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僕は大胆な行動に出る

今回は光晃が大胆な行動に出ます

教師や実習生嫌いな光晃がどんな行動に出るんでしょうか?

では、どうぞ

「どうしてこうなったんだか……」


 僕は今、非常に困惑してる。水沢先生は真理姉さんに教育実習の指導を受けに家に来たはずで、真理姉さんは水沢先生を指導する為に家に水沢先生を招いたはず。それなのに────


「「えへへ~」」


 僕の腕の中で2人とも子供みたいな笑顔で満足そうに僕に抱き着いている。教育実習の指導はどうした?忘れているわけではあるまいな?


「2人ともそろそろ離れてくれます?」

「「いやっ!!」」


 離れてくれと言ったら全力で拒否された。北南高校に入学して早2年。北南高校に勤務している教師はバカばかりで教育実習生は虫よりも役に立たないゴミばかりだと思っていた。だけど、真理姉さんと水沢先生は違った。この2人はとてつもなく甘えん坊だ。本当、精神年齢を疑うレベルで


「離れてくれないと昼食を作れないんですけど?」


 しがみ付かれたら動くに動けない。どうしたらいいんだろう?この2人を退かす上手い方法はないものだろうか?このままじゃ僕の貞操にも関わる。ん?貞操?今の状況は水沢先生と真理姉さんが抱き着いている。別に僕はファーストキスがどうとかはあんまりこだわらない。


「「いいよ動かなくて。こうしているだけで幸せだから」」


 この年上2人は何を考えているんだよ……キスしたらマズイかな?なんて思った僕がバカだった。この人達に容赦する必要なかったよ。秀義にもね!


「葵衣」

「ん?なぁに?光晃君?」


 言動がすっかり子供になっている。ウザい教師や実習生を黙らせるのも面白いけど、物理的に僕の身体の自由を奪う教師と教育実習生を退かすのも面白いか……女性はファーストキスを奪われた相手によっては永遠にトラウマとして残るとも言うから試してみる価値はある


「───んっ!」


 僕は水沢先生の唇を強引に奪った。僕はファーストキスにこだわりはあんまりないけど、水沢先生はどうだろう?ファーストキス僕に奪われてしまったわけだけど


「ふへへぇぇぇぇ~」


 ガッカリしていると思ったらすごく幸せそうな顔をしている水沢先生。好意を持っている事は秀義や理沙に言われて知ってはいたけど、好意を持っているからと言っていきなりキスされたら泣くと思っていたけど、そうではないみたいだ


「光晃!私も!私も!」


 教師として咎めると思っていたけど、キスをせがまれてしまった。そこは教師として僕を咎めるところじゃないの?キスにこだわりのない僕は別にしてもいいんだけど


「はいはい」


 水沢先生を離す為とはいえ、キスしてしまった。水沢先生にだけして真理姉さんにはしないなんて事をしたら後でどうなるかわかったものじゃない


「んっ!」


 水沢先生と同じように一瞬のキス。唇と唇が触れるだけのキス。こんなので幸せになれる2人は相当おめでたい思考をしていると思う。真理姉さんを黙らせる時は今度からこれを使おうかな。


「これで満足した?って聞こえてないだろうけど。ま、いいや。僕は昼ごはんの用意してくるからそのまま大人しくしててね」

「ふぁ~い。ふへへ~」


 何ともだらしのない返事で答える真理姉さん。真理姉さんと水沢先生を部屋に残し、僕はキッチンに向かい昼食の用意に取り掛かる


「あの2人には本当に困ったものだよ……教育実習生なのに生徒を好きになったりするなんて。今日の事だって学校側にバレたら面倒な事になるって言うのに……」


 キスは僕からしてしまったとはいえ、学校側にバレたら問題になるだろう事は容易に予想できるけど、ここは僕の家で学校じゃない。バカな教師なら家での事にも鑑賞してくるだろうけど……あ、僕の通う高校はバカ教師の巣窟だった


「転校しようかな……」


 昼食の調理をしながら転校も考える。このまま北南高校に通っているといずれストレスで倒れてしまうのではないか?と不安になる。ならばいっその事転校してしまいたいと思うのはおかしい事かな?


「ダメだよ?光晃。転校なんてしたら」

「真理姉さん、調理中は話し掛けないでもらえない?包丁とか火を使っていると危ないから」


 背後から真理姉さんに話し掛けられ、調理しながらもそれを注意する。転校しても会えなくなるわけじゃなし、帰る家が同じなら転校してもいいと思うけど?


「ごめん。でも、転校なんてしたらダメだよ?私にとって学校でも光晃に会いたいんだから」


 学校でも会いたいと思うなら僕のサボりを容認してほしい。って容認したらダメか。せめて他の教師が干渉してこないくらいの配慮はしてほしい


「じゃあ、僕のサボりを容認しろとは言わないけどさ。せめて他の教師が干渉してこないくらいの配慮はしてくれない?特に体育担当のバカは暑苦しいだけじゃなくて二言目には自分は教師アピールがウザい」

「体育担当……あの人か。あの人は教師の間でも評判はよくないから次年度は転勤させてほしいって言ってる先生はいっぱいいるよ?」


 あの体育教師って教師からも評判よくないんだ……生徒から嫌われて、教師からも嫌われるだなんて皮肉なものだな


「そう。じゃあ、校長に言えばいいんじゃないの?教師からの評判がよくないって事はモラハラやセクハラの類をしてたりするんでしょ?」

「うん……」


 体育担当の……誰だっけ?ま、いいや。あの教師の性格からしてセクハラはあんまりしてなさそうだけど、モラハラをしている可能性は十分にある。


「実習生の間でも評判はよくないよ?」


 復活して部屋から出てきたであろう水沢先生も話に参加してきた。実習生にも評判が悪いだなんて本当にどうしようもないな。そもそも、アイツと馬が合う人間なんているのかな?


「へぇ~。じゃあ、水沢先生も何かされたんですか?」


 この口ぶりだと水沢先生も被害にあったな?僕に無駄に絡んでくるだけに飽きたらず、他の人にまで不快な思いをさせるだなんて……


「うん、交際を申し込まれて断ったら実習を打ち切るぞ?って脅された」

「呆れた……僕に絡んでくるだけじゃ飽きたらずにそんな事をしてたんですか……」


 呆れてものも言えない。生徒に言い負かされたら二言目には教師を出す事しか能がないくせにモラハラ、セクハラもするなんて……バカもここまで来ると笑える


「話は後にして、今は昼ごはんにしませんか?ちょうどカレーもできましたし」


 僕は3人分の皿にご飯を盛り付け、カレーをかける。バカ教師の話は昼ごはんが終わった後でも遅くはない


「「うん……」」


 真理姉さんと水沢先生は明らかに元気がない。水沢先生はともかく、真理姉さんも元気がないって事は真理姉さんも被害者って事になるのか


「「「ごちそうさまでした」」」


 昼食のカレーを食べ終わり、後片付けをする。真理姉さんと水沢先生は体育教師のせいで沈みきっている。はぁ……どうして北南高校の教師と実習生は僕の周りに問題しか持ってこないんだ?これだから教師や実習生は嫌いなんだよ。


「さて、数学教師の処遇は月曜に決まるて、そろそろあの体育教師もウザくなってきたから潰れてもらおうかな?」


 職員室に行くたびにあの教師に絡まれたら何も悪い事をしていないのに、指導という名のストレス解消に使われてしまう。そうなる前に潰れてもらおうかな


「光晃……」

「光晃君……」


 涙目で僕を見つめる真理姉さんと水沢先生。勘違いしないでほしいけど、僕は教師や教育実習生を助ける為にするんじゃなくて、自分に害のある人間を排除するだけ。ただそれだけの話。


「2人とも何か勘違いしているみたいだけど、僕は自分にとって害になる人間を排除するだけだからね?教師や実習生を助ける気なんて毛頭ないよ?」


 この2人は言っておかないと付け上がりそうだからちゃんと言っておかないとね。僕は教師や教育実習生を助ける気は毛頭ないって事を


「光晃、私はそれでもいいよ。光晃は自分にとって害になる人を排除するだけでしょ?私はモラハラ、セクハラをしてくる同僚がいなくなってくれるだけでいいから」

「私もそれでいいよ。光晃君が自分にとって害になる人を排除しただけで私達を助けてくれるわけじゃないってちゃんとわかっているから」


 真理姉さんと水沢先生はなぜか悲しそうな笑みを浮かべていた。僕は自分にいつも絡んでくる害虫を排除するだけだってわかってるのにどうして悲しそうな顔をするんだろう?


「わかっていてどうして泣きそうな顔してるの?」


 聞かずにはいられない。僕はそう思ってしまった。真理姉さんと水沢先生にとっては職場でモラハラ、セクハラしてくる人間がいなくなってくれる事はいいことなんじゃないの?


「私は光晃に嘘でもいいから私の為って言ってほしかっただけだよ……」


 真理姉さん。悪いけど、教師を助ける事はしないって知ってるでしょ?学校が関わってくるなら真理姉さんは教師だ。僕は教師がどんな思いをしようが、どんな目に遭おうが知った事ではない


「私も好きな人には私の為って言ってほしかった……」


 水沢先生もか……僕は教師を助ける事はしないけど、実習生も同じだよ。実習生を助ける事なんて絶対にしない。実習生の行く末になんて興味ないし


「真理姉さんと水沢先生が教師と教育実習生じゃなかったら2人の為にって言ってたけど、教師と実習生じゃん。僕が教師と教育実習生の事を大嫌いだって知ってるでしょ?」


 最近、教育実習生に関わり過ぎたけど、僕は教師も教育実習生も大嫌いだ。そんな僕が教師や教育実習生を助ける?ありえないね。


「「うん……」」


 悲しそうな顔をしているから何だと思ったら自分の為に動いてほしかった?笑わせるな。僕が教師の犬になんかなるわけないでしょ。2人とも夢見がちなんじゃないの?


「水沢先生には実習最終日の前日にあるものを渡しますから、それまでは我慢してください」

「う、うん……」


 この後、僕は真理姉さんと水沢先生に抱き枕にされた。てっきり水沢先生は帰ると思ったけど、まさか泊まっていくとは思わなかった。しかも、僕を挟んで真理姉さんと水沢先生が寝るとは思わなかった。


今回は光晃が大胆な行動に出ました

ま、まぁ、葵衣は他人、真理は従姉だから問題ないよね?

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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