1.魔族領、ドルニクの帰還。
「えー? ドルニク、負けちゃったのー?」
「ま。負けてねェよ……勘弁してくれよォ、シェリルちゃん」
――魔族領。
人間が足を踏み入れいることのない、魔族が住まう世界。草木は生えず、荒涼とした大地がただ広がっている世界。
その暗がりの中で、ドルニクを出迎えた一人の少女。
大柄な魔族とは思えない程に情けない声を発したドルニクは、シェリルと呼ばれた少女に足蹴にされていた。しかし決して嫌そうではない。むしろ、悦んでいる。
ドルニクは先のクレオとの戦いの際、見せたような豪快さはなりを潜めていた。
「負けは負け♪ 素直に認めたらぁ? 四天王の中でも、一番ざぁこなんだから♪」
「うひぃ……!」
シェリルはそう言うと、ドルニクの頭を踏みつける。
そして、
「でも、英雄様の力……だっけ?」
その幼い顔に似つかわしくない、歪んだ笑みを浮かべた。
「あはっ♪ せっかくだし、あたしも見てみたいなぁ?」
悦ぶドルニクなど知ったことではない、とばかりに。
彼のことを足で適当にあしらって、そんなことを口にしていた。どうやらこのシェリルという魔族の少女は、かなりの快楽主義らしい。
それと同時に、自分が敗北することなど微塵も考えていない。
それもそのはず。
魔族における四天王の序列において、シェリルはドルニクよりも格上。
――第二位なのだから。
久しぶりに、なろうでハイファン書きました。
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