第1話 俺だけの逃げ場所
いいなって思ったらお付き合いください
冒険より、拠点を作るほうが好きだ。
サンドボックス系のゲームを始めても、俺はろくに遠出をしない。
まずは防壁。次に倉庫。作業台や収納箱を並べ、素材を運ぶ距離が最短になるよう動線を整える。敵に襲われず、必要なものが手の届く範囲にそろった安全な拠点。
それを少しずつ完成させていく時間が、何より楽しかった。
それと、まあ――エロゲも好きだった。
ただ遊ぶだけではなく、好みのキャラクターや設定について考え始めると妙に細かくなる。髪型や衣装はもちろん、性格と過去の整合性まで気にする。
自分でも、そこまでこだわってどうするのかとは思う。
だが、好きなものなのだから仕方がない。
興味があることにはいくらでも時間を使える反面、興味のないことには驚くほど集中できない。
だから今も、大学の講義を聞き流しながら、頭の中では昨夜作りかけた地下倉庫の改修計画を練っていた。
「入口を二重にして……いや、先に通路を広げるべきか」
俺――黒瀬夜斗は、ノートの隅に簡単な見取り図を描いた。
黒板では教授が何かを説明している。
教室には俺と同じ講義を受けている成人学生たちが何十人もいるが、真面目に聞いている者は半分くらいだ。居眠りしている者もいれば、机の下でスマートフォンを触っている者もいる。
俺も人のことはいえない。
ただし、俺は遊んでいるのではない。
より安全かつ効率的な拠点を実現するための、とても合理的な思考をしている。
……講義中にする必要があるかは別として。
「帰ったら続きを――」
そこまで呟いたところで、教室の照明が消えた。
「停電?」
誰かが顔を上げる。
直後、机の下から青白い光があふれ出した。
床に刻まれた無数の線が、巨大な円を描いている。見たことのない文字と複雑な模様が重なり、教室全体を包み込んでいた。
「何これ!」
「撮影か?」
「出口! 早く出ろ!」
一斉に椅子が鳴った。
学生たちが立ち上がり、出入口へ殺到しようとする。
俺も逃げるべきだと思った。
思ったのだが、身体が動かない。
危険な状況に遭遇したとき、人は戦うか逃げるかを選ぶという。
どうやら俺には、硬直するという第三の選択肢があるらしい。
床から噴き上がった光が視界を埋め尽くす。
「ちょ、待っ――」
何を待ってほしかったのか、自分でも分からない。
次の瞬間、教室も、教授も、俺の描いた拠点の見取り図も、すべて光の中へ消えた。
◇
「痛っ……」
背中に硬い感触があった。
目を開けると、見知らぬ青空が広がっていた。
身体を起こす。
下にあるのは教室の床ではない。石の混じった地面だ。周囲には背の高い草が生え、その向こうには深い森が広がっている。
見上げるほど巨大な木々。
遠い空を横切る、妙に大きな鳥の影。
どこを見ても、大学の敷地には見えなかった。
「どこだよ、ここ……」
「圏外なんだけど!」
「先生、どうなってるんですか!」
「全員いるのか? まず人数を確認しろ!」
周囲では、同じ教室にいた学生たちが混乱していた。教授の姿もある。
集団で何かの撮影場所へ運ばれた、という可能性はない。
そんなことをする時間はなかったし、何よりさっきの光を説明できない。
俺もスマートフォンを取り出してみた。
電波はない。
時刻表示まで止まっている。
「まさか……異世界転移?」
呟いてから、少し恥ずかしくなる。
いくらなんでも発想がオタクすぎる。
しかし、光る床。消えた教室。見知らぬ草原と森。
ほかにどう説明しろというのか。
そのとき、目の前に半透明の文字が浮かんだ。
『異世界への転移が完了しました』
「うわっ!」
反射的に手で払う。
指は文字をすり抜けた。
周囲からも驚きの声が上がっている。どうやら、全員の前に同じような表示が現れているらしい。
『転移者へ固有スキルを付与します』
固有スキル。
その単語に、俺の心がほんの少しだけ反応した。
異世界。
固有スキル。
選ばれた者だけが持つ特別な力。
正直にいえば、嫌いではない。
いや、むしろかなり好きな響きだ。
もちろん表情には出さない。成人大学生にもなって目を輝かせるのは、さすがに少し恥ずかしい。
だが、こういうものには胸が躍る。
光の粒が集まり、俺の前で新しい文字を形作った。
『固有スキル《淫獄の王》Lv.1を取得しました』
「…………」
俺は黙って表示を見つめた。
読み間違いかもしれない。
一度目を閉じ、ゆっくり開く。
『固有スキル《淫獄の王》Lv.1』
間違いではなかった。
「淫獄の王……?」
声に出すと、字面がさらにひどい。
王。
その部分だけなら、ちょっと格好いい。
自分だけの領域を支配する孤高の王。そう考えれば、かなり中二心をくすぐられる。
しかし、その前についている二文字がすべてを台無しにしていた。
なぜ淫獄なのか。
魔王とか冥王とか、もっと人前で名乗りやすい選択肢があっただろう。
「エロゲ好きな俺でも、さすがにこれはどうなんだ……」
誰かに固有スキルを聞かれたら、どう答えればいい。
《剣聖》です。
《治癒術師》です。
《淫獄の王》です。
最後だけ、大学へ戻ったあと事情聴取されそうな雰囲気がある。
周囲では「強化」や「鑑定」といった言葉が聞こえてくる。詳しい内容までは分からないが、少なくとも俺のものより社会的信用がありそうだった。
頭を抱えたくなる。
だが、《淫獄の王》という文字へ意識を向けると、説明というより感覚に近い何かが流れ込んできた。
独立異空間――《淫獄》。
外界から切り離された、俺だけの領域。
俺はその空間の王であり、内部では強い権限を持つ。
「名前はアレだけど……能力そのものは、ちょっと格好よくないか?」
誰にも聞こえないよう、小声で呟く。
独立異空間。
自分だけの領域。
つまり、秘密基地だ。
そう思った瞬間、恥ずかしさより興味が勝った。
周囲の学生たちは、今後どうするかを話し合い始めている。
だが、そもそもここが安全なのかも分からない。危険が迫ってから能力の使い方が分かりませんでは遅い。
先に確認しておくのが合理的というものだ。
決して、秘密基地という言葉に我慢できなくなったわけではない。
俺は《淫獄》へ入ることを意識した。
次の瞬間、足元の感触が消えた。
◇
「お、おお……」
見知らぬ空間に立っていた。
灰色の床。
灰色の壁。
窓はなく、家具もない。
食料も水も見当たらない。
広さは大学の教室より少し狭い程度で、王の居城と呼ぶにはかなり物足りなかった。
「独立異空間と聞いて、ちょっと城を期待したんだけどな」
返事はない。
声がわずかに響くだけだ。
初期拠点なのだから、こんなものかもしれない。ゲームでも、最初から豪華な城が与えられることは少ない。
何もないからこそ、自分で造る楽しみがある。
そう考えると、灰色の壁まで魅力的に見えてきた。
ここは狭い。
暗い。
生活に必要なものもない。
それでも、不思議と不安はなかった。
この空間に俺を害するものはいない。
どこまでが自分の領域なのか。室内のどこに何があるのか。目で確かめなくても、手足の位置を知るように理解できる。
そして、ここでは俺の意思が何よりも強い。
理屈ではなく確信できた。
「少し明るくできるか?」
俺が望むと、空間を満たしていた薄闇が和らいだ。
光源は見当たらない。それでも室内全体が、目に優しい明るさへ変わっている。
「本当に俺の言うことを聞いた……」
胸の奥がくすぐったくなる。
俺は誰かの上に立ちたいわけではない。
だが、自分だけの領域を思いどおりにできるというのは、かなり楽しい。
外には何がいるか分からない。
この世界の常識も知らない。
それでも、ここへ戻ればいい。
誰にも邪魔されない、安全な自分専用の拠点。
危険なことが嫌いで、できることなら部屋から出ずに暮らしたい俺にとって、これ以上相性のいい能力があるだろうか。
「ここに引きこもれば勝ちでは?」
本気でそう思った。
異世界を冒険して名を上げる必要などない。
命懸けで魔物と戦う必要もない。
勇敢な学生がほかにいるなら、活躍はその人たちに任せよう。
俺はここを整える。
まずは寝床。次に収納。作業場所も必要だ。
部屋を拡張できるなら、生活空間と倉庫は分けたい。入口から収納までの動線も考えなければならない。
趣味の部屋も欲しい。
できれば鍵つきで。
防音もしっかりしているとなおいい。
夢が広がる。
ここなら誰の目も気にせず、好きなものに囲まれて暮らせる。
俺が理想の拠点について考えていると、腹が鳴った。
「…………」
そういえば、転移したのは昼食前だった。
ポケットを探る。
スマートフォン。財布。学生証。自宅の鍵。
食べ物は、講義前に買った小さな菓子が一つだけ。
飲み物はない。
改めて室内を見る。
灰色の床。
灰色の壁。
家具なし。
食料なし。
水なし。
「詰んでるじゃないか」
安全ではある。
ただし、安全な場所にいれば腹が満たされるわけではない。
このまま引きこもれば、敵に襲われる心配はないだろう。
その代わり、数日後には飢える。
ずいぶん安全な死に方である。
「食料と水だけ確保しよう」
それが済んだら、今度こそ引きこもる。
俺はそう決め、《淫獄》の外へ戻った。
◇
外へ戻ると、学生たちはまだ草原にいた。
話し合いはまとまっていないらしい。
森へ入って食料を探すべきだという者もいれば、この場を動くべきではないと主張する者もいる。教授たちは学生を落ち着かせようとしていた。
集団と一緒にいたほうが安全かもしれない。
だが、《淫獄の王》について質問されるのは困る。
あの名称を人前で発表できるほど、俺の精神は強くなかった。
それに、危なくなったらすぐ《淫獄》へ逃げ込める。
そう判断し、俺は集団から離れすぎない範囲で周囲を調べ始めた。
十分ほどで、自分の判断を後悔した。
「疲れた……」
少し歩いただけなのに息が上がっている。
地面は柔らかく、背の高い草に何度も足を取られた。低い斜面を一つ登っただけで、太ももが震えている。
転移の影響で身体能力も強化されているのでは、と少し期待していた。
現実は逆だ。
身体が妙に重い。日本にいた頃より調子が悪い気さえする。
試しに落ちていた枝を拾い、剣のつもりで振ってみた。
一回。
二回。
三回。
「腕が痛い」
三振で終了した。
これでは剣士どころか、素振りを始めて三十秒で飽きる子供である。
《淫獄》の中では、自分が世界の中心になったような力を感じた。
だが、一歩外へ出ればこの有様だ。
内部では王。
外では凡人以下。
落差が激しすぎる。
森の奥から、低い獣の声が聞こえた。
俺は枝を投げ捨てた。
戦うためではない。
両手を空けて、一秒でも早く逃げるためだ。
「無理無理無理。絶対に無理」
何が鳴いたのか確かめる気はない。
好奇心より生存を優先する。これも合理的判断だ。
今すぐ《淫獄》へ戻りたい。
しかし、手元にある食料は小さな菓子一つ。水すら確保できていない。
「食料と水を見つけるまでだ。それが済んだら、今度こそ絶対に引きこもる」
誰に向けたわけでもない宣言をして、俺は慎重に歩き続けた。
もちろん、そう宣言した直後に予定外のことが起こるのが物語というものだ。
できれば俺は、物語の主人公ではなく、安全な場所で暮らす背景人物でありたかった。
前方の茂みから、枝の折れる音が聞こえた。
足が止まる。
風ではない。
何かが近づいている。
俺は《淫獄》へ逃げ込む準備をした。
戦うという選択肢は、最初から存在しない。
茂みが大きく揺れた。
「――っ!」
そこから飛び出してきたのは、獣ではなかった。
一人の女性だ。
長い髪は乱れ、服には土と泥がついている。俺と同じくらいか、少し上に見える成人女性だった。
彼女は何度も後ろを振り返りながら、必死に走っていた。
いや、走ろうとしていた。
足取りはふらつき、呼吸も荒い。腕には新旧いくつもの痣があり、手首には長く何かで締めつけられていたような跡が残っている。
女性は俺の姿に気づき、怯えた顔で立ち止まった。
「あなた……誰?」
言葉が分かる。
理由を考える余裕はなかった。
「俺は、その……怪しい者じゃない」
言った瞬間に後悔した。
怪しい者は、だいたいそう言う。
案の定、女性の警戒は消えなかった。
「追ってきた人たちの仲間?」
「違う。俺も、ついさっきここに来たばかりで……」
説明しかけたところで、遠くから複数の声が聞こえた。
何を叫んでいるのかまでは分からない。
だが、女性の顔から血の気が引いた。
「お願い。私を見なかったことにして」
彼女は震える声で言った。
「すぐに離れるから。あなたには迷惑をかけない。だから……」
それだけ告げ、再び走ろうとする。
しかし、一歩目で膝が崩れた。
俺は反射的に手を伸ばした。
格好よく支えられればよかったのだが、凡人以下の身体能力ではそうもいかない。彼女の重さを受け止めきれず、一緒に地面へ座り込んだ。
「痛っ……だ、大丈夫か?」
「離して……追いつかれる」
「追われてるのか」
見れば分かることを聞いてしまった。
女性は一瞬黙ったあと、傷ついた腕を抱いた。
「逃げてきたの。あそこに戻ったら、また……」
言葉は最後まで続かなかった。
無理に聞く必要はないと思った。
震える肩と手首の跡だけで、彼女がどんな扱いを受けてきたのか、その一端は伝わってくる。
遠くの声が近づいていた。
俺の心臓が激しく鳴り始める。
戦うのは無理だ。
追ってくる相手が何人いるのかも分からない。武器を持っている可能性だってある。
そもそも俺は、枝を三回振っただけで腕が疲れる男である。
彼女を背にかばい、敵の前へ立ちはだかる。
そんな英雄的な行動ができるはずもない。
逃げるしかない。
俺には逃げ場所がある。
ただ、《淫獄》へ入れるのは俺だけ――。
そう考えかけて、違和感を覚えた。
本当にそうなのか?
《淫獄》は俺の領域だ。
俺はあの空間の王である。
誰を入れるのか決める権限も、俺にあるのではないか。
「名前は?」
女性が困惑した顔を上げる。
「え……?」
「君の名前」
「ファステ。ファステ・フェルン」
ファステ・フェルン。
俺はその名を覚え、彼女へ手を差し出した。
「ファステ。俺と一緒に来るか?」
「どこへ?」
「安全な場所――だと思う」
断言する自信はなかった。
俺自身、この世界へ来たばかりだ。《淫獄》についても、まだほとんど分かっていない。
それでも、外から切り離されているあの場所なら、少なくとも今ここで追いつかれることはない。
「俺は戦えない」
正直に言った。
「強くない。たぶん、君が思っているよりずっと弱い。追ってくる相手を倒すとか、そういう格好いいことはできない」
自分で口にすると、少し情けない。
だが、できないことをできると言っても仕方がない。
「でも、逃げる場所ならある」
近づく声に急かされながら、俺は続ける。
「一緒に来るかどうかは、君が決めてくれ」
ファステは俺を見つめた。
警戒と迷いに揺れる瞳。
当然だ。
会ったばかりの男から安全な場所へ来いと言われて、簡単に信用できるはずがない。
それでも、俺に差し出せるものは、この手と逃げ場所だけだった。
ファステは唇を噛んだ。
やがて、震える手を伸ばし、俺の手を握る。
「……行く」
「分かった」
俺は息を吸った。
自分以外の誰かを《淫獄》へ入れたい。
ファステ・フェルンを受け入れる。
強く、そう念じた。
身体が沈むような感覚。
森も、草原も、近づいてくる声も、一瞬で遠ざかった。
◇
俺たちは灰色の空間に立っていた。
ファステは目を見開き、何もない室内を見回している。
「ここは……?」
「《淫獄》」
答えてから、俺は固まった。
初対面の成人女性を《淫獄》へ連れ込んだ男。
字面がひどすぎる。
「待ってくれ。俺がつけた名前じゃない」
「いん、ごく……?」
「そういう反応になるよな。分かる。俺も初めて見たときは同じだった」
もっとほかにあっただろう。
安息所。
避難所。
秘密基地。
独立領域。
どうしてよりによって《淫獄》なのか。
しかも俺は、その王である。
「本当に変な意味じゃないからな。俺がつけた名前じゃない。それだけは信じてくれ」
何を弁解しているのだろう。
余計に怪しくなっている気がする。
ファステはしばらく呆然としていた。
やがて、ほんの少しだけ口元を緩めた。
「変な人」
「自覚はある」
少なくとも、俺の固有スキルはかなり変だ。
ファステの笑みはすぐに消えた。
けれど、怯え以外の表情を初めて見られたことに、俺は少しだけ安心した。
「ここには、ほかに誰かいるの?」
「いや。俺だけだ」
答えてから、言い直す。
「今までは、俺だけだった」
ここには寝床もない。
食料も、水もない。
安全ではあっても、暮らしやすい場所とは到底いえなかった。
俺一人なら、床に寝転がってから今後を考えていたかもしれない。
だが、今はファステがいる。
傷つき、疲れ切り、それでも逃げることを諦めなかった一人の女性がいる。
俺だけの都合で使う空間ではなくなった。
「何もないところだけど」
灰色の部屋を見回しながら、俺は言った。
「少なくとも、ここにいる間は追ってきた人たちには見つからない。だから、今は休んでいい」
ファステは答えなかった。
誰もいない部屋へ視線を巡らせ、最後に俺を見る。
「私がここにいてもいいの?」
その問いは、あまりにも静かだった。
許可を求めることに慣れすぎた声だった。
俺は王になりたかったわけではない。
誰かを従わせたいと思ったこともない。
ただ、安全な場所が欲しかった。
外の世界が怖くても、逃げ込める場所さえあればいいと思っていた。
それはきっと、俺だけではない。
「ああ」
俺はうなずいた。
「ここにいていい」
ファステは目を伏せた。
「……ありがとう」
短い言葉が、何もなかった空間へ静かに落ちた。
その直後だった。
『《淫獄》に最初の住民が登録されました』
目の前に半透明の文字が浮かぶ。
俺は目を瞬いた。
『条件達成を確認』
『《淫獄の王》Lv.1――機能の一部を解放します』
「今度は何だよ……」
表示はそれ以上、何も教えてくれなかった。
俺は警戒しながら文字を見つめる。
隣では、ファステが不思議そうに首をかしげていた。
灰色の床。
灰色の壁。
家具も、食料も、水さえもない小さな異空間。
少し前まで、ここは俺だけの逃げ場所だった。
だが今は、もう違う。
《淫獄》に最初の住民が生まれた。
俺だけの逃げ場所は、初めて誰かの居場所になった。
そして同時に、俺の知らない何かが、静かに動き始めていた。




