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アレンと徳島とWNIの国のアリス  作者: 海豹ノファン
アレンと徳島とWNIの国のアリス
20/82

涙の川を眺めて

レキは実は小山義人に思いを寄せていた。

しかし義人には朽木百歌というれっきとした恋人がいる。


「恋愛って思い通りにいかないね…」


アリスはレキに同情するように漏らす。


『今まで男のフリして生きてきとったからなあの子…でもあんな美貌なんや、他の男はほっとかんやろ!』


アレンはレキに明るい未来を見出す。


ともあれアリスは女王から元の世界に帰る手がかりを聞き、元の世界に帰ろうとする。


アリスを見送りに来る結愛達。


そんな街中である光景をアリスは見る。


なんとミサやその取り巻きがいじめられていた。


「なあ、俺の青春返せよ!」


「私まで悪者になっちゃったじゃないのよ!!」


詰め寄るモブ達にミサ達は「すみません!」とただ平謝りを続けていた。


「やめなさい!」

「シャラップ!いじめはナンセンスよ!!」


アリスが止めに入る。

そして結愛も。


「アリス…結愛…」


ミサ達はいじめを止めるアリス達を見据える。

彼女達を見て思った。


自分はこんな人間をいじめていたのかと。


いじめていたモブ達は去っていく。


「アリス…結愛…」


ミサ達は嗚咽をあげる。


「それが貴女達のしてきた事だよ、辛い?辛くないわけ無いよね?」


唯は問い質す。


「あ、姐さん、助けてくれよ…」


ミサ達は唯に助けを求める。


「嫌よ、貴女達を助ける事でとばっちり受けるのは嫌だもん♪」


唯はミサ達をからかうようにタバコを吹かし知らんぷりしてみせる。


「ねえ、いじめをした罪は一生ついて回るしそうしたら人に一生傷を負わせる事になるし自分になんの得にもならない、そう言うのって辛いでしょ?」


とアリスは嗜める。


「ああ、おかげでアタイについていた取り巻きにも逃げられるし街中でずっと嫌われっぱなしさ、居場所も無え、これからアタイはどうしたら良いんだ?」


ミサが嗚咽をあげだす。


「ずっと良いことをしなさい!良いことをしても人の信頼は簡単には取り戻せないかも知れない、でも、それでも今まで悪い事した分まで善行を重ねていくの!そうしたら、いつかは必ず信頼は取り戻せるわ!」


「誰かをいじめた過去を語るのは覚悟がいるんだよ、誰にも言えない過去として一生ついて回る、ミーも実はレイをいじめてきて…だからミーのようには誰かにはなって欲しくないの!」


アリスと結愛は優しく語る。


「うぅ…アリス…結愛…」


ミサが嗚咽を上げると鍵穴が現れた。


「貴女はこれから自分を苦しめる事も無いし苦しんでいる人を助けてあげられると信じてる!今貴女を更生させてあげる!」


そしてアリスはミサの鍵穴に鍵を差し込み、それを回した。


ミサの体が光りに包まれ、そして金髪だった髪は黒髪に、派手な露出度の高い服は清楚な服になり、地味だが奥ゆかしさのある女性に変貌した。


「大丈夫かな…?私…」


自信なさげにしているミサ。


「大丈夫大丈夫♪ノンプロブレムよ!」


と結愛。


「罪のない人はこの世にいない、間違ってしまう人はどこにでもいるわ、でも間違ったら間違っただけ人生に棒を振る事になる、貴女はこれからそう言う人を正していくの、それは貴女にしか出来ない事だから!」


とアリス。


「…そうだな…こんなアタイに最後に更生させてくれたアンタに感謝するよ、これから異世界に帰るんだろ?達者でな!」


「うん!次に会う時はベストフレンズになろうね!」


そしてミサと別れを交わすアリスたち。


「うわああんアリス別れたくないよ!!」


結愛がアリスに抱きつき泣きじゃくる。


「そんな事しないでよ…そんな事したら私だって…うわぁん!!」


互いに泣き出す二人。


「若いって良いわねぇ…」

「でも別れは辛い…その気持ちはわかりますよ」


と唯に義人。


「ほらほらこんな事してたらアリスちゃん困るじゃないの」


ずっと続けている二人に唯が割って入る。


「アリスさんには家族も友達も向こうにいるのだから、アリス、離れ離れになっても私達のこと忘れないでね!」


「忘れません…忘れるわけないじゃないですか…」


アリスは嗚咽を漏らしている。

出会いがあるだけ別れがある。

しかしアリスの徳島とWNIで出会った仲間達の思い出は夢物語となって忘れられない記憶になるだろう。


そしてそれはアリスと出会ってきたWNI等も一緒である。


ーーー


何かくすぐったい感触。

そして良い匂い。


「ディアナ??」


目覚めるとペットのディアナが心配そうに私のほおを舐めていた。


アリスは猫のディアナを抱いて顔を覗き込む。


「アリス!大丈夫か??」


そんな時周りにいた人だかりが驚いたような表情でアリスに駆け寄ってくる。


アリスは目をパチクリとさせた。

ふと見渡すと自分はとある病院で寝かされているようだ。


「私は…?」


「いじめっ子を庇うなんて…無茶な事しないで!」


母親はハンカチを目で覆い泣いている。


母の一言でアリスは思い出した。


現実ではいじめっ子を更生させようとして、かえって標的にされていじめられる事になった。


ガラガラガラ…!


私はいじめっ子と戦っていたがそれはいじめっ子を庇って自分が鉄骨に巻き込まれる事となり私は異世界に飛ばされた。


それはいつ覚めるかわからない夢となるが今私はこうして戻ってこれた。


今はそのいじめっ子と私は形勢逆転しているらしい。


でも私はいじめをする側も良い結果を残せない事を知っているのでせめてそれはみんなにも知って欲しい。


知恵袋じゃ昔のいじめが元で結婚破綻になったと言うのも見ていたから。


ーーー


一方WNI世界では鳴海結愛が泣いて出来たその川は吉野川となって四国を潤っていて、冒険してきた日々は何らかの物語となって人々に語り継がれている。


海亀となった小山義人も海亀養育所を建てておおきくして、徳島は海亀と戯れられるスポットもあって栄えているところもある。


池田唯はキノコ栽培することになって美味しいキノコを栽培しては各家庭にそれを送り出している。


西村ミサは更生して今は困っている人を助ける介護士となって日々を過ごしている。


あっちの世界じゃ未だ暴れているようだが…。

一時は更生したかに見えたがきっと彼女は更生してその分を立派に貢献する人になれると信じている。


実際、世の中に貢献した人ほど今の世の中損している人って多いと思う。


それは世の中が便利過ぎて貢献した人が目立てず恩恵を受けて楽しんだ者勝ちのような概念が世を蔓延はびこっているからだ。


だがこれでいいのだろうか?

世の中では戦争や飢餓が未だ治らない国もある。


平和な国日本。

しかし日本とて貧富の差はある。


貧困では無いし恵まれている国にも関わらず幸せとは言えない日本では一体何が日本人を苦しめているのか?


自分が流して出来た吉野川を眺めて結愛は思った。


「アリスちゃん、ユーならどう思う?」


そう独りごちる。


アレンと徳島とWNIの国のアリスーー完。


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