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緋色の眼を持つ少年  作者: カモメ
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緋色の眼を持つ少年

僕は瑞代ちゃんの元へと駆け寄った。


瑞代ちゃんは、透さんが乗り付けた軽トラの助手席に未だ気を失ったまま座らされたままだった。


僕は助手席のドアを開けて…

『瑞代ちゃん…瑞代ちゃん…』と呼び掛けながら

瑞代ちゃんの体を軽く揺すった。


瑞代ちゃんの膝の上に警戒を解かぬまま…

張り詰めた表情のチョコが僕を認めて緊張を解いた。

瑞代ちゃんの意識が戻り始めたが…


何故に美由紀さんの家の前に居るのか?

何故に軽トラの助手席にいるのか?


直ぐには理解が及ばないみたいだ。


瑞代ちゃんには、美由紀さんに操られこの洋館に導かれた事は伝えずに…


今…洋館の二階で透さんがこと切れている事を伝えた。


驚きを隠せない瑞代ちゃんに対して…


『今から警察を呼ばないといけない…

瑞代ちゃんは、チョコと

ひとまず家に帰ってくれる?

迷惑を掛けたく無いんだ。』

と、言い含めたが…


瑞代ちゃんは、それに応じようとしない。


『瑞代ちゃん…

透さんは、僕の叔父の芳典と、祖母と同じ不審死なんだ…

たとえ…子供といえども、何度も警察に事情を追及される。

だから…頼むから…

チョコと一緒に帰ってくれないか?』


僕は頼み込むように瑞代ちゃんを諭した。


その事には納得したようだったが…

今の状態は理解出来ない様で…

その事に関しては後程必ず教えるからと伝えこの場から帰ってもらった。


僕は大きく深呼吸をして、スマホを取り出した。


そして…

ユックリと息を吐きながら警察への緊急呼び出しの110を押した。


それからは、警察や救急車が美由紀さんの家の前にやって来て…

透さんの遺体を運び出した。


医者でなければ死亡診断は出来ない


僕は救急病院の詰所で救急医から、透さんの死亡が確認されたと伝えられた。


浩子さんは…

髪を振り乱したままタクシーでやって来た。


『和美!!一体どういうことなの?』

と、問い詰めてきた。


しかし…

浩子さんには人外の者の話をしても…

本当の理解は得られない。

透さんの遺体は、司法解剖されるらしい。


僕と浩子さんはタクシーに乗り

家に帰った。


玄関の扉を開くとそこに…初さんが立っていた。


『和美…透は苦しまずに逝ったか?』


『うん…晴れやかな顔で美由紀さんに手を引かれて旅立ったよ…』


『そうか…

透は苦しまずに逝ったか…これからは忙しくなるぞ…』


『そうだね、それは解ってる。』


『なら良い…』

と初さんは家の奥に入って行った。


浩子さんには初さんの姿も声も聴こえない。


が…多分初さんと話しているのだろうとは、感じているはずだ。


初さんとの会話が終わると浩子さんも、あらかた、ふっきれたのか?家の奥に入って行った。


僕も自分の部屋に入ろうとしたが…

食卓のテーブルの上に

ピーマンと玉ねぎを鳥の砂ずりで…

塩コショウで炒めた


今晩のオカズがラップをして置いてあった。


もしかすると…

透さんの緋色の両目は…

人外の者が見えるだけじゃなく…


今…

起こっている全てを見通していたのかも知れない。


最後の透さんの手料理だ…じっくり味わっておこうと僕は椅子を引き

ご飯を食べる事にした。












透さんの遺体が帰って来るのには時間が掛かったが…

無事に葬式も終わり

火葬場で透さんの遺体が荼毘にふされる。


その場には美穂ちゃんと瑞代ちゃんも参列してくれた。











瑞代ちゃんが…


『和美くん?

髪の毛の根元が白くなりはじめているよ。』

と…教えてくれた。












その事実に…

僕にも永井の呪われた因果が目覚めようとしているのか?

と、少し目眩がした。

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