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20.成長するダチョウ

ダチョウは首を傾げながら足踏みしている。そういえば全然鳴かないな。

騎乗可能な鳥というと鳥は何となくだが「クエーッ」と鳴くイメージがある。

【最後の幻想】のイメージが強すぎるのか…

そして鳴かないのを残念に思っている自分もいる。


足踏みは続いているが、とりあえずはダチョウに乗って走らせてみる。

先程までと違い、上下の揺れがひどいし時々転びそうになっている。

だが速度は上がっているようだ。これは…魔袋の蓋を取った時のラナに似てるな。

捕獲した動物を出した状態で敵を倒すと魔子を獲得できるのか?


しばらく走らせていると上下の揺れは治まり、それに伴って速度も少し上がった。

おそらくは魔子が馴染んだんだろう。予想を裏付けるためにもっとゾウを狩るか。

ゾウのドロップが多く取れればクロエも喜ぶだろうし一石二鳥だ。



それからゾウを見つけては狩り、ゾウを見つけては狩りを繰り返した。

最初の頃は足踏みをしたり羽をバサバサさせていたがその内にそれもなくなった。

魔子が馴染む速度が早くなるのはどういう原理なんだろうな…


今ならヌーくらいならダチョウで蹴り殺せる気がする。試してみよう。

少し離れた位置にちょうどよくはぐれヌーがいたので

走った勢いを殺さずに顔を蹴らせてみた。ヌーの首がグキッと曲がり、絶命した。

おおう…強くなったのはいいがこれはラナには見せない方がいいな。



ダチョウの速度が上がったこともあり、町に戻る道程はかなり順調だ。

高速で走るおっさんと異様に速いダチョウってどっちが目立つんだろう??

と、猛然とシマロバに襲い掛かるラナを発見したのでそちらに方向転換する。


「頑張ってるな、ラナ。順調か?」


ちょうどシマロバを仕留めたところで、深呼吸をして息を整えている。

「おかえり、ポノ。順調よ!って…ダチョウを捕まえたの?」


「偶然捕獲方法を発見してな。」


ラナは怪訝な表情をしている。どうも納得していないようだ。

「たまたま動物を3秒も持ち上げることなんてあるの…?」


「事実は小説よりも奇なりって言うだろ。」


「まぁいいわ。ポノのやることなんて深く考えるだけ無駄だって気づいたの。」

何だか釈然としないな。


「ダチョウ、いいわよね。かわいいし、羽はフワフワしてるし、

 移動も速くなるし。私も早く捕まえたいわ。」

ラナは明後日の方向を見ながら握り拳を作っている。

素面の時にも出るんだな、それ。


「まずは倒せるようにならないとだな。」


「水を差さないでよ…もう。で、首長地竜はどうだった?」


「ああ、問題なく倒せたぞ。ドロップももらえたし今日はいい一日だったな。」


「そうね、私も今日はいい日だったわ。そろそろ疲れたし町に戻ろうかしら。

 ひょっとして私もそのダチョウに乗れたりする?」


「普通はどうなんだ?2人乗りはできるものなのか?」


「ゴンザナシさん達は乗ってたはずよ。」


「なら大丈夫だろう。」


「でもあのダチョウは少し育ててあるはず…」


「大丈夫だ。」


「なんでそんなに強気なのよ?まさか…いえ、何でもないわ。」


「世の中には知らない方が良い事もあるもんだ。」


「そうね、特にポノといるとよく実感するわ。それじゃあ失礼して…っと。

 わー、結構高いのねー。いずれは私専用のダチョウを…。」


「それじゃ行くか。しっかり掴まってろよ。」


「凄ーい!私が走るより、ずっとはやい!!」

…それは一部の人の心を抉るからやめておけ。

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