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僕は水沢先生と手を繋いで歩く

今回は光晃が葵衣と手を繋いで歩く話です

今回の光晃はいつもの光晃じゃない!

では、どうぞ

「ここが私の部屋だよ」


 僕は今、必要な荷物を取りに水沢先生の部屋にいる。ハッキリ言うと、生徒が教師や教育実習生の部屋にいる事はいいか悪いかで言うとよくはない。学校関係者に見つかったら密会とか邪推される恐れがある。だけど、それは今更だった。前にも水沢先生は家に泊まりに来た事があるし、家には真理姉さんもいる。つまり、仮に見つかっても真理姉さんに指導してもらう為と言い訳ができる


「意外とシンプルなんですね」


 僕は部屋の中をザッと見回してみるけど、女の子が置いているぬいぐるみの類があまりない。水沢先生みたいなタイプの人は部屋の中がぬいぐるみで溢れかえっていると思った。ま、女性の部屋なんて真理姉さんを除いては初めて入るから比較対象がいないから何にも言えないけどね


「も~、女の子の部屋をジロジロ見るものじゃないよ!」


 確かに、女性の部屋───いや、他人の部屋をジロジロ見るものじゃない。気にはなるけどね。女性の部屋なら人によっては下着とか平気でその辺に脱ぎ散らかしてるかもしれないし、男子ならエロ本の類が散乱してるかもしれない。ま、スマートフォンやパソコンがあり、インターネットが存在する今時エロ本をベッドの下に隠すだなんて事はしない。全部動画か画像で済ませるし、あってラノベとかくらいかな?


「すみません、女性の部屋に初めて入るものですからつい……」


 女性の部屋だからと言って特別ドキドキする事はないけど、それでも、水沢先生が普段どんな生活をしているかくらいは気になるし、初めての場所なのであっちこっち目がいってしまうのは仕方のない事だ


「小谷先生の部屋に入る事あるでしょ?」


 外泊の準備をしながら水沢先生は言う。確かに真理姉さんの部屋に入る事はあるけど、身内の女性の部屋に入るのと身内以外の女性の部屋に入るのとはわけが違う。主に気の持ちようとかが


「確かに、小谷先生の部屋に入る事はありますけど、従姉と従姉じゃない水沢先生の部屋に入るのとは気の持ちようが違うんですよ」

「え?そうなの?」


 この人は身内に異性がいないのだろうか?秀義の話によると妹がいるって話だったけど


「そうですよ。水沢先生はご兄弟とかいないんですか?」


 秀義の話で妹がいるって知っていても知らぬふりして聞いてみた。僕が水沢先生に妹がいるって知ってると怪しまれる可能性があったし


「私は下に妹が1人いるよ?ちょうど光晃君の先輩になるのかな?」

「水沢先生の妹さんは高校3年生という事になりますね」

「うん、北南高校の3年だよ」


 知ってます。一時期話題に上がりましたから。僕と秀義の会話にですけど


「そうだったんですか……という事は妹さんは僕の事を知っているだんて事は……」


 自意識過剰にはなりたくないけど、僕は教師によく絡まれる。教育実習の時期に差し掛かると教育実習生にもだけど。そう言った意味では僕は有名かもしれない


「妹との話で光晃君の事を話したけど、知ってるみたいだし、有名みたいだよ?」

「やっぱり……」


 有名な理由なんて知りたくもないし、どういった意味で有名なのかは聞きたくない。ある程度は予想できるし


「光晃君、よく教師を言い負かせてるみたいだからね。それに、妹も助けてもらったとか言ってたし」


 やっぱり、教師を罵倒している事で有名だったのか……前半の話は僕自身が自覚しているけど、後半は身に覚えがない。僕がいつ水沢先生の妹を助けた?人間興味がない事って本当に覚えてない事を僕は実感した


「前半はともかく、後半は全く身に覚えがないんですけど……」


 そもそも、誰かを助けた覚えがない。助けたとか言われてもねぇ……教師をボロクソに言った時に近くに誰かいた事あったっけ?


「そうなの?じゃあ、今度妹に聞いてみるね」

「お願いします」


 ここで助けられた、身に覚えがありません。というやり取りに時間を掛けていても堂々巡りになるだけだから止めにしておく


「準備終わったから行こっか?」


 話している間に用意が終わったみたいだから早々に部屋を出る。あんまり真理姉さんを待たせるのも悪いし


「そうですね」


 戸締りを確かめ、部屋を出る。真理姉さんを待たせるのもそうだけど、学校の連中に見つかると厄介だ


「…………」

「…………」


 家へ帰る道中、僕と水沢先生は無言のまま歩き続けた。話題なんていっぱいあると思う。例えば、勉強の事、水沢先生が来る前まで僕がどうやって高校生活を送って来たか?とかいろいろあると思う。だけど、どれも何か違った。


「─────!?」


 話す事がない僕は水沢先生の手を握る。自分でもどうしてこんな行動に出たかはわからない。


「嫌でしたか……?」


 いつも教師や教育実習生に絡まれ、それを撃退する時は不安を感じない。だけど、今は不安しかない。水沢先生が嫌がってないか?ってもの凄い不安だ


「う、ううん、ちょっとびっくりしたけど、嫌じゃないよ」


 水沢先生の顔はこれでもかというくらい真っ赤だ。きっと僕の顔も同じくらい真っ赤なんだろうけど


「そうですか、ならよかったです」


 ビックリしただけで嫌ではない事を聞いて安心した。これで嫌がられていたら僕は立ち直れなかったかもしれない。


「小谷先生、怒ってないかな?」

「どうしてですか?」

「いきなり泊まる事になっちゃうし、準備に時間も掛かっちゃったし……」

「泊まり来ないか?と言ったのは僕です。それに、真理姉さんも内心では喜んでいるみたいですよ?僕が家に初めて女の子を連れ込むんですから」

「そ、そうなんだ……」


 僕の言葉を聞いて再び顔を真っ赤にする水沢先生。顔が赤いのは夕日のせいかな?きっとそうだよね?


「初めて自分から家へ誘った女の子がまさか、教育実習生の先生になるとは思いませんでしたけどね」


 自分でもビックリしている。僕だって健全な男子高校生だから彼女がほしいなとは思う事はあった。だけど、好きになれる人が今までいなかった。だけど、高校2年生になり、教育実習生に関わりたくなくて授業をサボった。その結果、教育実習生と関わる結果になってしまった


「そ、そうなんだ……」


 再び僕と水沢先生の間に沈黙が流れる。さっきと違うのは僕と水沢先生の手が繋がれている事くらいで他はさっきとほとんど変わらない。だけど、僕にとってはこの沈黙は心地よいものだという事もまた事実


「なんだかこうしていると新婚夫婦みたいだね」


 ふと水沢先生がこんな事を言ってきた。右手に買い物袋を持ち、左手は水沢先生と手を繋いでいる。制服じゃなく、私服だから夫婦と間違えられても無理はない


「そうですね。夫婦と間違えられてもおかしくはないですね」


 別に僕は水沢先生となら夫婦に見られても嫌じゃない。水沢先生が夫婦みたいだと言うという事は水沢先生は僕とそう見られても嫌じゃないという事になる


「光晃君は嫌じゃないの?私と夫婦に見られて」

「別に嫌じゃないですよ。そもそも、嫌だったら家に泊まりに来ないか?って誘ってないですし、今もこうして手を繋いでないです」


 本当に嫌だと思う相手を家に誘ったり、手を繋いだりなんてしない。だけど、告白されてOKを出すか?と言われたらそれはまた別の話になってくる。


「そ、そっか……」


 再び顔を赤くする水沢先生。水沢先生の部屋から家に帰るまで何回顔を赤くするんだろう?


「先生、顔が赤いですよ」


 デリカシーがないとかじゃなく、僕が水沢先生をからかってみたいという悪戯心から出た言葉だった


「ゆ、夕日のせいだよ!」


 案の定、水沢先生は顔が赤いのを夕日のせいにした。僕も深くはツッコまない


「そうですね。夕日のせいですね」


 僕は本当は違うんじゃないんですか?だなんて言う事をせず、夕日のせいという事にして顔が赤い事はそれ以上指摘しなかった


「そ、そろそろかな?」

「そうですね。そろそろ家に着きますね」


 そろそろ家に着く。僕と水沢先生の2人きりの時間はが終わりに近づいている事を物語っていた。


「つ、着いたね」

「ですね」


 僕と水沢先生は家の玄関の前に来ていた。この場合は来てしまったと言うべきか……まぁ、どっちでもいいや


「ただいま、真理姉さん」

「お、お邪魔します……」


 帰宅のあいさつをした僕に続くようにあいさつをする水沢先生。真理姉さんの事を待たせすぎたかな?とも思った


「おかえり、光晃。そして、いらっしゃい。水沢先生」


 帰宅が遅くなった事を何も言わず、水沢先生が来た事に対しても特に何も言わずに迎え入れてくれた真理姉さん。


「うん、ただいま。真理姉さん」

「お、おじゃまします。小谷先生」


 真理姉さんがよくわからない。僕は初めて真理姉さんがわからなくなっていた。どうして水沢先生を泊める事を許可してくれたんだろう?


「光晃が女の子を自分から家に誘うなんてね。明日は雪でも降るのかな?」

「いや、僕だって誰かを家に誘う事くらいするからね?」

「でも、光晃って家に誰かを誘う事なんてほとんどしないじゃない」


 何となくだけど、真理姉さんが水沢先生の宿泊を許可した理由がわかった気がする


「そうだけど、ひょっとして水沢先生が家に泊まる事を許可した理由って……」

「うん、光晃が女の子を家に泊りがけで呼ぶなんて珍しいし、それがあれだけ嫌っていた教育実習生だからね。本当はいけない事だけど、光晃の彼女候補だったらいいかと思って」


 僕はある意味呆れてしまう。最初は真理姉さんの授業をサボった罰として水沢先生のサポートを命じられたけど、ひょっとしたらこうなるってわかっていたのかな?


「いい性格してるよ。真理姉さん」


 教師や実習生に歯向かっている僕が言えた立場じゃないけど、真理姉さんも真理姉さんでいい性格していると思う。


「知ってるよ。ところで今日の夕飯は何かな?」

「焼肉」

「そう」


 真理姉さんは水沢先生の元へ行き、僕は僕で夕飯の用意をする。途中、水沢先生が手伝いを申し出てくれたけど、夕飯の用意を手伝ってもらうよりも真理姉さんの相手をしていてほしかったため、水沢先生の申し出を断わった。そして、夕飯が終わり、入浴も済んであとは寝るだけだったけど、今回は僕を真ん中にして川の字で寝る事になった

今回は光晃が葵衣と手を繋いで歩く話でした

今回の光晃はいつもの教師や教育実習生に厳しめの意見を言う光晃じゃありませんでした

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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