━15章━
止めてあるヨットを掴む手が現れると、チカラを振り絞って登るとマルクは仰向けに倒れた。
「星だ、まるで島に戻ってきたみたいだな」と言うと眠った。
翌朝、ボルテックスが釣り竿を持って港へ来ると「人? なっ、何でこんな所に━━━。んっ、まさか?」とヨットに飛び移った。
「髪は緑黒く、体は冷たくないな」とまぶたを開けると「白じゃなく、オレと同じ銀の瞳だ」って事は、「こいつか━━━」と座った。
(弱そうだけど大丈夫なのか・・・・・・)
「んっ、あぁ、眩しい。あっ、うぁっ」とゆっくり起きると顔が見えて慌てて立ち上がりヨットが揺れると、慌てたボルテックスがマルクの手を掴むと2人とも海へと落ちた。
「たっ、助けて、ぐぅれっ」と溺れてるボルテックスの顎に腕を引っ掛けて頭を抱くように少し泳ぐと、投げられたロープを掴んだ。
男性が2人でボルテックス、マルクの順に船に上げた。
「お前、見かけない顔だが大丈夫かっ?」
「はい。ありがとうございます」
「おい、大丈夫かボルテックス?」ともう1人の男性は座らしたボルテックスの背中をさすっていた。
「あっはっ、はっ、はっ、ふぅ〜、ふぅ〜」と呼吸を整えると、「大丈夫です。ありがとう」と言うとマルクの顔を見た。
「良かった。大丈夫で」とマルクは笑みを浮かべた。
「良くねぇよっ、ヨットの上で急に立ち上がりやがって」
「ごめん」
「そんなに怒るなよ。助けてもらったんだし」
「そうだぞ、こいつが悪いかもしれないが助けてくれたのは間違いないんだ。怒るんだったら、また、海に落とすぞっ」
「やっ、辞めてくれよっ。もう怒らねぇから━━━。怒って悪かった」
「そんな、助けようとしてくれたんだから謝らないで良いよ」
「まぁ、とにかく良かったなっ。それで、お前、見ない顔だけど、何処から来たんだ?」
「ある島からボートで来てたんだけど、途中でウォールとスペクターに襲われてボートが壊れてしまい、泳いで来ました」
「何だって!? お前、何でウォールに襲われて助かった?」
「そいつオレが待ってた奴みたいで、同じチカラがあるみたいです」
「そういう事なら町に入ってもらっても大丈夫だな」
「そうですね。それじゃボルテックス、オレたちは漁に出かけるから後は頼んだぞ」
するとボルテックスは立ち上がり、板の上を歩いて岸へと渡った。
同じようにマルクも町に入ろうとすると、何かに跳ね返された。
「しまった。町に入れる許可を登録してなかった」
「許可? 登録?」
「カード持ってるか?」
「カード? 何も持ってません」
「しょうがない。総統に連絡して作ってもらうしかないな━━━」とカードを取り出しタッチをすると、「総統の秘書だが、どうした?」と声が聞こえた。
「総統が言ってた、同じチカラを持ったのが来たんだがカードが無くて町に入らないんだ。最悪な手段を使えば入れるけど、それはしたくないっ。だからすぐに持って来てくれ?」
「分かった。それで名前は?」
「そうだった。おい、お前、名前は?」
「マルクです」
「マルクだ」
「分かった、すぐに登録しよう。総統に到着した事は伝えておく。砂漠の方で待っていてくれ」
「分かった」と通信を切った。
「カードって何ですか? 何で町に入れないんですか?」
「町や人をウォールから守るために、キューブと言うシステムを使ってる」
「キューブ?」
「オレたちが使うシールドみたいなチカラで、ウォールや無登録侵入者から町を守ってるんだ」
「そんな物があるんだ」
「だから町に入る為には、カードが必要なのさ。カードがあればどこの町にも入れるし、さっきみたいに連絡を取ることもできる」
漁師の1人が「漁で生活してる町は、海も決められた範囲までキューブのチカラがあって安全に漁ができるのさ」と笑み浮かべると褐色の肌に白い歯が見えた。
もう1人が「ちょっと危険だが、海から砂漠に入れる場所まで連れて行ってやるよ。まあ、2人ともスペクターなら安全だ。それじゃ乗れ」と言うと、ボルテックスが「ちょっと待っていてくれ」と家へ走った。
しばらくして戻ってくるとリュックを持って来た。
「水は必要だろ」と船に乗ると出発した。




