ワールドクエスト:ちっぽけな希望
シュカさんが怖いといった意味が理解できた。
紙をあがめるためならば暴力すら厭わないアレはとてつもなく異常だともいえる。いいじゃないか。こういう展開は私が好きな展開だ。
男の子を安全な場所へ連れていくと、目を覚ました。
「あ、あれ? ここは?」
「やぁ、少年。大丈夫ですか?」
「あ、あなた方は?」
「旅人でーす」
少年が納得したように警戒を解く。
少年にこの町のことを聞いてみた。
「前までは普通だったんです。あの神父が現れてからというもの、みんなおかしいくらい変な神様を崇拝して……!」
「それでそれで?」
「最初は少し祈る程度だったんですけど、いつしかあの場所に集まって祈るようになって……。た、旅人さん、お願いです! みんなを元に戻してください!」
《ワールドクエスト:ちっぽけな希望 を受注しますか?》
「ワールドクエスト?」
「えっと、この世界にはストーリーっていうものがあって、そのストーリーを進行させるために必要なクエストだよ。ワールドクエストが追加されたって前に運営が言ってたんだ。これか」
「へぇ……。じゃあ受けます」
「本当ですか!? ありがとうございます……」
「とはいっても具体的に何をすればいいのですか?」
「それは……」
少年にもわからない、か。
こういうのは地道に模索していくことが大事だろう。
「じゃ、シュカさん。あの宗教団体に潜入します?」
「え、私が!?」
「役者ですし得意ですよね? それに私はさっき少年を助けたから顔が割れてる可能性も……。ね? お願いしますよ座長! 頼りにしてますよ!」
「しょうがないなぁ! 座長にどんと任せなさい!」
そういってシュカさんはあの宗教団体のほうへ向かっていった。
「結構ちょろいな……」
「大丈夫ですかねあのちょろさ」
二人して少しだけちょろいシュカさんを心配していた。
「それで私たちはどうします?」
「うーーーーーん……。シュカさんがあの団体から何かを見つけてこない限りは進まないんじゃないかなぁ。ここはこの町の周辺にいるモンスターを狩ってレベリングでもしてようか」
「そうですね」
谷に囲まれたこの町では陸上で生活するモンスターが少ないらしい。
ここまで来る道中でも、基本的に宙に浮いているモンスターしか見かけなかった。
「エスパースライム!」
「宙にスライムが浮いてますね……」
液状のモンスターが宙に浮いていた。
私は腕を竜に変化させ、スライムを攻撃してみる。が、周りの液体部分を攻撃するだけではあまりダメージが通らない。物理攻撃が半減されてるのだろうか。
スライムは何か衝撃波のようなものを私に飛ばしてきた。
衝撃波を受けてしまい、私は吹き飛ばされる。
「エスパースライムだから超能力といったところですかね。見えない攻撃は厄介ですね」
「でりゃあああああ! 聖女の一撃ぃいいいいいい!」
リゼロアさんの大剣がスライムを一刀両断。
スライムが倒れた。
「注意散漫な敵には当てやすいね! この調子でどんどんいこう!」




