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疲れた僕は初日と同じことをする

今回は家からのスタートです

登校した光晃はどんな行動に出るのか

では、どうぞ

「真理姉さん、準備できた?」

「うん、今行くー」


 玄関から真理姉さんに呼びかけるけど、女性の準備というのは今行くと言ってからが長いと感じるのは僕だけ?


「彼女ができた時にはそれ相応の覚悟をしとかないいとね……」


 真理姉さんでこれだ。彼女ができたら準備にもっと掛かるんだろうな……男でも準備に時間が掛かる人がいるけど、ここで1つ疑問に思う。どうしてたかが学校に行くだけ、たかがどこかに出かけるだけでこんな準備に時間が掛かるんでしょうね?


「お待たせ、光晃」

「うん、待ったよ」

「そこは『全然待ってないよ』って言うべきなんじゃないの?」

「真理姉さん、僕にそんなデートのテンプレみたいな答えを期待するだけ無駄だってわかってるでしょ?」

「で、でも、光晃に彼女できた時に困るでしょ?今から練習しておいた方がいいと思うけど?」


 確かにある程度のデリカシーは女性と付き合う時には必要だと思うけど、そもそもが人を待たせるなって話なんだけど?


「疑問を疑問で返さないでくれない?それに、僕は自分の彼女には変に着飾るよりもありのままの姿でいてほしいから準備に時間を掛けてほしくない」


 着飾ってほしくないなんて言ったけど、本音を言えば準備に無駄な時間を掛けてほしくないと言うのが本音だ


「光晃、それっぽい事を言ってるけど待つの面倒なだけだよね?」

「うん」


 なんていう朝のやり取りをした後、僕と真理姉さんは2人で学校に向かった。今日は朝から変な教師に絡まれませんように


「ご、ご主人様!!」


 学校に着いて早々、かつて人の話を全く聞かず、思い込みだけで生徒の指導をしてきた田中先生に絡まれた


「光晃……いつの間に教師を奴隷にする趣味を持ったの?」

「誤解だよ!真理姉さん!」

「知ってるよ。昨日の光晃の一発で田中先生がドMに目覚めたのなんてこの学校の教師なら誰でも知ってるし」


 田中先生のドM化って教師の間ではすでに有名な事なんだ……


「田中先生、校門前でご主人様はちょっと……」


 教師はともかく、生徒に知られたら誤解され────あれ?昨日の授業で生徒の前でも僕をご主人様って言ってなかったっけ?


「じゃ、じゃあ!どう呼べばよろしいでしょうか?」


 荒い息遣いで顔を赤くして僕に迫ってくる田中先生。どうってそんなの決まってるじゃん


「これまでと同じように名字でお願いします」


 下の名前やご主人様と呼ばれるよりは今までと同じように名字で呼ばれた方がまだ僕の精神的ダメージが少なくて済む


「わ、わかりました!岩崎君!」


 敬語かそうじゃないかはその人のキャラだからツッコまないけど、一先ずご主人様呼びを止める事ができてよかった


「よろしい。それで?田中先生はどんな御用ですか?」

「はい!今日も罵ってほしくてやって来ました!!」


 うわぁ……僕は口が悪いっていうのは自分でも自覚してるけど、そんな僕に絡んでくるのは僕を自分の思い通りにしようとする教師か僕の更生をステータスにしようとしている教師だけだった。今までは。でも、目の前の田中先生は自分の欲望を満たすためだけに僕に絡んできた。結論、ドン引きだよ


「いや、さすがに教師を罵るのは僕の主義に反するので……」

「光晃は自分の過去の行いを見返してから発言した方がいいよ」


 真理姉さんうるさい。僕だって初めてなんだよ……排除した教師がドM化して僕に関わってくるなんて


「岩崎君!!罵ってくれるんですか!?くれないんですか!?」


 ドMの相手は正直、楽じゃないと思う。ここは何か上手い言い訳を……あ、そうだ!


「田中先生、今日は勘弁してください。その代わりに来週になったらいくらでも」

「ほ、本当ですか!?約束ですよ!?」

「はいはい、約束したんで早く職員室に戻って今日の授業の用意をしてくださいね?」

「はい!!」


 何とか田中先生をやり過ごし、教室へと向かう。今日は別の意味で疲れた……教師が僕を指導しようだなてバカな考えじゃなかっただけマシだけど


「今日は平和に過ごそうと思ってたんだけどな……」


 今日は平和に過ごそうと思ったけど、登校してから早速出鼻を挫かれた。だけど、まだ始まったばかりだからここで挫ける僕ではない!今日は平和に過ごす!


「今日は平和に過ごしたいけど、万が一という事もあるし……はぁ、仕方ない、実習初日と同じ事をするか」


 HRが終わった後で実習初日と同じようにサボりスポットへと行くことにする。さすがの真理姉さんや水沢先生も僕が初日と同じ事をするとは思わないだろう


「さて、行くか」


 HRが終わり、サボりスポットへ行くために席を立つ


「どこ行くんだ?光晃」


 サボろうとしたところで秀義に見つかった。実習初日は秀義にサボる旨を伝えたけど、今回もそうするか


「平和に過ごしたいから僕はサボる。先生には適当に言っておいて」

「わかった。ところで光晃」

「ん?何?先生に見つかる前に出たいんだけど?」

「お前、実習初日と同じ事をしようとしてないか?」


 秀義のクセに鋭いな


「実習初日は教育実習生と関わりたくないからサボったの。今回は平和な1日を過ごしたいからサボるの。同じサボりでも逃げの為のサボりと平和を求めてのサボりだからサボる理由が違うよ」

「そ、そうか……」


 コメントで納得していても顔が納得してないよ、秀義


「そうだよ。じゃあね」


 僕は教室を出てサボりスポットへ。実習初日は真理姉さんが水沢先生を連れてきたっけ?


「今思うと僕がサボらなければ水沢先生と必要以上に関わらなかっただろうな……」


 あの時、僕がサボらなければ水沢先生とはただの生徒と実習生の関係で指導案の作成も教材研究も手伝うことなんてなかっただろうなぁ……


「水沢先生のことを考えてるうちにもう着いたのか……」


 人間、考え事してると何も見えなくなりつつあるなんて言う人がいるけど、本当にそうだと思う


「水沢先生のことは一旦忘れて寝るとしますか」


 今朝はドM教師の相手をして疲れたし、真理姉さんも水沢先生も僕がここにいるなんて思わないだろうから僕の睡眠を邪魔するものは誰もいない


『岩崎!!出てこい!!岩崎光晃!!』


 ドアを叩く音と共に聞こえてくるのは真理姉さんの声。初日と同じ事はしたくないけど、僕は朝からドM教師に絡まれて疲れてる。ここで出て行くわけにはいかない


「ゴリラの事は無視無視っと」


 初日にそうしたように今回も真理姉さんの事は無視する。僕は真理姉さんに言われたくらいでは出て行かない


『言っておくが、あと3つ数えるうちに出てこないとこのドアをブチ破る!!』


 わお、脳筋。初日も思ったけど、真理姉さんにタバコを追加したらアニメとか小説に出てきそう


「はいはい、開けますよ」


 初日にも思ったけど、力で脅すやり方は僕は感心しないなぁ……


「最初から素直に開けていればいいものの……どうして君は素直じゃないんだ?」

「小谷先生、僕は素直にドアを開けたんじゃなくて小谷先生に脅されてドアを開けたんですよ」

「口答えしない!!」

「口答えされたくなければちゃんと仕事してください」


 初日から思ってたけど、反論されたくなければ仕事しろ。教育実習生が来てからそれが目立つようになってきてないかな?


「そ、それを言われると反論できないけど、授業をサボるのはどうかと思うぞ?」

「そ、そうだよ!岩崎君」


 実習初日とは違って今回は真理姉さんの隣りにいた水沢先生も反論してきた。初日はオドオドしてるだけだったのにね


「出てほしいなら出たいと思わせる授業をしてください」


 居眠り然り、サボり然り、小説とかじゃ自分の授業がつまらないのか?なんて聞いている教師がいるけど、おもしろかったら居眠りする生徒もサボる生徒も存在しない


「岩崎……君は実習初日と同じ事をしなければ気が済まないのか?」

「別に僕は実習初日と同じ事をした覚えはありません。初日は教育実習生に関わるのが嫌でサボりましたが、今回は疲れて授業を受ける気がしないからサボりました。初日と今日とじゃサボる理由が違います」

「サボったこと自体に変わりはない!」


 秀義に言ったことと同じことを言ってみたけど、やっぱダメだった


「そ、そうだよ!っていうか、初日のサボった理由ってそれなの!?」


 水沢先生……僕は初日に説明したはずなんですけど?教育実習生も教師も大嫌いだからサボったって


「水沢先生……」


 僕は頭が痛いよ……生徒がどんな人間かって把握しておこうよ


「あ、あはは……」


 呆れる僕に笑ってごまかす水沢先生。


「はぁ……岩崎、私もそうだが、君はこの2週間で教育実習生を助けてきただろう?しかも、2人も」

「助けた覚えはありません。2人いる教育実習生のうち1人は小谷先生から言われた罰として、もう1人は教師連中が仕事をサボったから仕方なくです。どちらとも教師の尻拭いですけど」


 僕は教育実習生を助けた覚えはない。2人とも教師の不手際、教師の職務怠慢により本来なら全く関係ない僕がそれの尻拭いをしただけに過ぎない


「それを言われると教師としては何も言えないな……」


 何も言えないなら黙っててくれないかなという思いを真理姉さんに抱くけど、真理姉さんのおかげで水沢先生と関わる事ができた。こればかりは教師の怠け癖に感謝しないとね


「それで?サボった僕に罰を与えるつもりですか?」


 初日もそうだったけど、授業をサボった罰ならできる範囲で受けるのも覚悟の上だ


「そうだね……罰として水沢先生の生徒指導の練習台にでもなってくれないか?」


 罰の内容はできない事じゃないけど、生徒指導の練習なんて教育実習生に必要かな?指導の方法は学校によって違うけど、生徒指導の練習なんてしたっけ?


「はぁ、別にいいですけど」


 違和感を覚えつつもそれを承諾する。ここでゴチャゴチャ言っても仕方ないし


「それでは水沢先生と生徒指導室に行くように」

「はい」


 僕はサボりスポットを出て生徒指導室に向かった。真理姉さんと水沢先生は一足先に向かったみたいだけど


「初日は一緒に生徒指導室に連行したくせに今日に限ってどうして1人で?」


 生徒指導室に向かう途中、疑問に思う。どうして今日に限って1人で?初日みたいに一緒に連行すればいいのに


 そうこうしているうちに生徒指導室の前に来ていた。どうせ練習だし、気軽に行きますか


「岩崎ですが」


 ドアをノックし、返事を待つ。中に誰がいるのかは知ってるけど、部屋に入る時はノックするのが基本だし


『どうぞ』

「失礼します」


 返事があったのでドアを開けるとそこには案の定、水沢先生がいた。


「座って」

「はい」


 水沢先生の雰囲気は生徒指導のそれだけど、相手が水沢先生なだけに雰囲気が台無しだ


「岩崎君、何で呼ばれたか解ってるよね?」

「ええ、僕が授業をサボったからです」

「君はどして授業をサボるのかな?」

「つまらないからです」

「そう……ちなみにどんなところがつまらないのかな?」


 教育実習生の先生に言って伝わるのかは知らないけど、練習なんだし実習の段階で現実を教えておくかな……あくまでも生徒視点でのだけど


「教師が一方的に説明し、生徒への設問等は一切なし。それを授業時間ずっとしているんですよ?生徒からしてみれば眠くもなるしサボりたくもなる。僕が言うつまらないって言うのはそう言った部分ですよ」

「そ、そうなんだ……」


 水沢先生は小さい声で頑張らなきゃとか言ってる。ちょっとやり過ぎたかな?


「それはそうと、水沢先生は今日、何時に終わりますか?」

「え……?」

「いや、水沢先生の告白の答えをしないといけないので」

「お、終わったら連絡する……」

「了解しました」


 この後僕は水沢先生と学校生活に全く関係ない生徒指導を受けた。後は放課後になるのを待つだけだ。告白するにしても返事をするにしても学校でした方がいいのかもしれないけど、バレて問題にされるの嫌だから僕はやらないけどね

今回は家からのスタートでした

登校して別の意味で教師に絡まれた光晃が初日と同じ場所にサボりに行くとは・・・・

光晃はちゃんと告白できるのかな

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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