最終話
マリシナとエリオットがお帰りパーティーと婚約パーティーを開いた。
場所は王宮の夜会会場。
何時の間にやらマリシナはパパとも仲良くなってしまった。
そんなコミュニケーション能力が羨ましい‥
黄色いふりふりのドレスを着せられ、会場へ行くと、待っていたのはムスク様ただ一人。
「あの…皆さんは…?」
「ローナ…黙って聞いてほしい。」
ムスク様は深く深呼吸をすると話し出した。
「俺は…多分、最初から恋に落ちていたのだと思う。庭から聞こえる美しい声に。そして、ローナ自身も優しく清らかで可愛らしい。俺は、私は、そんなローナのことを…」
続きをドキドキしながら聞いているとムスク様はいきなりローナを抱きしめキスをする。そして、
「愛している。心の底から。」
ただ、この言葉を告げてまたキスの嵐を降らせる。
ローナは頬を染めながら「…わ、私も…す、好き…です…」と恥ずかしそうに答え、今度はローナから唇を押し当てた。
しんと静まり返っていた周りから拍手が起き、音楽が流れ、王様が怒る。
「俺の娘になんて不埒なぁああああ!!!」
「ローナちゃんが義姉様なのよね…」
困惑する王妃と王をなだめる王子。
「よく姫の心を射た!!それでこそ我が息子!!」
「く、クソ親父!?」突然の父親の登場に動揺が隠せないムスク。
「わーい。ローナも一年後には結婚かな?私たちは婚約しましたー」
「一生マリシナを幸せにしまーす。イエーイ。」
「俺は子供が出来ちゃったよ~えへへ~」
「マリシナとエリオット婚約したの!?ライアスに子供!?」
こちらも驚くローナ。
そんなこんなでパーティーが始まったが、
ムスクとローナは時を見て逃げ出した。二人でいたかったからだ。
ムスクの愛馬である黒馬に乗り夜闇を歩く。
「…ムスク様?」
「…どうした?」
「…私は、この一年、驚きの連続でした。」
「人生なんて、そんなものだ…」
ムスクは誰も歩いていない道で、明かりのついている家を指さす。
「あの家にも、あの家にも、人が住み生きている。その人たちの人生も俺達とは規模は違うかもしれないが驚きのある人生だろう。そんなものなんだ。」
言い終えるとムスクはローナにキスをし、強く抱いた。
「人はいずれ老いる。そして死ぬ。それでも、老いた俺を支え、死ぬまで隣に居てほしいと思うのは俺のエゴだろうか?」
ローナは首を横に振る。
「私も同じです…今でもそんなに可愛くないですけどもっと醜くなっても、先に死んでしまったとしても、ムスク様に、ずっと想っててもらいたいし、ずっと一緒に居たいです…」
ローナもムスクの胸にソッとしがみつく。
「君は十分すぎるほど可愛い。」
「口が上手いですね。ムスク様は。」
二人は笑いあい、どちらからともなくキスをした。
明るい満月は二人を静かに祝福するように光っていた。
これまで見てくださった方がいらっしゃいましたらとありがとうございました。
ようやく完成させることが出来ました。
途中期間が開きすぎて一人称も季節も忘れ、歌声なんぞ初期の初期に忘れてきまして、ぐだぐだになってしまいましたが、それでもわたしは書くことが好きなので、次も出すと思います。
内容は似たり寄ったりだと思いますが、もし興味があれば覗きに来てください。
ムスクとローナの番外編は思いついたら書きたいと思います。
では、また。




