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もしも魔法が使えたなら  作者: きすぎあゆみ
46/46

46・新学期が始まったけど…

続きです。

宜しくお願い致します。

皆様に楽しんで頂けましたら幸いです。

「おもっいきり沢山、魔法の練習がしたい…」


 これが僕の今の心の声、一番思っている事だった。


 夏休みも終わり二学期が始まった。魔法の練習はと言うと、平日は寝る前の数時間僕の部屋で練習して、土曜日と日曜日の夜中に閉鎖された温泉施設に行って練習している。


 夏休みと比べると魔法の練習をする時間が、圧倒的に少なくなってしまったけれどこればっかりは仕方が無いよね。


「スーーハーー、スーーハーー、スーーハーー…」


 何と言っても僕は現役の小学生なんだから学校を休む訳にもいかないし、勉強をする事が僕達の義務?仕事?なんだからね。


「小学校を卒業して中学生になったら部活に入らないといけないから、もっと魔法の練習をする時間が減るのかな?」


 そうなんだよね、僕が住んでいる地区に有る中学校は全員が何かしらの部活に入部しないといけないんだよね。それは部活に参加しようがしまいが関係が無く、ほぼ強制的みたい。なので一部の生徒は、幽霊部員になっているみたい?って話だけど…。


「まあ、どうにかなる?のかな?」


 でも、少し気になっている事が有るんだ。それは何と言って良いのかな?常に誰かに見られている様な気配がしたり、誰かが僕の後を付けている様な不思議な気配がしたり、そんな気がするんだ。なんだか気持ち悪いよね…。


「僕なんかに何の用が有るのかな?特に何の取り柄もない普通?の小学生なのに…」


 それに気が付いたのは二学期が始まってから、少し経った頃からかな?僕は夏休みの反省から起きている時でも身体や脳の一部を休ませるために色々な事を試していたんだ。


「何と無く感覚が掴めそうなんだけど、何かが違う気もするんだよね…何が合っていて何が違うのかそれが解らないから解らない…」


 例えば寝ていても目を開けているとか、寝ながら音楽を聞いてみたり、テレビを視たり、独り言を言いながら寝てみたり、歩きながら寝てみたり…他人が見たら絶対に僕が可怪しくなったと思われる様な事をしていたのだけど、そのお陰か僕の感覚って言って良いのかな?魔素≪マナ≫や≪オド≫を感じたり、人の気配とか視線を感じたりする感覚が鋭くなった気がするんだ。


「天才って呼ばれていた人達の中には、似た様な事が出来た人も居たとか?僕は天才なんかじゃ無いから出来なくて当然で、出来たら逆にラッキーって感じかな!」


 相変わらずワルテット達が僕に何かしらの悪戯や悪巧みをするのだけど、それに今までよりも早く気が付いたり対処出来る様になったし、何処からともなく飛んで来た物に気が付いたりと、それはとても便利な反面気付いていないフリをしなければいけない事も増えてしまった。


「少々何か問題が起きてもどうにか対応は出来るけど、でもわざとやられるのってストレスなんだよね…なにか方法は無いのかな?」


 だけど体育の授業や友達と遊ぶ時にはとても重宝しているって言うのが本音なんだけど、だからと言って正体不明な気配や視線には正直ウンザリしている。


「感覚が鋭くは成っているけど、少々どうでも良い事くらいは許せるくらいには精神的に成長しないと駄目なのかな?人として大人になるとか?」


 僕に用事が有るのなら素直に出てくれば良いのに、わざわざ離れた所から如何にも僕を監視していますって…怖いしそれに気持ち悪いよね!


「もっと練習して、僕を監視?している人達を逆に監視出来たら…もしそう出来たら、そうなれたら良いのに…」


 だから僕は決めたんだ!今度この気配を感じた時は、この気配の主を逆に僕が見付け出してやるってね!そして僕に用事が有るのならこんな事をしないで、直接言ってくれって言ってやるんだ!


「でも、僕を監視している人が怖い人だったら無理だよね。とても怖くてそんな事言えないよ…」


 そんな事を考えていたのだけど、だからこそなのかな?都合が良いのか悪いのか週末になってしまった。土曜日の昼間には塾が有ったので、午前中は寝て過ごして塾から帰って来ると塾で出された宿題を片付けると、晩御飯まで寝て過ごした。


「あれとこれとは有るから…忘れ物は無い筈だよね?」


 そして晩御飯を食べてお風呂に入ると、自分の部屋に早々と引き籠って魔法の練習のために出掛ける準備をした。持って行く荷物はリュックサックの中に入れて有るから、荷物はチェックするだけで良かったけど忘れ物を無くすためにはこう言う事は工程も大事だよね。


「後は、腕時計を着けて…」


 それと僕は新しく腕時計とスマホを買って貰ったんだ。腕時計はお父さんのお下がりだけれどとても丈夫な物で、アラームで時間を知らせてくれたり、方位や高度や気圧や温度を知る事が出来るアウトドア用の時計だった。


 その代わりにお父さんは更に良い時計を買ったけれど、僕はこのお下がりの時計を貰えたので大満足だった。


「スマホは持って行けないから、他に忘れ物は…」


 スマホはキッズ携帯で新品を買って貰えた。色々と機能に制限が有るみたいだけど、僕は地図アプリとネット検索、それに家族やスマホを持っている友達と連絡が取れればそれで良かったので買って貰えただけでとても大満足だった。


 一応GPSで僕の居る場所が判ってしまうみたいだけど、夜の魔法の練習には持って出ない予定だ。だってもし両親が僕の位置を確認した時に家に居なかったら大問題だよね。


「良し、忘れ物は無いと思う!」


 なので腕時計を着けたら出掛ける準備は出来たけれど、まだまだ夜中までには時間が有るから真夜中までは家で大人しくしていなきゃね。


 大人しくしているって言っても、いつも空いた時間が有ればやっていて毎日の習慣になってしまっている、座禅を組んで≪魔力の体内循環≫をしているだけなんだけどね。


「スーーーハーーー、スーーーハーーー、スーーーハーーー…」


 僕の意識が少しずつ次第に薄れて行き、空気中を漂っている魔素≪マナ≫に乗って世界を流れて行く。のだけれど、その時に気が付いたんだ。


「…?もしかして監視されてるのかな?」


 僕の家の近くで物陰に身を潜める様にして居る人を!それも二人も。


「しかも女性なの?」


 僕の意識は魔素≪マナ≫の流れに乗って流れているから肉眼で見る事は出来ないけれど、僕を監視?している人達の持っている魔素≪オド≫で形作られた身体のラインって言うかシルエット?が二人とも女性の物に見えたんだ。


「こっちは明らかに、女性だよね!もう一人も、女性なのかな?」


 一人は出る所は出て引っ込む所は引っ込んでいるメリハリの有るシルエットだったから、確実に女性の物だった。もう一人は程々に出ていたし程々に引っ込んでもいたから、こちらも女性だと思う…多分だけど…?


「僕…何かしたっけ?」


 女性に恨みを買うような覚えは無い筈なのだけど…何かしたっけ?全く、これっぽっちも、全然記憶には無いと思うよ?


「女性に恨まれる様な事をした記憶は…無いよね?」


 もしかして僕のファン…な訳無いよね…それにしても全く身に覚えが無いのだけれど…何故だろう?


「でも、何で僕なの?」


 僕の家にまで来ているって事は、僕の素性なんて調べられているんだろうね…何それ、怖いよ!


「これじぁ、魔法の練習は無理っぽい?」


 もし本当に僕の事を監視しているのなら、今夜は出掛けない方が良いのかな?久々に魔法の練習が出来るのに…それは無いよ!だって一週間ぶりにおもっいっきり、魔法の練習が出来るんだよ!


「家から出たら、絶対に見付かる…よ…ね…!」


 それなのに、怪しい人達のせいで魔法の練習が出来ないなんて、そんな殺生な…。


「どうしよう…何か良いアイディアとか無いかな…」


 一体僕が何をしたって言うの?僕がした悪い事って言ったら、閉鎖された温泉施設に無断で入った事とか、その温泉施設の大浴場を破壊した事くらいだよね。


「透明化とかは出来ないし、音を出さないとか、気配を完全に消してしまうとか…かな?」


 でも、よくよく考えてみたら、不法侵入と器物破損の二つの立派な犯罪行為だよね…。


「…アイディアなんてそう簡単に思い付かない…どうしよう…」


 それで監視されているのかな?もしかしたら、今夜温泉施設に入ったところで現行犯逮捕とか?そんな事になるのかな?

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