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第六話 やるべきこと

 あんなに簡単に神級スキルを手に入れていいのかよ。……まるで神級スキルのバーゲンセールだな……。


 で、【神魔化】とは一体?




◇◇◇◇


【神魔化】体を神魔に作り変えることが出来る。


◇◇◇◇




 なんか微妙っぽいな。【能力進化:帝】の生贄にでもしようか。


 でも、一応どんな効果か聞いてみるか。【叡智神】、これのメリットって何?


《体が魔族の最上位、神魔に変わります。外見の変化としては、魔族と同じようにツノが生えてきます》


 なるほど、魔族っぽくなるんだ。


 っていうか、種族に上位とか下位ってあったの? あ、でも、竜族は龍族の下位互換か。


《さらに、能力値の増加がありますが、フェイト様の能力値からすると誤差の範囲内です。強いてメリットを挙げるならば、体が魔族に変わるので個体名:アリス・エピロードと子供を作れます》


 よし、決定! 残そう。


 そういえば、この世界だと異種族同士で子供は作れないんだよね。それを考えるととても重要なスキルだな、うん。


「で、アリス、どんな感じ?」


「素晴らしい、亜神とも言うべき力です! これで貴方様のより近くに……」


 熱に浮かされたように頬を紅潮させて、興奮気味の口調で嬉しさを伝えてくる。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


アリス・エピロード 魔族 15歳


状態:通常

称号:運命の眷属

レベル:135/∞

HP:100%

MP:100%



能力値


攻撃力:将級

防御力:将級

敏捷力:王級

魔法力:帝級

抵抗力:帝級



魔法適性


火:将級

水:神級

土:将級

雷:将級

風:将級

光:将級

闇:将級

無:将級



スキル


帝級

【氷魔帝】【水魔帝】【魔力操作:帝】【魔力回復:帝】【森羅万象】【瞬間移動】


王級

【魔力感知:王】【魔力強化:王】


将級

【杖武将】



クレスト


【運命の寵愛】


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




 といった感じで、アリスのステータスは魔改造された。


 ……うん、わかってる。何かがおかしいよねこれ。


 レベル上限が無限になったのとかは別にどうでも良いんだけどさ、HPMPのパーセンテージ表示は何なの? 普通に数字で表してはずだよな。


《システムの処理能力限界を超える数値になったので、切り替わりました》


 思いのほか弱えなシステム。っていうか、俺のはパーセンテージになってないけど、無限だから数値が変わる心配はなく処理が簡単なんですね分かります。


 いや、そんなややこしいことやるくらいならパーセンテージで統一しろよ。案外このシステムって適当なんじゃないか?


 で、能力値はスルーするとして。何故か神級もある魔法適性もスルーして。


【氷魔帝】って何? こんなスキル付与しなかったよな。


《水魔法の亜種、氷魔法の強化スキルです。氷魔法の適性は水魔法と同一です。元々個体名:アリス・エピロードがその能力値帯になれば獲得することは決定していましたので、付与するスキルは別のものにしました》


 へえ、さすがは魔王の娘か。眷属とか関係なく普通に才能あったんだな。


 さて、最後が一番聞きたいものなんだが。


 このクレストはマジで何なんだ?


 クレストっていうのは、基本的に神からの加護や呪いのことだ。


 この場合、アリスは俺という神の眷属になったのだから、加護の上位である寵愛を受けるのはわかる。


 だが、()()()()()()()()()()()()()()のだろうか。


 俺の持っているスキルの中に『運命』に該当しそうなものはない。あえて言うなら称号の異世界からの転生者(イレギュラー)が気になるが、それが俺の象徴的な力であるとは考えづらい。


 アリスに寵愛を与えたのは本当に俺なのか?


《解答を検索——失敗しました。アクセス権限の上昇が必要です》


 え、マジ? 何それ。アクセス権限なんてあんの? ってか、【叡智神】でも無理ってどういうことだよ。明確に最高クラスのスキルだぜ。


 結構ヤバい感じ? う、うん。見なかったことにしよう。


 考え事をしていると、アリスがお礼を言ってきた。


「ありがとうございます! 本当にありがとうございます!!」


「気にするなって。これから俺のために頑張ってくれれば良いんだから」


「勿論です、貴方様っ!」


 うん。厨二っぽいけど明るくて可愛いな。


 あ、そういえば、杖を渡すの忘れてた。


「これ、使ってくれ。杖は持ってないんだよな?」


「こ、これは、相当な業物……。見ただけでも私如きが手にして良い物では無いのが分かります」


「いや、今のお前には丁度良いと思うけど」


 帝級の武器だしな。


 アリスが杖を黙って見つめている。【森羅万象】で確認でもしてるのかな。


「……この杖の効果は【氷魔帝】の補助効果と同等なのでしょうか?」


「ああ。合ってるよ」


「つまり、私の氷魔法は神にすら匹敵するような力を手に入れるのでしょうか?」


「うん、そりゃあね」


「……………」


 アリスは目を見開き、唖然とした表情になった。


 まあ、どう考えても意味がわからないよね。いきなり神と同等の力を得るとか。でもさ、俺の場合はもっと酷かったんだぜ。


「……貴方様からの期待を裏切らぬよう、全力で努めさせていただきます」


 何だろう。このプレゼント作戦、状況を悪化させただけのような気がする。完全失敗。


 い、いや、仲は深まったんじゃないかな、うん。魂的な意味で。


 何となく微妙な空気になりかけたが、もう直ぐ朝食の時間だということに気がついた。ベルを鳴らして話題転換。


 運ばれてきた食事は……米に味噌汁、焼き魚って何この日本食。


 超驚愕しながらも、昨日の夕食を考えると多分美味しいだろうから、さっさと席につく。


 …………。


「アリス、お前も一緒に食べないか?」


 俺の後ろに立ったまま待機しているアリスに声をかける。


 いや、貴族生活長かったし、従者が主人と一緒に食事を摂らないっていうのは普通にわかるんだけども。


 やっぱりこれからずっと共にいるであろう相手だし、できるだけ対等っていうのを大事にしたいんだよ。一人で食事ってのも寂しいしな。


 ……対等って、手遅れ感は半端ないけど。


「では、失礼致します」


 アリスは俺の向かい側の椅子を引き、優雅に座った。


 アレ? 意外と素直に聞いたな。もっと「私如きが貴方様と共に食事を摂るなど……」とか言ってゴネるかと思ったんだけど。


 あ、もしかして俺が誘ったからか? 俺の言葉は断っちゃいけない的な眷属ルール。


 いただきます、と口につけた味噌汁は期待通りに相当の美味しさだった。


 さて、じゃあ今のうちに色々と話しておこうかな。


 口にものを入れている時に喋るのは、さすがにマナー違反なので、アリスも何も噛んでいない時を見計らう。


「さて、今後の方針について話そうと思う」


「方針、ですか」


「ああ、と言っても大したものではないけどな」


 真剣な表情をしているアリスに、ここに来る途中で考えた三つの方針や、この後冒険者になろうとしていることなどを伝えた。


「了解しました。この命にかけても」


「かけなくていいから」


 いや、さすがに命の危機になったらそんなの無視していいからね?


「それで、この後すぐに冒険者ギルドに登録に行くのでしょうか?」


「そうだな。最初はそうしようかとも思ってたんだけど、その前にしておきたいことができたんだ」


「しておきたいこと、ですか」


 ゴクリと生唾を飲み込んで、食い入るようにこちらを見つめてくるアリス。


 いや、別にそんな重要なことを言うつもりはないから。


「適当な場所で戦闘経験を積んでおきたいんだ。冒険者になったらモンスターや盗賊とかと戦うことも多いだろうからな」


「確かに、私は力を手に入れたばかりで制御できているとは口が裂けても言えません。その状態で下手に攻撃魔法を使ったりしたら、周囲に壊滅的な被害を与えてしまうかもしれませんね」


 そういうことだな。正直、今のままだと力がありあまり過ぎている。


 俺の場合は、【叡智神】がなんとかしてくれそうな気もするが、アリスは自力で制御法を身につけるしかない。


「ありがとうございますっ! 未熟な私のために、わざわざ貴重なお時間を割いていただいて……」


 てってれー、アリスの信仰度が上がった!


 うん、もう諦めよう。尊敬の視線を向けられるのも心地いいし。


 という訳で、【叡智神】先生。いい感じの場所教えてください。やりすぎても問題ないような場所。


《霊大陸にある『最果ての森』が推奨されます》


 じゃあそこで。【瞬間移動】お願いします。


「アリス、今から転移するから、体のどこかにつかまってくれ」


「はい」


 そう言って天使アリスは俺の手を握った。手、白くてすべすべで超柔らかい。


 もうちょっと堪能してちゃダメ? ああ、ダメか。


《【瞬間移動】を発動します》




◆◆◆◆




 霊大陸。霊族、簡単に言えばエルフが住んでいるところである。


 ちなみに人族が住んでいるのは神大陸。魔族は魔大陸。竜族は龍大陸。獣族は獣大陸。


 話がそれたが、その引きこもり霊族が住む大陸の森の一つに俺達は来ていた。


「綺麗ですね」


 うっとりとした目で風景を見つめるアリス。


 最果ての森の木々は、一本一本全てが虹色にかがやいていた。まるでおとぎ話のような幻想的な光景である。


 その光景からは手ごろな魔物がいるとは思えないが……。


《五十メートル前方にクリスタルスライムが出現しました》


 何か、名前が凄いんですけど。メタルの十倍くらいの経験値もらえそう。


 まあ、とりあえずささっと倒すか。


「敵が現れたみたいだから俺が倒す。一回手を出さないで見ててくれ」


「はい」


 攻撃態勢を整えながら少し待つと、体が七色に発光しつつ透き通っている、奇妙なスライムが木々の間から出てきた。


 気分的には『うわっ! 草むらから、野生のスライムが現れた』って感じだ。草むらじゃないけど。


 さてと、こっちに奴が近づく前にステータスを確認しておくか。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


未設定 クリスタルスライム 1歳


状態:通常

称号:一匹狼

レベル:500/500

HP:10/10

MP:11111/11111



能力値


攻撃力:下級

防御力:上級

敏捷力:王級

魔法力:中級

抵抗力:上級



魔法適性


火:0

水:0

土:0

雷:0

風:0

光:0

闇:0

無:上級



スキル


将級

【真・逃走術】


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




 あ、こいつ経験値だ。

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