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緋色の眼を持つ少年  作者: カモメ
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緋色の眼を持つ少年第三十一話


しばらく…

と言っても、ほんの僅かだか、二人は頷き合い中原さんの方を向き…


『ショコラでは駄目ですか?』とハモリ気味に尋ねた。


『ショコラ?』

中原さん夫婦は少し不思議そうに顔を見合せ…

『どうしてショコラなんだい。…』と

美穂ちゃんと瑞代ちゃんに尋ねると


すかさず、美穂ちゃんが、『私が今…抱いている

この子犬の名前がチョコと言います。

ショコラはフランス語で、チョコの事…


五つ子のこの子達の名前に相応しくありませんか?』

すると…奥さんが

『そうねぇ…

そう言う発想は悪くないわ…

インスピレーションは大事だものね。』


『まあ…お前がそう言うなら、それが良いだろう。


と、言うことで…

お前の名前はショコラで決まりだ。』と中原さんは腕の中のショコラの頭をポンと軽く叩いた。


名付け親の二人は、奥さんに駆け寄り深々とお辞儀をしている。


しかも…何かを話している。

その輪の中に入れない僕と透さんは、顔を見合せ苦笑いを浮かべた。



女三人で話す時間はかなり…

長かった。

四人で中原さん夫婦を見送り

美穂ちゃんと瑞代ちゃんはチョコを相手に遊びだした。

遊び盛りのチョコは、二人にジャレつき、暫く楽しい時間を過ごした。



『二人ともそろそろ、うちに上がらない?』と尋ねると…


『ねぇ…チョコも一緒で良い?』と返事か返ってきた。



しまった!!

チョコを家に入れる訳にはいかない。

チョコを家に入れてしまうと、初さんが困る事になる。


かと言って、チョコと遊べない美穂ちゃんと瑞代ちゃんが、ガッカリするであろう事は明白だ。


僕は、言葉に詰まったまま…

暫く目を泳がせていた。


そんな僕の肩をポンポンと透さんが叩き…


『応接室ならば、構わないと、思う…』と助け船を出してくれた。


僕は透さんに

『どうして、応接室なら構わないの?』


透さんは…僕の耳の側で囁くように…


『初さんは、裏の勝手口から入ってくる。

応接室は、玄関に入ってすぐ左にある。

初さんが入ってこようとしたら

俺が事情を伝えて、暫くの間、我慢してもらうさ』


と言った。



僕は初めて、初さんが勝手口から入ってくるって事実を知った。

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