↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/2

ツンデレって、なんでこんなにも萌えるのだろうと、考えたことある?

#002 ツンデレって、なんでこんなにも萌えるのだろうと、考えたことある?


 ヴァイン星人。

 彼女(どう見ても少女なのだが)は、僕をそう呼んだ。

 自分が宇宙人ということは知っていた。

 まあ知っていたと言っても、2年前、つまり僕が中学生になった頃に知ったんだが。

 ヴァイン星に住んでるからヴァイン星人。

 僕たちが地球に住んでいる宇宙人――人間を地球人と呼ぶように。

 僕たちは呼ばれている――のだろう。

 たぶんね。

「ヴァイン星人……それが、僕?」

「えっ? あなた、自分がどこの星出身なのか知らないの!?」

 彼女――虚無音は、露骨に驚いている。

 驚いて、その驚愕の表情のまま、すり足で僕から遠のいていく。

 かかわりたくない、と行動で示している。

 僕はどうやら、相当な非常識人――非常識宇宙人らしい。

「自分の出身星を知らないなんて……あなたの頭の中には味噌が詰まっているの?」

「僕の頭の中にはちゃんと脳つきの味噌が詰まってる!」

 僕の頭の中は大豆製品かよ……。

「僕、小6まで、自分が宇宙人だってこと、知らなかったんだよ。両親も死んじゃってたし。だから、自分が何星人で、どこに住んでたなんてのは、分からなかった。知らなかった」

「そうなんだ……」

「そうなんだよ」

 なんか、空気を重くしてしまったな。

 よし。

 ここは男の僕が明るい話題を――

「そういえば、前から気になってたんだけどさ、お前、ブラはつけ――」

「うるさいっ!」

 顔面に一撃。

 虚無音のこぶしがめり込んだ。

 床にぽたぽたと、真っ赤な血液が滴り落ちる。

「鼻血が出たじゃないか!」

「エロいことを妄想してるからよ」

「はっ。お前をオカズにヌけるわけがな――」

 また顔面に。

 今度は下半身からの攻撃だった。

 棒のように細い虚無音の右足が、美しい軌道を描いて僕を襲う。

 だが。

 僕の表情は満面の笑みだった。

 それは僕がMと言うわけではなく、単に喜ばしかったのだ。

 これだけ彼女の幼女体系を馬鹿にしたあとで、素直に喜びを感じているのはどうかと思うのだが。

 蹴り。

 虚無音のキックは、僕の顔面を捉えた。

 仮に僕と同じ背丈だとしても、足を思い切り上げないと顔面には届かない。

 ましてや虚無音は僕よりも背が低いのだ。

 足を精一杯上げても、僕の胸辺りだ。

 だから、ジャンプする。

 実際、虚無音は足を精一杯上げ、なおかつジャンプしていた。

 もう分かるだろう?

 精一杯足を――片足を上げ、さらにジャンプする。

 パンツ丸見えに決まってるじゃないか。

 片足を上げるだけでも、十分と言っていいほど見えるのだが、それにジャンプと言う動作が加わったことにより、落下時にスカートが完全にめくりあがる。自分のパンツを、どうぞ細部にわたって見てください、と言っているようなものだと思わないか?

 おっと、肝心のパンツについて描写していなかった。

 虚無音のパンツは縞パン。

 まあ、予想通りと言うかなんというか。

 青――いや、水色かな? と白のしましま。真ん中部分には小さなリボンが飾り付けられていた。

 やわらかそうな素材で、吸水性もよさそう。

 だからあの部分には黄色いしみが――

「しみなんてないわよっ!」

「心を読むな!」

 そう言ったあと、虚無音は顔を真っ赤にして、スカートのすそを押さえた。

 まるでエッチな風さんが襲ってきたときのように。

「のぞくな! 変態っ!」

「のぞいてねえよ! お前が僕に見せたんだろ!」

「見せるって言うのは、自らめくりあげることを言うの!」

「じゃあめくりあげてみろ! 僕がしっかり見といてやるから!」

 また、殴られた。

 蹴りを期待してたんだが、さすがに、もうしてくれないよね……。

 でも、これで実際めくりあげられても、対処に困るんだけどね。

「もういいっ! ほら、さっさと行くよ!」

「イクのか?」

「1人でイってろ!」

 くるっ、と僕に背を向け、歩き出す。

「どこに行くんだよ」

 こんな質問をしているが、行き先は想像がついていた。

 僕は虚無音のあとについて部屋から出、開けっぱなしだったドアを後ろ手に閉める。

 少し間をおいたところで、虚無音は答えた。

「地球防衛軍の本部よ」

 やっぱりね。

 …………あれ?

 僕、いつ地球防衛軍に入るって言った?

 流れに任せるまま会話は進めてたけど……。

 地球防衛軍についての話はあまりしていないような気がする。と言うか、現にあまりしていない。

 小学生の冗談だと思ってたからなあ……。

 でもちょっと待て。

 はじめに虚無音はなんて言ってた?

 虚無音の第一声。

『ねえ、地球防衛軍に入ってよ』

 くそう。

 あの時きっぱり断っておくべきだった。

 …………。

 なんて後悔してるのに、なんで僕、素直にこいつについてってるんだ?

 そんな僕に、虚無音は振り返り、恥ずかしそうに、こう言った。

「えっと……なんて言うかその……入ってくれて、ありがと」

 僕は――地球防衛軍に入ることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。