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二話

公爵様のせいで怒られてしまうわ…


移動しながらローナ=トルムは思った。ローナは宮へ仕えて4年になる。

給仕以外は完璧である。給仕以外は…。集合場所まで来ると先輩であるニルバーニャさんが待っていた。

「遅れて申し訳ありませ…」謝罪の言葉を述べようとしたがニルバーニャさんに遮られた。

「遅いわよ!!今何時だと思っているの!?貴方の休憩時間は2時から3時!それだけのはずでしょう!?」


あ、ウッカリしてた…


「1時間よ!いーちーじーかーん!!次は無いと思いなさい!!」

中年で厳しめの指導だがちゃんと優しさを持っている彼女が私は好きだった。ほんと、違う先輩じゃなくて良かった…。

「以後。同じことの無いようにいたします。」

「わかったならいいの。さぁ、仕事に取り掛かって。」

「はい。」

私たちメイドは短いが休憩がある。休憩なので基本何をしてもよいので大概の連中は仲間同士で休憩時間をそろえて、仕事で使うべき体力を茶会というくぅだらない会議に費やしている。私は歌う。毎日適当なところで歌う。終われば散歩。残念ながら茶会には誘われないし別に行きたいとも思わない。生憎面白い話もコロコロ変わる感情も持ち合わせていない。何時も誰とも過ごさずボーッとする。


ま、気楽でいいけどね。


その後私は今日割り振られた部屋のベッドメイキング、風呂掃除、洗濯物を取り込み・畳み。私たちメイドの勤務時間は朝7時から8時。個人で仕えているメイドは分からないが…自室へ戻ると唯一の友人であり、同居人であるマリシナ=リールが「おかえり~」と言ってきた。彼女は給仕の専門であがりが早い。給仕が出来るなんて羨ましい限りである。メイド・執事の数が多いので一人部屋なんて滅多に居ない私たちは良い方で大部屋の人たちなんて6人で暮らすこともあるらしい。

「ただいま」

ここでやっと気が緩む。顔がへにょっと歪む。

「今日なんかあった?」

勘、噂に鋭い彼女に今日あった事を話す。誰とは言わなかった。

「おぉ~やっとローナを落とそうとする精神的強者が現れたかぁ‥‥皆…結構…ねぇ…」

後半小さくて聞こえなかったが

「どうゆうこと?」

私のことをなんだと思っているのか…精神的強者?なんじゃそりわ

「いや。ローナ歌キレイじゃん?可愛いじゃん?結構みんな声をかけようと頑張るんだけど≪近寄るな≫オーラに恐れおののいて声をかけられなかったんだよ~やっと現れたか…」

マリシナは一人で頷いている。

「飴と鞭の使い方がうまいでござんすね!貶されてんのか 褒められてんのか 分かんないんですけど?」

パジャマに着替えながら答えるローナ。


でも、噂好きのマリシナだし‥本当なのかな?可愛いはお世辞でも歌がキレイは照れちゃうな…


「んで?誰に声かけられたの?」

楽しそうに聞いてきた。

「う~ん‥マリが知ってるか分かんないけどストーシュ様。」

「えっ!?マジ!?ちょーイケメンじゃん!!良かったねぇ~」


何がである。イケメンとは何だ?確かにあれは俗にいう美丈夫だったが…

だから何だろう?


ローナは基本まだ男に興味はなかった。

「あの方が今日命令するから(断れなかった私も悪いが…)ニルバーニャさんに怒られたし…明日から庭で歌えって、命令(?)された…聞きに行くって…」

考えてみると気が沈む。


歌は自由に歌った方が気分が良いんだよなぁ…いや、喜んでもらえるのは嬉しいが…休憩中だしなぁ…でも、公爵様だし…


溜息が出る。

「いやぁ~でもストーシュ様かぁ…狙っている女は星の数、振った女も星の数っていう彼がねぇ…」

一人でニヤニヤしているマリシナ。

「やめてよその顔…公爵様にだって好きな人位いるよ」

また溜息が出てきた。

「ローナは?ストーシュ様狙ったら?」

「残念ながら興味がありませ-ん」

「うっひゃ~恋愛したくないのかぁ~?」

「恋愛ならマリだってどうなのよ?」

マリシナには彼氏がいる。もっとも彼は下町で肉屋を営んでいるのでなかなか会えない。プチ遠距離だ。

「えっ!?や、やだなぁ~急に矛先変えないでよー」

顔を真っ赤にしながら答える彼女にローナは笑って「ごめん」と言った。

今の季節は春。

春の夜はまだ肌寒い。

「…春だね」

「春だねぇ~(ローナにも訪れたねぇ~)」

この春に人事異動で南宮務めとなった私。たった4年で南宮は異例らしいがこうもすぐ変わるとはた迷惑な話しである。


…まだ場所の把握しきれてない…


春はいろんな行事があって忙しい。あと、2週間ほどで年に一回の爵位を国王へ返して、また国王から授かるという訳のわからん行事がる。毎年数名だが変わるものがいるとのことでやめるわけにはいかないらしい…。

式は読み上げるだけなので料理などは一切ない。てか、できない。

もしかしたらもしかするかもしれないので一応メイドや執事も出席だからである。

それでも宮に居るもの、新たに爵位がもらえると聞いて集まる町人や田舎貴族、イスやテーブルだけでも重労働で前日はオールである。

「zzzzz…」

「…マリ…寝るの早いな…」

時計はまだ10時を指していなかった。


…服…買に行かなきゃなぁ…


そんなことを考えながらローナは眠りについた。

ほとんど説明でしたね…すみません。

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