四章 変えたい未来
「危ないからこんな事は二度とするな。怪我はないか?」
バルトが馬車から降りて、ラルカに急いで駆け寄る。
「ごめんなさい……でも!頼れるのは本当にバルトさん達しかいないんです!無茶なお願いなのは分かってます……分かってます……」
ラルカの目から大粒の涙が溢れ、バルトにしがみつくように、座り込んでしまった。
冷たく辛辣な言葉を使っても諦めないか……
バルトは頭をかきながら、ラルカに手を伸ばし立たせた。
「……俺はこのパーティーのリーダーだ。自分だけじゃなくメンバーの命も預かっている以上は……」
「ごめん。バルト、ちょっとだけ話しに入ってもいいかな?」
後から降りてきたクリスが、会話の途中で入ってくる。
「危険な事は分かってるし、バルトの判断は正しいと思う。僕もバルトだったら絶対に断ってるし……けどね、僕としてはキャスの事があるからさ……正直なところ、ノクターナルの知識が欲しい」
「それは分かってる……けど今のノクターナルの状況じゃそんな時間とれないかもしれないぞ?
俺もキャスが展延で悩んでるのは知っているから最大限協力したいのは俺も同じだ」
「だったら僕はこの依頼を受けたい。これは僕のわがままだから、もちろん却下してくれても構わないよ」
クリスは少しイタズラをしたような笑顔をバルトに向ける。
俺がメンバーの安全気にして依頼を受けれずにいるのが伝わっていたみたいだな……
「私も神に仕えるものとして、お困りな方を見捨てる事は出来かねますわ」
「私も、ノクターナルで過ごしやすい格好で過ごすのを邪魔されたくないわね」
「私は、バルトさんの妻ですからバルトさんが本当にしたい事を一緒にしたいです」
クリスに続いてハンナとリリィ、フランも降りてきて、ラルカの側に駆け寄った。
「そうはいっても……受けたら途中で辞められるような依頼じゃないんだぞ?それに一旦キースへの連絡とかもしないと……」
『バルトはさ、私の完璧な姿見たくないんだ?』
シトリーがいきなり念話で話しかけてきた。
……バカ野郎……俺は自分の欲望を優先するクズじゃないんだぞ……
「受けるか」
最後の決め手はエロだった。
ラルカを馬車に乗せ、城に戻る途中にキースに定期連絡を入れることにした。
「……ってな感じだな。少し予定は違うが戦争を止める事に変わりはない」
「バルトらしい選択だか、本当にいいのか?不透明な材料が多い上に、私達からのサポートはあまり出来ないぞ?」
キースはどこかの森で隠れながら通信している。
案の定、ギルドの規約違反でケルベロスと共犯で指名手配をされたらしい。
「俺たちより、自分の心配をしろよ。俺達だってお前をサポート出来ないぞ?」
「形だけの指名手配だから心配するな、副団長も君達が関係していることで、悪意があるわけではない事はお見通しだ。他国へのブラフだよ」
「だったらなんで本当に逃げてるんだ?」
「訓練だ!見つかれば拷問のような特別訓練が待っている」
「拷問って……本当の指名手配と何が違うんだよ……とりあえず頑張れよ」
バルトは呆れながら通信を切る。
「キースさんも元気そうで良かったですね!」
フランがバルトの膝に乗りながら、鼻歌を歌っている。
ラルカが乗った事により、1人誰かの上に乗ることになったのだが、フランが無言の圧力でバルトの膝の上を奪い取った。
「馬鹿だけど、実力はあるからな」
バルトはフランの頭を撫でながら、隣に座るラルカを横目で見る。
ラルカとダンは今のところ信用出来る……ただ王女は別だ。
全て王女の意思で起きた出来事だとしたら……どんな理由があるにせよ、国民を皆殺しにしようとしている事実は変わらない。
そんなやつを救う気はないし、相手がその気なら……
「バルト……顔が怖くなってるよ……」
クリスに小さい声で指摘され、顔を上げると全員心配そうにこちらを見ていた。
「すまん、すまん!エロい事を考えてるとこんな顔になるんだ!」
「どんな事ですか?」
クリス達全員が、身を乗り出してバルトに詰め寄る。
……完全に詰んだ。城に着く前に逃げられる距離じゃない。
バルトは観念して、尋問タイムに突入した。
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久しぶりの再開ですが、完結させますのでお付き合いいただけたら嬉しいです。




