表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/49

デートの後

 完全に陽の落ちた公園で、俺と葵はベンチに腰掛け、二人共会話をすることはなく、ただ黙っていた。

 葵のことが好きだ。この公園で葵にこの思いを伝えようと思っていた。

 参ったな、ここまで緊張して、怖いものだとは。

 ゲームならかっこよく思いを伝えるのだろうが、ここはゲームでは無い。

 主人公とか呼ばれても、ゲームの世界では無い世界の主人公もどきが、今は緊張で爆発しそうになっている。

 何が主人公だよ、女の子一人にも告白できない主人公がいてたまるかよ。

 俺が色々と考えている間も、葵は黙って待ってくれている。

 この気持ちを伝えなければ、葵とのハッピーエンド(老後)をむかえたい。

 さすがに、結婚はまだ早いか、でもいずれは。

「ねえ、純平くん」

 葵に声をかけられて、思考が停止する。

「見てよ、綺麗な星空だよ」

「そうだな」

 心臓がものすごく早く、手足の先がしびれる感覚がする。

「なあ、葵」

「どうしたの?」

「今日は楽しかった。一緒に来てくれてありがと」

 伝えたいのはそんな事か?俺はそんな事を伝えるためにここに来たのか?

 俺がほんとに伝えたい事、勇気を出し言わなければ。

「それで、俺さ、お前の事が…お前の事が好きなんだ!俺と付き合ってくれ」

 閑散とした住宅街の一角にある公園で、そこ一帯に聞こえるような大きな声で、葵に気持ちを伝える。

「えっ!?」

 遂に言ってしまった。

「俺はお前がすきなんだ。俺と付き合ってください!」

「ありがとう、純平くん。でも、私でいいの?」

「俺はお前がいい。葵じゃなきゃ嫌なんだ」

「ありがとう純平くん」

 葵は涙を流しながら、今までで一番の笑顔で。

「私も好きだよ。純平くん、大好き」

 答えを聞いて喜ぶ前に、俺の唇は葵の唇で塞がれた。

 こうして、モブになろうとしていた俺の世界は完全に崩壊した。

 これからは、この世界で主人公とヒロイン、二人で歩む事になる。


 葵が彼女になり、家に帰った。

「お兄ちゃん、一人でニヤニヤして気持ち悪いよ」

 葵が彼女になって、それが嬉しくて、家に帰ってもつい顔が綻んでしまう。

 それを、桃華に指摘された。

「そうか、悪いな」

「何かいい事でもあったの?」

「まあな」

 いい事しかなかった。今は最高にハイってやつだ。

「葵さんと付き合うことになったの?」

「ブフッ!」

 盛大にお茶を吹き出してしまった。

「うわぁー、お兄ちゃん何やってるの。ほら、早く机を拭いて」

 慌ててタオルを渡してくる。渡されたタオルで、被害が拡大する前に、吹き出してしまったお茶を拭き取る。

「まあ、そんな予感はしてたよ」

 女子の本能は恐ろしいな、ここまで予測して当ててくるんだから。

「良かったね、お兄ちゃん」

 妙に恥ずかしくなって、顔をそらす。

「葵さんを泣かしたら、お兄ちゃんのご飯作ってあげないからね」

「任せろ。泣かすような事はしない」

「そこまでラブラブだと、少し羨ましいな」

 桃華に言ったように、葵を泣かせるような真似は、絶対にしたくない。

 桃華がキッチンに戻る。

 だめだ、今日の事を思い出すとにやけてしまう。

 だんだん、いい匂いが漂ってきた。

 俺の腹の虫も鳴き始めた頃に、桃華が料理を終えた。


 晩御飯を食べ終えて、少し考えることがあった。

 そろそろ自炊しないと、いつまでも桃華に頼りっぱなしはいけないな。

 そう考えても、桃華に頼ってしまうダメな兄だ。

 桃華に料理を作ってもらってるので、お風呂掃除をしてきた。

 せっかくなので、桃華に一番風呂を譲ろう。

「桃華、風呂入れよ」

「お兄ちゃんが掃除してくれたし、入っていいよ」

「いやいや、たまには一番風呂でゆっくりして来いよ」

「いいの?」

「当たり前だろ、お風呂沸かしてるから入って来いよ」

「そこまで言うなら、たまにはお兄ちゃんに甘えようかな」

 桃華のために風呂掃除頑張ったのだ。

 いつも洗濯やら、料理やら、掃除やらを頑張ってくれてるので、これぐらいしか出来ないが、ゆっくりして欲しい。

「じゃあお風呂に入らせてもらうね」

「おう、ゆっくり温もってな」

「お兄ちゃん…」

「どうした?」

「覗かないでね」

「覗かねーよ!!」

 今日、俺と葵は付き合うことになりましたが、今日も我が家は平和です。


皆さま、おはこんばんにちは。まっさんです。

完全に個人的なことですが、1月31日にインテックス大阪で開催された、こみっくトレジャーに参戦してきました。

イベントや即売会などがあると一気にお金が消えますね(今月ピンチ)

でも、参加して色々と楽しんでるので、まっさんハッピーです。

そんな、幸せな気持ちの現在午前5時。

投稿は恐らく朝になるかと、5時は朝かな?

そろそろ、小説の内容を少し。

デートの終わりのところから始まりますが、こんな子はいない!

だからこその小説のヒロインかな?

長くなりましたが、今回もお楽しみください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ