表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ーキミノイナイセカイヘー  作者: 片山水月
9/67

Vanillaートラウマボーイ

「ねぇ、車貸してくんない?俺さぁ、困ってしまってワンワンワンな訳よ」


「はっ!?」


ナツは運転手が言い終わらないうちに運転席のドアを開け、中から運転手を引きずり降ろし、自分が運転席に乗り込んだ。


しかし、皆が車に乗り込んだが車は一向に動かない。


「おぃ!オッサン何でオートマじゃねぇんだよ!?調子に乗ってミッションなんて乗ってんじゃねぇよ。お前運転しろっ!」




こうして、ようやくナツ達はPCPのテリトリーに到着した。


到着して間もなく、近くの公園で集団のケンカを発見した。


「おぃ、あれコヤジじゃね!?」


どうやら向こうの方が人数が多い為、やられてるらしい。


「コヤジっ!!」


ナツは駆けつけコヤジにワンカップを投げ、自分もビールを一気に呑んだ。



「ビールがあれば何でも出来るっ!」


「おめぇらマジ面倒くせぇ!」


2人のテンションが急にあがる。


ナツは向こうで南を囲んでる奴等を殴りつけていく。



「お前らの相手は俺様だっ。オラッ!次いってみよぉー」


アッという間にナツは3人を片付けてしまった。


「遅ぇよ、チョーさぁん」


「やられてんじゃねーよ、ダセェ」


「うるさいよ!つーか、アレ見てみ」


「ん!?ん"ん"〜!??ウッソ!!あれハチベーじゃん」


「だろっ!アイツPCP入ってるみたいだせ」


「アイツ知ってんの?」


コヤジが訊いてきた。


「あぁ、アイツ中学ん時のコンビニ君」


「コンビニ!?」


「うん、便利君って事。俺らん事嫌ってたもんなぁ」


そう言うとナツが叫んだ。

「こぉーらー!ハチベー!!こんな時にママのお使いかぁ!?」


ハチベーの顔に緊張が走った。


ナツに気付いて中学時代の思い出がトラウマになって蘇る。


「お前、ついうっかりそこに居んだろ?なぁ、うっかりハチベー。今なら許してやっからこちにおいで」


ハチベーは黙ってナツに従った。


「よーし、よし。よく出来ました。お前、別の日にサリーとお仕置きな。てかPCPの頭は誰よ?」


「アユム君とマーサ君です」



「呼べよ」


ハチベーはどちらかに電話を掛け呼び出した。


「今から来るそうです」




暫くすると静まり返った明け方の街に単気筒のエンジン音が響いてきた。


ロンスイのトラッカー仕様のSRから如何にも軽そうな二人組がダルそうに近づいてくる。


「ようやくお出ましか」

ナツは呟いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ