そこは地獄への片道切符ー1ー
アリスと結愛は徳島初登場の電車なるものに初乗車する。
「わくわくするねー♪」
ウキウキした様子でアリスに語る結愛。
結愛のウキウキしようにアリスも安心する。
(きっと大丈夫よ、結愛ちゃんがいるんだもん!)
アリスはそう言い聞かせた。
「でも切符いらないなんて変だよねー!」
あ、そう言えば切符払っていなかった。
しかし車掌が「電車は切符いらないよ」と言ってくれた。
しかし普通は切符がいるはずだ。
電車に乗った事ないので詳しい事はわからないが(ノファンは電車を知りません(>_<))
また、徳島駅の電車に人が乗りだしてきた。
「「ひっ!??」」
アリスと結愛は思わず声を上げる。
乗って来た乗客は頭から血が出ていた。
後から乗客が乗って来るがいずれも半透明の女、牛の頭をした人間、ボロボロの服に手枷をした男などが様々だった。
「結愛ちゃん!徳島の電車ってヤバくない?」
「面白いじゃん♪ワクワクしてきたよー♪」
アリスは不安になり結愛に降りようと促すが一方の結愛は楽観的だった。
やがて電車の戸が閉まる。
そしてアリスと結愛の電車の旅は始まった。
(このまま乗っちゃったけど大丈夫かなあ?)
アリスは周りの人達を見て思った。
そんな中結愛は身内話を矢継ぎ早に続ける。
「それでレイがさあ…って聞いてる!?」
結愛がやや怒ったように聞く。
「あっ、ごめん、聞いてるよっ」
アリスは苦笑いして謝る。
そんな時「弁当はいりませんかー?」と女性駅員が弁当の乗った台車を押して運んできた。
「あっ!弁当だっ駅員さーん♪」
結愛が呼び止めた。
話は切られたがアリス的には良かったと思った。
そしてアリス達は金を払って弁当を食べる事にした。
「あっ美味しい!」
「でしょでしょ!徳島の名物にこだわった新鮮な弁当だからね!美味しいに決まってるよ!」
駅弁がこんなに美味しいとは思わなかった。
徳島の海で獲れた魚にすだち、阿波美鶏を乗せ鳴門金時、徳島にんじん、キャベツ、徳島しいたけなどふんだんに使っていてダシが効いている。
「あれ?何だか眠くなってきちゃった…」
「み…ミーも…」
弁当を食べた途端眠気が二人を襲う。
二人はそのままウトウトと寝てしまった。
電車はそのまま走り続ける。
乗客は体の一部が破損している人、火傷だらけの人、真っ青な顔の人物等ほぼ原型を留めていない者ばかり。
そしてアリス達の食べた弁当…それがこの世で食べた最後の弁当になる事などアリス達は知る由もなかった。
ーーー
『間も無く剣山駅ー剣山駅ー終点です!』
車掌の声のアナウンスが響く。
「うっ…」
アリスは目を覚ました。
「いつのまにか寝てしまってたみたい…あれ?結愛ちゃんは?」
結愛の姿が見当たらない。
(手を洗いに行ってるのかな?)
アリスは結愛を待ってみる。
しかし待っている暇もなく電車のドアが開く。
車掌がやってくる。
「お客様、終点ですよ?」
「すみません、友達待ってるので…」
アリスは告げるが車掌は「え?みんな出て行きましたけど?」と事務的な口調で答えた。
「そんな!?」
アリスはやむなく電車から出る。
車掌も仕事なので客を待たせたりなどサービスはしない。
「結愛ちゃんが私を放っていくわけがない…一体どうしたんだろう?」
アリスは結愛とはぐれてしまった。
しばらくはアリス一人で行動しないといけない。
それと目の前は不気味な程深い霧に覆われている。
近くはなんとか見えるが遠くは白い靄がかかっていて見えない。
剣山…とか言ってたような…剣山といえば徳島にそびえる有名な山だ。
しかし剣山駅…そう言うものは駅ブックを読む限りは無かったような…。
それより結愛ちゃんと合流しなければ…駅員さんに聞いてみよう!
アリスは駅内に歩いている黒い制服を着た駅員に結愛を尋ねた。
「あの、私の友達見ませんでした?ピンク色の髪でキャミソール姿のハリセンを持った…」
ピンク髪にハリセン、かなり目立つのでわからないはずは無い。
しかし駅員は「見なかったなあ…」と首をかしげた。
駅員の顔は帽子で深く被られているのか見えない。
というより黒い影に覆われていて目のような光が二つ黄色に光るのみだ。
(駅員さんの顔も変な事になってるし…一体どうなってるの!?)
アリスは自分の気が変になっているのかと思った。
結愛が見つからないので仕方なく駅の外に出るアリス。
その時白ずくめの服に仮面をしたウサギ耳の青年がアリスに向かって走ってきた。
「スノーラビットさん!?」
この間アリスを徳島に誘った青年だ。
しかしこのスノーラビット、何やら様子がおかしい。
スノーラビットはアリスの前に来ると立ち止まり、立ち止まったかと思うと大声で怒鳴りだした。
「メアリアン!こんな所で何してるんだ!さっさと館に置いてある扇と手袋を持ってこい!!」
「私はメアリアンじゃ…」
「何わけのわからない事言ってるんだ!急げ!」
スノーラビットはアリスの言葉に耳を貸さずアリスを追い払うように扇と手袋を持って来させた。
(面倒な事になってきたわ…)
アリスはとりあえずは人違いをしているスノーラビットの言う事を聞くしかなかった。
走ると小綺麗な館が見えた。他は深い森が茂っているのでおそらくここに間違いない。
アリスは「お邪魔します」とノックをした。
すると「どちら様?」と声がして、ドアが開いた。
現れたのはメイド服を着た、なんとアリスに瓜二つの少女だった。
「私がもう一人…?」
「あなたは…」
メアリアンらしき少女はアリスを見て懐かしいものを見るかのような目で見つめる。
「お会い出来て嬉しいですわ私の妹!さあお上りください!!」
(い、妹!?)
アリスは気持ちの整理のつかないままメアリアンに手を引っ張られ、屋敷の中に入れられた。
(今日は何もかもが風変わりだわ…)
結愛はいなくなるし出会う人々はおかしな人ばかりだしスノーラビットは人が変わるし目の前のアリスそっくりなメアリアンは自分の妹と勘違いを起こすし…。




