3/15
━3章━
カクバールは研究室から急いで外へ出て、生物学者である弟へと携帯で電話をした。
「どうした? 兄さんから電話なんて珍しいな」
「マーガルッ、オレが建設現場で見つかった遺跡の調査しているのは知ってるよな?」
「あぁ。ラジオで聴いたよ」
「生物の一部が見つかった。お前に調べてほしいんだ」
「本当かっ? うわっ、しまった・・・・・・。あっ、悪い」
「まだギャンブルしてるのか?」
「たまにだよ。でっ、そっちには機材は無いよな?」
「極秘で頼みたい。オレが持って行くから、調べてくれっ!?」
「分かったよ。すぐに帰って準備するから、極秘なら家じゃなくて基地に頼むよ」
「懐かしいな。分かった。すぐに持って行く」と電話を切ると、見つけたのをカメラの入ったアタッシュケースを開けてフィルムケースへ入れた。
他の研究員に説明すると車に乗って、シオーネからレスヴェゲスまで26時間走って基地と呼ぶ場所へ向かった。
マーガルは、大学を辞めてからは研究室を持たず個人で機材を集めてそこで研究をしていた。