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僕の家に水沢先生が来た

今回は葵衣が光晃の家に来る話です

訪問から光晃のベッドに忍び込むまでです

では、どうぞ

 怒涛の1週間が過ぎ、ようやくやって来た花の土曜日。だけど、僕は土曜日だというのに僕は憂鬱だ。自分で言った事とはいえ、水沢先生が家に来る。前に泊まった事があるけど、それの比じゃないくらいに憂鬱だよ……


「水沢先生が来る前に出かけよう」


 自室で1人決意する。水沢先生が来る前に出かける事を。じゃないと真理姉さんとセットになると絶対に指導するよりも僕がもみくちゃにされそうな予感がする


「開店より少し早いけど、出かけよう」


 家電量販店やゲームショップが開店するのは10時で今は9時。1時間早いけど、今から出かければ10時の開店には間に合う。そうと決まれば即行動!!


「真理姉さん、僕は出かけるから水沢先生によろしく」


 部屋を出て真理姉さんに声を掛ける。今の僕は黙って出かけて真理姉さんに心配を掛けるとかそういう事を考えるよりも如何にして大人の女性の女子会を回避するかが重要な事だ


「光晃?どこ行くの?」

「ゲームショップだよ」

「ふ~ん、光晃は私と水沢先生を置いてゲームを買いに行くんだ?」


 当たり前だよ。大人の女性の女子会に参加して休日を無駄にする気はない。そんな事をするくらいならゲームショップや家電量販店でゲームの新作がないか見てた方がマシだ


「どうしてもほしい新作があるんだよ」


 本当はどうしてもほしい新作ゲームなんてないけど、ここはそういう事にして家を出た方がいい。真理姉さんも無理には止めないだろうし


「光晃は私達よりも新作ゲームの方が大事なの?」


 上目遣いで僕を見る真理姉さん。僕は大人女子の女子会に参加したくない一心で嘘を吐く。別に誰も傷つけないし、真理姉さん達だって僕がいない方が話が弾むと思う。集中して水沢先生の指導もできるだろうし


「そうだけど?」

「私達といたくないの?」

「別に?水沢先生が来るなら僕は部屋に籠るだけだし」


 外出に失敗したら部屋に籠る。僕は外出に失敗した時には部屋に籠ると決めていた


「せっかくの休日なんだし私達と一緒にいてほしいな……」


 ここは学校じゃないし、今の真理姉さんは教師じゃない。冷たく当たる事もないからいいけど、そうなったら女2人に男は僕1人という男女比のバランスが非常に悪い構図ができあがる


「僕にダル絡みしないならいてもいいけど?」


 自分に害のない女性の涙や上目遣いに弱い僕は真理姉さんを置いて出かけるという事ができなくなってしまった


「しない!しないから家にいて!」

「わかった!わかったから離して!」


 真理姉さんにも困ったものだ。こうなったら部屋に籠るとしよう。考えてみれば少し眠いし


「本当に今日はどこにも出かけない?」

「出かけない出かけない」

「ずっと家にいてくれる?」

「いるいる」


 投げやりだと思うけど、僕は家にいる。要するに家のどこかにいればいいわけでしょ?別に部屋にいてもいいわけだ


「本当に?」

「うん」


 こんなようなやり取りがしばらく続いた。真理姉さんはどんだけ僕を信用してないんだろう?黙っていなくなる事の常習犯である僕が信用されてないのも無理ないけど


「ほら、水沢先生が来たよ?」


 インターホンが鳴り、家に訪問者が来た事を知らせていた。秀義が家に来る予定はないし、理沙には家の場所を教えていないから訪問者は水沢先生しかいない


「うん、ちょっと出てくる」


 玄関に向かう真理姉さん。その隙に僕は部屋に戻る。家にいるとは言ったけど、部屋に戻らないとは一言も言っていない。家にいる以上、僕は約束を破ってないから咎められる謂れはない


「さて、僕は部屋に戻って寝るかな」


 真理姉さんが水沢先生を家に招き入れているうちに僕は部屋に戻って寝なおす。僕がいない方が水沢先生の指導も捗るというもの


「ふぁ~あ、大人女子の女子会に巻き込まれる前に寝るとするかな」


 寝てしまったら女子会が始まっていようと関係ない。こういう時に僕は部屋のドアに鍵を取り付けなかったんだろう?と思う。鍵が付いてたら真理姉さんが部屋に侵入してくる事もないのに


「僕がいない方が指導も捗るだろう」


 僕がいると真理姉さんも水沢先生も安心して自分の事に集中できるだろうと思う。それに、僕は教師や教育実習生の事は文句を言う為にある程度は学んだけど、詳しい事までは知らない。それに知ろうとも思わない


「さて、寝ますか」


 僕の意識は夢の中へと沈んだ。真理姉さんも水沢先生も自分の事に集中して僕の事は忘れてほしい。


「光晃……」

「光晃君……」


 目が覚めたら水沢先生と真理姉さんが僕のベッドに潜り込んでいた。あれ?指導はどうしたの?ま、予想はしてたよ?真理姉さんと水沢先生が勉強なんてしない事なんてね


「どうして僕のベッドに忍び込んでるのかな?」


 起きたばかりの第一声は真理姉さんと水沢先生が僕のベッドに忍び込んでいるのかに対しての呟きだった


「光晃……寂しかった」

「光晃君……私も寂しかった」


 2人揃って何を言ってるんだんか。別に家出したわけじゃなし。同じ家の中にいるのにどうして寂しがる?


「どうして同じ家にいるのに寂しがるんだか……」


 同じ家にいるなら寂しがる必要はないと思うけど、その辺りはどうなんだろう?真理姉さんと水沢先生の寂しがり屋なところには本当に困った


「だって、同じ空間にいないし……」


 同じ空間にいなくても同じ家にいるんだから問題ないでしょうに……この2人には心配掛けてばかりだったのは自覚しているけど、依存気味なのは困りものだと思う


「真理姉さんと水沢先生の邪魔しちゃ悪いから部屋に籠ってようと思ったんだよ」


 僕は僕なりに考えて邪魔しないように部屋に籠っていようと思ったけど、寂しい思いをさせてしまったみたいだ。


「それでも、私は寂しかったよ?光晃君」

「私もだよ?光晃」


 2人揃って寂しがり屋とは困ったものだ。いや、本当に。さて、どうしたものか……僕としては肉体関係さえ持たなければある程度のお詫びはする。まぁ、真理姉さんが学校にバラさなければの話だけど


「学校にバラさないって約束できるならハグくらいはしてあげるけど?」


 本当はキスをしようと思えばできるけど、付き合ってもいない男女がキスをするなんてよくないと思う。なので、ハグくらいに留めておこう。囁いてほしい言葉を囁くってサービス付きで


「「うん!」」


 2人揃ってハグするだけでいいのか?僕ならもう少し先を要求すると思うけど……この2人は何を考えているんだ?


「じゃあ、失礼してっと」

「「わわっ!?」」


 右隣りの真理姉さんと左隣りの水沢先生を同時に包み込む。僕が真ん中に寝ているおかげで右腕で真理姉さんを、左腕で水沢先生を抱きしめる事ができる


「どう?満足して頂きましたか?お姫様たち?」


 普段の僕からは考えられないけど、今日は休日だからサービスして真理姉さんと水沢先生をお姫様扱いする。本当に学校じゃあり得ない事だと思う


「「うん……でも、キスしてくれたらもっと満足する」」


 2人して酒でも飲んでるのかな?キスでも要求しないのかな?とは思ったけど、本当に要求されるとは……っていうか、水沢先生は告白前にキスしても構わないのかな?


「そういうのは恋人ができてからにしてください」


 真理姉さんと水沢先生を軽くあしらってベッドを出る。勘弁してほしいよ。全く……ここには真理姉さんしかいないからいいけど、学校にバレたら大変だ


「「むぅ~」」


 剥れれば僕がキスすると思ったら大間違いだよ。剥れてもダメなものはダメ!これじゃどっちが年上かわからない。僕って実は既に20歳超えてるんじゃないかな?と思う時がある


「剥れるならハグもなしだよ」


 子供じゃあるまいし、キスできないくらいで剥れないでほしいんだけどなぁ……この2人のどちらかの恋人になったら毎回こうなるのかと思うと恋人が不憫でならないと思う昼だった


今回は葵衣が光晃の家に来る話でした

次回は昼飯からどこまでにしようかな?

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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