は眠るから……熱を分けて……」

相容れないモノ……価値基準を飛び越えて……

ただ、君の大事にするモノより……俺が大切なんだと言って欲しい。

拒絶しないで……受け入れて欲しいんだ。

君は、俺の……俺は、君の……

想いは、常に同じだと確信したいだけなんだ。

相思……だと……味わいたい………







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