十二話
「カンッペキだわね☆」
「は、恥ずかしいよ…これ…」
久々にクローゼットの中身を除くと自分の服が一着も無くなっていて、マリシナに「なにこれ?」と聞くと「てへ★」っとだけ返ってきた。
それからはもともと用意してあったであろう服、アクセサリー(ピンクのカチューシャ)を着せられ、髪の毛を弄られ、メイクをさせられて今の状況である。
「いやぁ~久々に腕を試せたわぁ~いい感じだよ★どんな男でもイチコロ」
「イチコロにしてほしいなんて言ってないでしょ。…もぅ…」
コンコンッ
「あ、来た。じゃあ行ってくるね!」
「あぁ~い。いってらっしゃぁ~い♪」
手を大きく振るマリシナ。
「わぁ!とっても可愛いねローナ!3歳児みたい!!」
「…殴るわよライアス…」
「アッハハ。嘘だよ。さ、行こう」
「うん!!」
満面の笑みを浮かべるローナ。
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「なぁ~にが『とっても可愛いねローナ。3歳児みたい。((キリッ』だよ!!なんであんなのがいいんだローナは!!」
物陰から見ていたのはムスク。その人である。
「もっと気の利いたこと言ってやれよ!!てか、離れろよ!!ローナの隣は俺のものだ!!…あ、いや。違う…とにかく認めん!!」
ムスクは昨晩いろいろと考えに考えて自分はローナが好きなのだということがようやく分かった。
ローナが好き…大好きなのだ!愛している!…だから、ストーカー位許してくれ!!それにしても、あんなに笑って…そんなに年の近い男がいいか!?(お前さんより年上じゃわい)認めん!!隣で寄り添っていいのは俺だ!!釣り合うのも俺だ!!
そんなこんなしている間に雑貨店に二人は入って行った。
クソ!何をイチャイチャしている!!このやろう!!その店の雑貨全部てめーに投げつけてやろうか!?
二人は次に喫茶店に入って行った。
何を頼むんだ!?野郎にくれてやるもんなんて溝水くらいだ!!
美味しそうにパフェを頬張るローナ。
あぁ…か、かわ、可愛い…
男は持っていたスプーンで横からパフェを少し貰って食べた。
…死ねばいい。俺だってやりたい…
二人は次々と店に入って行った。
どんだけ見せまわる気だ…さすがに疲れてきたぞ…
最後に彼らが入ろうと止まっているのはウエディングドレス店だった。
少し話し合って入って行った。
………彼らは…付き合っていたのか………どおりで俺になびかないはずだ…
店を腕を組みながら出てきた二人の姿をムスクはどんよりとした気分になって帰って行った。丁度オレンジ色の夕日がローナの隣に居た男を彷彿とさせ忌ま忌ましい気にさせた。
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「さ、行こう」
「うん!!」
雑貨店にはいろんなものが売っていた…が、趣向が違った。
「…嘘でしょ…ここで買おうとしてたの?」
「ああ!!いいのもみつけているんだ!!」
手に取ったのは不気味なお面だった。
「この馬鹿野郎!!女の人がそんなの喜ぶわけないじゃん!!てか、«不気味な店»って嫌すぎるよ!!」
「あ、コラ!!失礼だぞ!」
「そんなものあげようとしていたライアスが失礼!!」
「う~んそうかなぁ…」
渋々お面を戻すライアス。
「じゃあ…」
「次行くよ!!」
「あ、あのお店結構繁盛してるね入ろうよ!」
「喫茶店?」
「うん。のどか湧いた。」
「…分かった。」
頼んだ名物パフェは大きかった。
「食べられるかな…」
「手伝うよ」
「ありがとう。«パクッ»んー美味しい!!」
「どれどれー」
「あ、ちょっと。まだ食べれるのに…」
「ん?気にしなーい気にしなーい」
「…もぅ…」
いろいろな雑貨屋へ行き、最後のでようやく良いのを見つけた。
「『貝殻のネックレス』と『花柄のリボン』いいんじゃない?」
「本当か!?やったぁー!!」
「はい、次は私のドレスね?」
「えぇー」
「ふふふっ…はい。行くよ。」
「はーい」
そこで見つけたのがウエディングドレス店だった。
「おっ!!ウエディングドレス…なーここ…」
「入らない。」
「…なーここ…」
「入らない!!」
「なんで?」
「どうせ、この店に飾ってある奥さんの結婚式の写真が見たいんでしょ?」
「ご名答」
「…はいはい…」
「てか、ここ本当にドレス売ってるし」
「…はいはい…」
店に入ってから終わりまでずっと奥さんを見ているので他人のふりを決め込みながら自分に合う華美にならない程度のドレスを選んで買おうとした。ところ、
[恋人同士で来店半額!!]というポスターが見えた。
急いでライアスにポスターの説明をして、ライアスは渋々だったが腕を組み、半額にしてもらった。
店を出るとオレンジ色の綺麗な夕日が充実感と幸福感を運んできた。




