↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/87

六章 漏らしても勝つためなら

「相変わらずキモい登場の仕方だな、悪いけど女の子以外に興味ないんだよ」


バルトは現れたベルゼに警戒しながら、シトリーとダフネに動かないように手で合図を出す。


「城の中が空っぽみたいだが……お前の仕業か?」


「殿方同士の純愛は……理解出来るまで時間がかかりますから仕方ないですよ。それと、私がやったのかという質問ですが……違いますねぇ」


ベルゼは変わらずのニヤケ顔でバルトの質問に淡々と答えた。


「ずいぶん素直に教えてくれるんだな……よほど余裕があるのか?」


「余裕……と言うよりはお友達の皆様はもうこの世界にいらっしゃいませんからねぇ……隠していても仕方ないのです」


「嘘……だろ?まさか……そんな……」


バルトは腰が抜けたように、その場に座り込んでしまった。


「愛くるしいですねぇ!……てっきり怒りに任せて飛びかかってくると思いましたが……あまりのショックで腰を抜かしましたか!一緒にお漏らしとかもしていれば……」


いきなり話すのをやめ、ベルゼは固まり口をパクパクし始めた。


「なんてサプライズでしょう!本当にお漏らししているではないですか!私、嬉しすぎてどうにかなりそうです!」


ベルゼは恍惚《こうこつ》とした表情で大声で叫ぶと、興奮した様子でバルトに近づいてきた。


「シトちゃん!こいつ、生かしておけへん!」


「動かないで」


ダフネは怒りに満ちた表情で、バルトの前に出ようとするが、シトリーに小さな声で制止される。

シトリーを見ると、真剣そうな顔でバルトを見つめていた。


「豚共が騒ぐなよ?あとシトリー……さっきは油断してたが、次はねぇからな」


ベルゼは一瞬でダフネ達を鬼のような表情で睨みつけると、すぐに満面の笑みに変わりバルトの方へ進み始めた。


「あなたのお漏らし……私に確認させてくださいねぇ」


ベルゼはバルトの前に立ち、バルトの腕を掴んで持ち上げようとするが、ベルゼの腕はすり抜けてしまった。


「……体に触れませんね……それになんだか様子が……」


ベルゼは不思議そうに辺りを見渡すと、バルトを中心に黒い魔法陣が浮かび上がる。


「シトリー……この魔法陣の意味が分かってんのか?」


魔法陣の形を見て、ベルゼはシトリーを睨みつけた。


「僕のとっておきの即死魔法だよ。入ったらおはしまい」


「お前の主人も一緒に殺そうってか?やっぱり人間と和解したのは嘘だったのか!やるじゃねぇか!」


ベルゼは嬉しそうに手を叩くと、バルトの目の前に屈んで興奮しながら話しかける。


「殿方と業火の中共に死んでいく……非常にエモーションで素晴らしいですね!バルトさん?でしたか?共に参りましょう!」


「は?死ぬのはお前だけだ。勝手に死んどけ変態蝿」


バルトは呆れたように、立ち上がると魔法陣から抜け出した。


「……何故この魔法陣から抜け出せるんですか?」


驚いた表情でバルトを見つめるベルゼに中指を

立てて答える。


「誰が教えるか、また蛆虫からやり直せ」


次の瞬間、ベルゼは黒い炎に包まれ体が少しずつ崩れ落ち始めた。


「流石に殿方とはいえ……おふざけが過ぎますね。次に会ったら生きてる事を後悔させてあげましょう」


「2回目の登場も秒でやられる馬鹿にできるわけないだろ……それにお前はここで終わりだ」


「ごきげんよう……」


そう言って笑いながらベルゼは完全に灰になると、シトリーは大きく溜息をついた。


「はぁー……ベルゼが馬鹿で本当に良かった」


「危ない橋だったからな……ダフネは大丈夫か?」


一息つくバルトとシトリーを見て、ダフネは呆気に取られている。


「わっちは大丈夫やけど、何が何だか……」


戸惑うダフネにバルトは簡単そうに説明した。


「まず、ベルゼが現れた瞬間に全知無能を発動した。

次にシトリーに念話で、『全力で即死魔法を自分の下に展開する』ように伝えたんだよ。

俺の魔力が0の状態だから、俺の下に魔力陣を展開すると相手は感知できなくなる」


続けてシトリーが説明に加わる。


「後は見ての通り。後はベルゼに確実に僕の魔法を当てるだけ……近づいてくるかだけが心配だったけどね。バルト、そのために本当に漏らしたの?」


「まじで漏らしたぞ?勝つためなら何でもする」


バルトは恥ずかしげもなく、濡れたズボンを指さした。


「当たり前にいうてますけど、お二人はそもそもずっと離れて念話ができはるの?」


「出来るけど、それがどうかしたか?」


バルトは不思議そうにダフネに尋ねる。


「それ、普通の召喚士と使い魔の関係なら無理やで?普通リンクし過ぎると魔力暴走起こして両方仏様やわ」


「あれ?俺また何かやっちゃいました?」


「え?今の話理解できひんかった?」


バルトは思わず例のセリフを言ってしまったが、明らかに空気が読めない痛い奴だと実感し顔が赤くなるのを感じる。


次からは異世界テンプレは、絶対に止めようとバルトは心に深く誓った。

読んで頂きありがとうございます。

皆様の反応を見ながらこれからのストーリーの参考に致しますので、評価、ブクマ等宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。