4:ゴーレム灰になる
おじいさん達と門のところに行きチェックを行う。
魔法円の上に立ち犯罪歴があるか確認するのだ。
この犯罪歴っていうのは騎士やギルドにつかまればつく。そして、指名手配犯も当然つく。騎士団やギルドで働いたことがないからどうやってつけてるのか分からないけど。
でも、指名手配とかではない限り捕まらなければつかない。
おじいさん達は検査を先に終わらせ門のあっち側で私たちを待っていた。
私達もチェックして門を通った。
どうやらみんな大丈夫だったらしい。
ビーッビーッ
どうやら、私たちの後ろにいた人は問題があったみたいだ。
「んあぁ!この魔法円壊れてんだろ!」
「暴れなるな!取り押さえろ!」
「っだとぉ!?人のことを犯罪者みたいな扱いしやがって!」
「こいつ!あのゴーレム村破壊事件の犯人だ!指名手配されてる!捕まえろ!」
暴れていた男は騎士を振り払い走って距離を取った。
「ッチ!気づかれたなら仕方がねぇな!」
そう言いゴーレムを召還した。結構大きめのゴーレムだ。
「皆さん!下がってください!危ないです!」
騎士はゴーレムを攻撃していくが攻撃がきかないようだ。
「物理攻撃がきかないゴーレムですわね。なかなかの出来のゴーレムです。」
このゴーレムを召還した人、王宮で働けば結構お給料もらえるのにな。もったいない。
「隊長!攻撃がききません!」
「魔法使える奴!こいつに魔法攻撃しろ!」
魔法をゴーレムに向かって打つ騎士が何人もいたが攻撃が弱い。
しかも自動で攻撃された場所を修復してる。無駄な攻撃ね。
ここは私の出番かな?
「キースとリロイ、これからあなた達には私から魔法を習ってもらうわね。これが最初のレッスンよ。よく見てね。」
隊長の方に言って話しかける
「失礼します。援護してもいいでしょうか?」
「いいんですか!?お願いします!でも危なそうになったらすぐ逃げてください!」
「ええ、わかりましたわ。」
ちょっと前に進み、他の騎士と同じ場所に立つ。
「皆さんゴーレムから離れてください。ちょっと大きめの魔法を放ちます。」
私がそう言っても皆どいてくれない。
困る、騎士達も灰になっちゃう。
そりゃまぁ、こんな普通の村人みたいな格好だから騎士達よりは弱そうに見えるけど。
「で、でも!」
「お姉さんの言うことを聞け!」
団長さんがそういうと皆ゴーレムから距離を取った。
「フレイムサークル」
呪文を唱えるとゴーレムの下に炎の円ができる。
そして爆音とともに竜巻のように炎が燃え上がる。
「お、俺のゴーレムが...あぁ...あぁ...」
ゴーレム全体を炎が囲みゴーレムが灰になっていく。
「この炎はゴーレムが完全に灰になったら消えるので、あの方をとらえてくださいまし。」
犯人の方を指すと騎士達が急いで犯人を捕らえに行った。
「ご協力ありがとうございます。名高い魔術師とお見受けします。私の名はオースティンです。お名前を伺ってもよろしいですか?」
「私はエカテリーナです。以後お見知りおきを。名高い魔術師なんてとんでも、田舎町で子供に教えることになったんです。」
軽く雑談をして子供達の方に向かう。
「こういう自動で修復するゴーレムは一気に片づけた方が楽よ。長時間の戦闘には向かないわ。」
「お、お母さんすげぇよ!オレにも教えてくれよ!」
「ボクもお母さんみたいな魔法使いになりたい!」
あらま、うちの子たちは魔法に興味があるみたいだね。
「お姉さん!凄いじゃないか!...いいのかい?田舎町の先生で。なんか申し訳ないわい。」
おじいさん!何を言っているのですか!都会もいろいろと楽で好きですけど、なんかもう疲れたんですよね。
「田舎町がいいんです。子供達がのびのび成長できるし、私も都会より静かな方が好きなので。」
「そうかい。そうかい。安心したわい。あ、そうだ!本当はここらへんで乗合場があるんじゃが、息子が迎えに来るそうじゃ。どうせ行く場所は同じなんじゃ。ちょっとまっておれ。」
「あら?一緒に行ってもいいのですか?ありがとうございます。」
『ありがとうおじいちゃん。』
あらあら。うちの子お礼ちゃんと言えるのね。エライ、エライ。
息子達の頭を撫でた。