ざるそばはシンプルだから数えきれないほど種類がある
この作品は結局ノリでキーボードを叩いてできています。
(これは何の冗談だ)
戦車乗りであるランワダは、目の前の10歳くらいの少女を見て、これは何の冗談だと思った。
なんか最近ちょうすげー傭兵がいるんで、そいつに仕事の手伝い頼もーぜ。
そういう話だった。まあいつも通りのやつだ。
そしたら幼女が来た。
作業着の幼女だ。
艶が綺麗な青髪で、腰よりちょっと上くらいまで伸びてるちょっとふわふわと言うかもじゃもじゃと言うじゃもさもさと言うさ。ウェーブ?ほんのちょっとだけね。毛先がこう……ちょっとだけクルっとなってる感じの。
かわいらしい系なんだけど、顔立ちは綺麗で、明確に幼いのに美しくも見える。
美形の人形のような、触れ難い印象のある美幼女であった。
あとは、世にも珍しい金色の目。
金色って言うか、調べたら輝きの強いオリーブ色か、ひわちゃ色って感じの色ですね。
誰だ今の。
(こんな子どもが傭兵だと?)
ランワダはこんらんした。
自分より頭三つぶんくらい小さい子どもが、しかも女が、傭兵だって?
そりゃあ大体の人が混乱するだろう。
話が進まないのでランワダのことは置いておこう。
「ランワダ!
おま何ぼーっとしてんだ?」
別の男がやってきた。
肌が茶色系の黒のおっさんだ。
ランワダが再起動した。
「……こいつが例の傭兵らしいんだが、事実か?」
別の男はランワダの前にいる美幼女を見た。
「は?」
話が進まない。
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傭兵番号と、顔認証と個人登録遺伝子情報が通ったので、本人ということになった。
この辺りは都市の外縁部に近く、大体の男は資源となる敵性機械体の討伐によって生計を立てている、言わば戦士だ。
女戦士もいるにはいるが、まあまあ珍しい。
男は外で働き、女は街で仕事をするのが定例だ。
別に男尊女卑というわけではなく、効率的だからにすぎない。割とそんなところに文句を言ってる余裕もない。
そういう意味で文句を言うべきところは、リギーが「私を使ってください」と首を差し出してこないこと、に対してであろう。
というわけで、男たちは仕事の準備に入った。
女戦士はここにはと言うかランワダたちのチームにはいない。
10チームに1チームの割合で1人所属してるかどうかくらいの希少さなのだ。
ランワダたちがモテないわけでは決してない。
で、依頼した傭兵が来たわけだが。
なんとも美しい幼女ではないか。
この子このままうちのチームに入ってくれんかな?雑用とかで。
こんな子どもじゃ、どうせまともに戦えないだろうし。
「ランワダ、あん子ども本当あてなるのかよ?」
「俺に聞くなよジューウガン。
最近成果を出してる傭兵を……ってのはリーダーの指示だったんだからさ。
あんな小さい子どもとは思ってなかったんだ」
「大丈夫それ?」
「俺に聞くなよ。
けど最悪、荷物持ちでも十分だろ?
例えばヘマして死んだとしても、俺たちに責任はないんだ」
「そりゃあ……
……あの子死んだらもったいなさすぎんだが?さすがに。
死なせるくらいなん俺欲しいよ」
「お前が守ってやればいいじゃないか。
株も上がるだろう」
「いい案だ。それとてもいい」
ジューウガンは言葉が不自由なのではなく、面倒くさがりなだけだ。
絶賛彼女募集中の良い奴だ。
良い奴……フラグかな?
そんなん駄弁ってたら別の男が呼びに来た。
「ランワダ!ジューウガン!準備ができた!」
「今行く!」
「かっちょいいとこ見せたるぜ!」
男たちが自分たちの乗機を見る。
戦車だ。
この辺りのリギーは大型で背が高く、なかなか防御寄りなため、人型兵器ではあっさり見つかって接近戦になることが多い。
そうなると、機動力を武器にするHTではどうしても乱戦になり、チームで戦うには都合が悪いのだ。
観測情報からの精密一斉射撃のほうが確実性が高く、反撃も受けにくい。
そうした戦い方には、安定性が高く火力もある、戦車が最適解なのだ。
傭兵に出した依頼にも、機体の高さ制限を課してある。
その制限はわずか4メートルで、HTでは到底なし得ない、それこそパワードスーツの域になるサイズとなる。
だが、必ずしもHTが除外されるわけではない。
形状は戦車でありながら、分類はHT。そういう機体もあるのだ。
とても珍しいけど。
そんで、美幼女が乗り込んだそのとても珍しい機体は、ありていに言って戦車であった。
ただ、戦車とは色々な部分が色々と異なる。
まず、でかい。戦車に比較して1.5倍……2倍まではない程度にでかい。
そして分類はHTだ。HTとは人型兵器の略だ。
ヒューマンタンクの語源は、人型戦車を意味している。
これは人型兵器という概念がまだ戦車砲の的だった頃に、作業機械としての人型と、火砲を所持できる機械の両立を目指して作られたものだからだ。
その後、色々あって普及した。説明のターンはまた今度ね。
そんなHTを、一人で操縦できる戦車として組み立てたのが、今しがた美幼女が乗り込んだ機体である。
見た目は戦車だが、さっきも言ったようにでかい。
だが背丈は戦車よりも多少高い程度に抑えられている。
本来運転席と砲塔席がある戦車と違い、ど真ん中のコックピットブロックに全ての機能が内包されている。
HTの腰から下を無限軌道に変え、腕と頭を取っ払って胴体に大砲を付けた……
そういう感じの機体だ。
変形したりはしないんだ。
ランワダたちからすれば、最悪でも高さ制限をクリアしており、上に荷物を括り付けられれば文句はなかったが……
乗り手がああなのもあって、かなり不安はあった。
しかしまあ、やってみるしかないという結論に至ると、気合を入れ直した。
「総員、出るぞー!!」
チームリーダーからの号令に大声で返事をする。
それぞれの戦車が合計4台。HTを含めて5台。
きゅおぉーん、どるるん!って感じの音がして、エンジンが一斉にかかる。
最初が電池の電気で着火用レーザーが収束していく音。
次いで燃料が爆発してエンジンがかかった音。
ぎゃりぎゃりぎゃりと地面を削り、土煙を巻き上げて前進を開始する。
傭兵のHTも後に続いた。
問題はなさそうな雰囲気である。
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予定地点に到着した。
既に観測班は出ている。
情報が来るまでは待ちの一手だ。
ジューウガンは傭兵の幼女にひっきりなしに話しかけていたが、相手の反応はほとんどなかった。
「大丈夫かお嬢?
なんかあったら俺に言え?」
「はい」
「怖くなっても俺に言え?」
「はい」
「怖い?後ろで待ってていい」
「いいえ」
「遠慮しないでいいからな?」
「はい」
いや律儀に返事は来るのだが。
しかしまあ、声も綺麗なものである。
今のところ欠点がない。
愛想がまるで無いが、それを女の欠点とすることが男としての欠点だろう。
掃除が下手とか、洗濯ができないとか、仕事の面ではどうだろうとも思う。
ランワダが知っている女は街にいる女だけなので、傭兵稼業は女の仕事に入っていなかった。
ジューウガンがべらべら喋っている間に、情報が来た。
別に不真面目な奴ではない。ジューウガンもすぐに呼応する。
相手は30メートル級。大物だ。
位置変更は不要。弱点とされる個所は露呈しており、一斉射撃によって撃破が可能と推測。
既存の4台だけで攻撃。傭兵の攻撃は禁ずる。
そう指示があった。
「お嬢は攻撃させないか?」
「そういう指示だな」
「じゃーなんで呼んだんだ?」
「俺に聞くなよ」
「ランワダが選んだろ?」
「出る前に言っただろ。リーダーからの指示だったんだ。
呼んだ意図までは知らんさ」
「む。そうか……」
「斉射情報入力」
「問題なしぜ」
操作の自動化により、リーダー機から飛んできた情報がそのまま入力され、所定の時刻、指定の方角に砲は発射される。
こういう場合は乗員のやることがないのだが、それも仕事の内である。
何かしらしくじって乱戦にでもなったら、死ぬほど忙しくなるのだから。
「あと10秒」
大体緊張する。
コンピュータ制御のため自分たちが失敗する要素はないが、上手く行かなかった時のための準備はしておく必要がある。
何かあればすぐに手動操作に変えるのだ。
「5秒。
…4」
不安な要素があるわけでもない。
気分もいつも通りだ。
傭兵が何かやらかす雰囲気もない。
「3……2……1……」
ばほん!
と音と共に車体が大きく後ろに傾き、そして戻って前傾する。
威力を高めた戦車砲の反動は凄まじいが、この威力を維持したまま高い精度を持っている。
射撃はデータ通りに実行されたという報告がコンソールに出ており、ランワダは手動操作に切り替えた。
そしてリーダーからの通信が来る。
「状況報告!」
「こちら4号車、異常なし」
「ないぜ」
「よーし!観測班からの戦果報告を待つ!」
さて、今回の獲物はこれとあと2匹だが……
特に問題もなく終わりそうで何より。
いつも通りだ。
ランワダは気楽に構えた。
「こちら観測班。
目標の沈黙を確認した。
ただ、複数の小型リギーに感付かれた模様。そっちに向かっている」
「なん……めんどっちーなあ」
ジューウガンがぼやいた。
ランワダも口には出さなかったが面倒だった。
戦士としては無論、戦うことに異議はないが、小型の目標は金にならないのだ。
混ざり物の多い鉄や炭素でできているため、資源としても旨味がない。
旨味がない割に動きは素早く、戦車の相手としては厄介な部類に入るのだ。
とは言え、あれを近付かれる前に倒すのも仕事である。
ランワダもジューウガンもそれは重々承知しているので、文句を垂れつつ戦闘の準備をする。
観測班がいても、小刻みに動いている目標をどうこうすることはできない。
センサーかレーダーで捉えるか、目視で照準を合わせて撃破するかの二択だ。
何らかの妨害や異常でも無い限り、後者になることは滅多にないので、それほどの緊張感もないわけだが。
「全車へ。小型目標はこちらを認識している模様。
これより迎撃に移る。
なお傭兵機はそのまま待機しろ」
「了解」
リーダーからの指示が来た。幼女も澄んだ声で返事をした。
小型リギーは多少なり厄介ではあったが、それよりも問題は幼女への指示だ。
ランワダは疑問しか沸かない。
「マジで何のために呼んだんだ?」
「ランワダもわからんか?」
「わからん。このまま討伐が終わって、荷物持ちさせて、安くもない報酬を支払う?
……わからんに決まってるだろ」
「お嬢不満はなさそーだな?」
「はい」
「ひまだよな?」
「いいえ」
「我慢強いなお嬢」
何か仲良くなってない?こいつら……まあいいけどさ。
「よーし、微速前進!
ジューウガン、攻撃は頼むぜ」
「おう!」
その後、特にトラブルもなく……
討伐は終了した。
幼女は荷物持ちをしただけだった。
機体がでかいので沢山積めたが、輸送車両だってあるのだから、別に大した利点でもない。
ランワダは首を傾げ、ジューウガンは幼女にべらべら喋っていた。
--
「ええい!なぜわからんのだ!!」
討伐が済んでしばらく。
ランワダは整備員とあれやこれや話していた。
リーダーの大声が響き渡ったのだ。
元々大声で喋るタイプであったし、まあまあ怒りっぽいおっさんでもあったから、珍しいことではなかったが……
今回は、どこか怒るようなことがあったか?という意味では、何事かと疑問に思った。
「この街には資源もたんまりある!
女の仕事も沢山ある!
お前のような子どもに女戦士など務まるものか!ここに住むのがお前のためだ!!」
ランワダが現場に着いた時、周囲も人でごった返していた。
女衆もおり、野次馬が半分、真剣に何か心配そうな雰囲気なのが半分といったところだ。
そして騒動の真ん中にはリーダーと、その後ろに複数人の女衆。対面には傭兵の幼女がいた。
「リーダー、何事だ?」
ランワダは厄介事の雰囲気を感じ取りながらも、リーダーに声をかけた。
ランワダは4号車、つまりは隊での最後尾なのだが、現リーダーとの付き合いは最も長い。
気心知れたとまでは言わないが、こういった騒ぎを収めること自体は多かった。
「ランワダか。
なに、この子どもを説得していたのだが、あまりにもわがままでな」
「説得とは?」
「今回の討伐で、こいつは何もできなかっただろう。
女衆も、こんな子どもが女戦士をやることには反対している。
この街には資源もあり、子どもであってもできる仕事も沢山ある。
だからここに住めば良いと言ったのだ」
なんだそりゃ、とランワダは言いかけた。
言ってしまっても良かったかもしれないが、タイミングを逸した。
何もできなかったなどと評しているのはおかしい。そもそもリーダーの指示で何もさせなかったのだ。
それは指揮下についている以上、当然のことだ。リーダーもわかっているはずだが。
幼女のほうを見た。
幼女もランワダのほうを見て、首を横に振った。
お断りしたらしい。
ランワダはリーダーに向き直る。
「リーダー。女衆も。
彼女は自立している傭兵だ。彼女のことは彼女自身が決めればいい」
「ランワダ。それは間違いだ。
こんな幼い子どもが大して戦えもせず、どこともわからぬ場所で死ぬのを見過ごす大人などいない」
「だが彼女は断ったのだろう」
「幼い子どもが道理をわからないのはよくあることだ」
「それは俺たちの都合じゃないのか、リーダー。
どう転んだって、俺たちに彼女の人生を決める権利はない」
「傭兵という誰にでもなれる職から救い上げ、保護しようという話なのだ。
反対するとは何事だ?ランワダ」
子どもを守ろうとしている。
それらの言い分は正しいことだ。
「だが彼女は自分の意志で傭兵になっている」
「そうするしかなかったのだろう。
見ろ、この子どもを!笑いもしなければ戸惑いもしない!
歪んだ環境で育った証拠だ!!」
リーダーと女衆は止まらない。
「そうよ!危ないことしないで私たちのところに来なさい!!」
「女戦士なんて、あなたみたいな子どもがやることじゃないのよ!」
「わかってちょうだい、あなたのためなのよ!!」
ランワダはうんざりした。
見れば幼女もランワダと同じ表情をしていた。
そりゃあ言い分は正しいが、かと言って望まないことを押し付けるのは間違いだろう。
幼女は首を振って拒否し続けている。
ただ、懸念もある。大人には力があるのだ。
言葉で負ければ力に訴える。大人には往々にしてそういう人物がいる。
「子どものくせに生意気な。
もういい。エンダ」
「ええ。
さあこっちにおいでなさい。暖かい食事とお風呂を用意しているわ」
幼女の首を振る速度がアップした。
めっちゃ拒否するやん。
食事か風呂か単にエンダか知らんけど、勢いすごいやん。首大丈夫?
しかしエンダは優しそうに見えてキレやすい。
「あなたね!わがままばかり言っていると死んじゃうのよ!!」
案の定だ。
一発で目を吊り上げている。
しかし三段論法にしては飛ばし過ぎていないか。
「わがまま言うだけで死ぬわけねーだろ。
リーダー、諦めろ。どう見ても脈は無いぞ」
「ランワダ、貴様この子どもを見捨てる気か!」
「そういう話じゃないんだよリーダー。わからず屋はあんたらなんだ。
俺たちの勝手でこの子の決定を……」
「屁理屈ばかりを!お前はもういい!
エンダ、早く連れて行け!!」
エンダが実力行使に出る。
だがその手は幼女の目の前で、半透明の、淡い黄色の膜に阻まれた。
「え!?
な、なにこれは!?」
触っては阻まれ、エンダの手はその先に進めない。
ランワダには見覚えがあった。個人用の携帯バリアだ。
狙撃辺りまで止められると聞いたことがある。
こんなものを持ってるくらいなのだから、いい加減放っておけばいいと思うのだが。
話も進まなくなってきたし。
そうこうしていたら彼女がホロパネルを取り出した。
そこに出ているのは……報酬の請求だ。
3万ドルと書かれている。
これに強く反応したのは周囲の連中だった。
「さっ、3万!?」
「こんな子どもに3万だと!?」
「何もできなかったらしいじゃないか!なのに3万なのか!?」
「どう考えてもおかしい話だ!」
ランワダは頭を抱えたくなってきた。
この雰囲気ではリーダーも払いづらい。
まさかの報酬未払いになってしまうのか。俺たちだって資源が買い取られなければ困るだろうに。
それに、傭兵への報酬未払いおよび不足は記録される。
「リーダー、報酬未払いはまずいぞ。
今すぐ支払いの意志を見せるんだ」
「黙っていろランワダ!!」
「リーダー、落ち着いてくれ。
あんたは俺に指示して彼女を雇い、彼女はあんたの指示に従って何もしなかった。
支払い拒否の余地はないんだ」
「……この子どもが何もできなかったのは事実だ」
「はあ?指揮者に対する発言権の話でもしているのか?
言葉遊びはやめるんだ。誰にも通用しない」
「事実に違いはない!!」
「あんたがそう言っても、この街を出たら通じないぞ!」
「出さなければいいだけの話だッ!!」
リーダーの大声と共に、周りの人々が一斉に幼女を囲む。
ランワダはリーダーと幼女の間に立ち塞がったが、一方向だけでは何もできないのが明白だった。
なんなら幼女はバリアを持っているが、ランワダは持っていない。ランワダのほうが危ないくらいまである。
だがランワダも必死だった。幼女のためではない。何もいいことがないからだ。
傭兵連合は客とのトラブルにはほとんど関与しない。
その程度のことと捨て置くだろうし、大きな影響があるほどでもないが、結果として傭兵には避けられる。
3万ドルをケチって、わざわざ傭兵に嫌われるような真似をする必要など、どこにもないのだ。
なんとかして報酬の支払いだけでもさせないと――と、ランワダは必死に考えていたのだが。
タイムリミットは容赦なく訪れた。
「帰ります」
ランワダには、背後の幼女がそう言ったのをはっきりと聞いた。
そう聞いたはずなのに、ランワダにはそれが最後通牒に聞こえて。
思わず振り返ったその場には、幼女の姿は無く……
幼女の着ていた作業着が、ぱさりと音を立てて崩れ落ちる瞬間だけがあった。
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自身の拠点の自身の部屋にワープアウトした全裸の幼女が、フルジャージになるまで3分ほどかかった。
下着?えっと……
というわけで、いい加減お腹がすいたので今日はざるそばにしよう。
ざるそばはシンプルな料理だ。
そばに使われる粉の配合や配分。打ち方や切り方。茹で方や時間。
つゆの素材や配分。薬味の種類と量。そばに乗せられる刻み海苔の太さや厚さ、量でさえも、ざるそばという料理自体に大きな影響を与えている。
それゆえに、店や料理人によってそれぞれ異なるざるそばが出来上がり、それらは全てデータベースに登録されている。
数えきれないほどのざるそばだ。その中の、何かピンと来たものを選択し、少し待つ。
出てきた。
ずぞぞぞ。
美味い。
澄んだ味だ。薬味もキリっとしている。
美味い。
お値段は7万ドルである。
貯金は沢山あるから大丈夫。
食べたらジャージを脱いで、お風呂に入って、体を洗って100秒浸かったら出て。
色々したらおやすみなさい。
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