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言の葉の家へようこそ ~異世界の言葉がわかる転生令嬢、各国を巡る~  作者: 菖蒲月
第一章 幼少期編 ー芽吹くことば ー

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31.報告会をします 【後半 Side ギルベルト】

主人公の自国語は「」、は外国語は<>で表記しています。


【 夕食後の報告会 ギルの執務室】


 今日は作業状況が違っていたので、食事もそれぞれで取っていたため、カルロ以外は朝の打ち合わせ以来の顔合わせですが、パオロ様が朝より草臥れてるのは何故なんでしょうか。


 ギル兄様とエル従兄様はいつも通りなので、普段あまり本気を出さないパオロ様には、1日書類に向き合う作業は苦痛だったのでしょうかね?


<さて、では本日の進捗状況について各パートごとに報告してくれ。まずはテキスト作りから。>


<はい!カルロがすっごく、がんばってくれたので、いまのじてんで、できるところまでは、おわっています。>


■布の絵本

 布で出来た知育絵本。発音しながら刺繍された文字の部分を指でなぞることで、読み書き発音の反復練習が出来る。関連するイラストがあることで、どういう意味を持つ言葉なのか連想して覚えられるので、知識の定着に繋がる。破損や汚れにも、その部分だけ作り直したり修正したり出来るので実用的だと思われる。


■紙の絵本

 紙で作成し、きちんと製本した知育絵本。内容は布の知育絵本と同じで、見込まれる効果も一緒だが、こちらはプロジェクトでの使用ではなく、貴族や富裕層向けに需要があるかもしれないと思っている。


■果物やパンの布小物

 市場で見かける果物やパンなどを布の小物として作成。『りんごが3個とイチゴが2個あります。果物は全部で何個でしょう。』など、初歩の計算を教えることが出来る。さらに、硬貨の玩具と合わせることでお使いの練習も可能。


■硬貨の玩具

 薄めの板を丸くくり貫いて塗装して作って貰ったお金の玩具。平民がよく使う『銅貨・銀貨』で作成。


 ここまでを、実際に小物などを使いながらデモンストレーションしたが、兄様達はこれは面白い!と自分達でも問題を作って遊んでいる。

(おーい、気に入って貰えたのは良いんだけど、問題点は無いのかね?)


楽しそうに小物や硬貨を組み合わせて遊んでいる兄様達を、カルロと二人で呆れた表情でみているが、あまり遅くなると私が眠くなってしまうので、そろそろ勘弁して貰いたい・・・。


<にいさまたち!なにかたりていない、ところはないですか?>


 そう声を掛けると、兄様達はハッとした表情をしてこちらを向いた。

そして、夢中で遊んでいる姿を見られて気まずかったのか、ギル兄様が咳払いをしながら


<んん!マリーナ、素晴らしい物を作ったね。これなら子供達も楽しく勉強出来そうだ。これらの教材についてどう量産するか考えているかい?>と聞いてきた。


 それについては少し考えていることがあって、布小物や布絵本に関しては裁縫や刺繍が得意な高齢者や、傷病者で家から出るのは難しいけど手作業には問題無い人など、そういった人達に内職的に依頼出来れば、少しでも収入になって家計の助けになるかもしれない。


 硬貨の玩具に関しては、アンカーの町に大工工房があるらしいので、そこの職人さんじゃなくて、見習いの練習として作って貰うのはどうかな?と思っている。


 今回の見本を作って貰うときにもお願いしたように、子供達が触れるものだから、丸くくり貫いて塗装するだけとはいえ、カット面が引っかからないようにヤスリがけして貰ったり、可能な限り丁寧な仕上げをお願いしたいんだよ。


 職人としては商品を作る上で、一定の品質を保つことは大事でしょう?

見習い大工が、丁寧な仕上げや同じ品質の物を量産するための練習にも良いんじゃないかな~と思って。

見習い大工の練習として作成して貰うなら、価格も抑えめで引き受けて貰えるかもしれないしね!


 てなことをギル兄様に話すと、それは素晴らしい考えだ!と即採用になり、明後日の孤児院での話し合いの後で、このまま量産する方向で動くのであれば、そのように手配しようと言ってくれた。


 紙の絵本に関しては、今回のプロジェクト向けの物では無いので、一旦保留にしておいて、お父様達の意見を聞きつつ進めていくことになった。


 他は問題無さそうなので、明後日の孤児院での話し合いまでは、私とカルロは無事に自由時間となりました~♪



 ちなみに、依頼カードのひな形については、もう出来ていました。


 フェレーリ侯爵家の商船で船員に聞いた話などを元に考えたみたいだけど、パーティーで話していた内容で大体はカバー出来ていたので完成は早かったみたい。


 元の案からフラン従姉様がさらにブラッシュアップしてくれて、見やすくて分かりやすい内容に整えてくれてて完璧です!(さすがフラン従姉様だわ♪)


 ヴォルフ兄様は、フラン従姉様が必要な資料を取りに行ったり、休憩用のお茶とお菓子を用意したりと、何やら甲斐甲斐しく動いていたみたい。


 うん、フラン従姉様も満更では無さそうだし、仲良く出来ているようで良かった良かった♪


 フラン従姉様とヴォルフ兄様も明日は1日空いたみたいで、ヴォルフ兄様の案内で船に乗せてあげる約束をしているらしい。


 ヴォルフ兄様頑張ったな~♪自分の得意なテリトリーで勝負するとは、なかなかやりますな!


 これは、余計な邪魔が入らないように、ギル兄様とお父様にもお願いしておかないとね。

エル従兄様とか、クリス伯父様が邪魔するかもしれないもの。


 兄様達の予算案も現状までの物は予備費も含めて立案済で、明日は当主達が対応中の件の手伝いに回るみたい。(当面の教材の件は予備費で対応出来るって!)


 次期当主としての経験の一環って事みたいだけど、貴族の嫡男も大変だよね。


 時間が空いても遊んで居られないんだから、パオロ様が明日も遊べないと知って絶望の表情をしているのをみると、少し申し訳ない気もするけど、明日はカルロと遊びたいし・・・ちょっとだけ目を瞑らせていただきます!まだ3歳と5歳なので許してね♪


 さーて、明日はカルロと何して遊ぼうかな~♪



◇◇◇


【マリーナとカルロが寝た後 Side ギルベルト】


布の小物達と木の硬貨を組み合わせて遊んでいたエル従兄が、


「ギル、これは画期的なアイディアだね。実際に果物やお金を用意する必要も無いし、口頭だけで説明しても分かりにくい部分を、視覚的にも物理的にも満たして、分かりやすく説明する事が出来ると思うよ。そして、この紙の絵本。貴族は学園に入る前の教育を、自宅で家庭教師と行っているが、その教材として欲しがる者は多いかもしれないな。初期教育用の教材としての価値は計り知れないよ。バイエルン商会での商品化も考えておいた方が良いかもしれないよ。」と、真剣な表情で言った。


「うんうん、これは面白い。俺が計算や文字を習ったときは分かりにくくて、覚えるの嫌だったけど、これがあったらもっと楽しく覚えられたと思うぞ!」


 おや、エル従兄だけじゃなく、勉強嫌いのヴォルフまでがそういうなら間違いないだろうね。

ヴォルフは出来ない訳じゃ無いけど、ジッと座っているのが苦手だから、どうしても勉強が好きになれないだけなんだよね。


 最近は、フランのために色々と頑張ってるみたいだし、元々お祖父様の後継者として、海の治安を守るために身体を鍛えていたけれど、勉強にも力が入れば、我が弟ながら相当いい男に成長するだろうね。


 エル従兄には悪いけど、ヴォルフの兄としては唯々喜ばしいよ。

フランを安心して嫁に出して貰えるように、兄として頑張りますかね♪


「そうだね。うちの商会で商品化出来るように父様と相談するよ。紙の絵本は、貴族や富裕層向けになるだろうし、マリーナもこのプロジェクトの資金源として考えているんじゃないかな。平民向けの布の絵本や小物、木の硬貨に関しては、明後日の孤児院での話し合いの時の意見なども参考にしたいから、それから動くことになるかな。フランは何かある?」


 興味深そうに教材を見ていたフランだが、何か考え込んでいる様子もあったので聞いて見る。


「いいえ、前に孤児院の子達に文字や計算を教えたことがあるから、その時にこれがあればもっと分かりやすく教えてあげられたと思って。・・・で、でも私の教え方が悪かった訳じゃないのよ!その時はこんな教材なんて無かったんだもの、仕方ないわ。早く商品化しなさいよね!」


 うん、前半は考えに入り込んでいたから、かなり素に近い状態で話していたけど、後半はそれに気付いて恥ずかしくなったんだな。ツンが出てる。


 普段の言葉はかなり柔らかくなっているけど、まだ恥ずかしさが勝るとツンが出ちゃうみたいだ[苦笑]

でも、フランの性格をちゃんと理解していると、受ける印象が以前とはこうも違うとは・・・。


 ヴォルフはニコニコと見守っているし、エル従兄とパオロも「うんうん、分かってるよ。」と生温かく見守っている様子を見ると、マリーナが言っていた相互理解の大切さがよく分かるな。


 同じ言葉を話していてもすれ違うことがあるのに、言葉や文化が違えばそれがもっと大きくなる。

お互いを理解しようとする努力を忘れてはいけないんだと、フランの件でもプロジェクトの件でも教えて貰った。


 この国で唯一の貿易港を有する領地の領主家嫡男として、そしてマリーナとヴォルフの兄としても、一層の努力をしていこうと改めて誓った夜となった。


最後まで読んでいただきありがとうございます(ღ˘⌣˘ღ)

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