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18.首長地竜

「なあラナ、しばらくシマロバ狩りを続けるんだろう?」


「ええ、そのつもりよ。」


「暇だから首長地竜を狩りに行ってきてもいいか?」


「暇潰しで行くものじゃないと思うけど…って、

 そもそも暇潰しの旅なんだったわね。いいんじゃない?」


「そうか、それじゃ行ってくる。格上の動物に手を出さないようにな。」


「今はシマロバ狩りが楽しいわ。そんなことしないわよ。」


ラナに手を振り、走り出す。例によって音速手前くらいの速度だ。

音速を超えない理由は騒音と衝撃波の防止。光速なんてもってのほかだ。

うるさければ目立つだろうし衝撃波で周りの動物が全部襲ってくるかもしれない。


ということで風の影響も考えつつ、動物を避けながら走る走る。

途中でクロエの言葉を思い出したので

ゾウだけは見つけたら寄り道してでも狩ることにした。



そんなこんなでゾウを狩りつつ走り続け、

以前に三角地竜を倒した辺りの西側に到着した。

こちら側は森になっていて地上からでは見つけるのが大変そうだ。


地上がダメなら空中だ。手前にある木々よりも少し高いくらいまでジャンプする。

遠くに明らかに木とは違う形の物が飛び出ている。きっとあれが首長地竜だろう。

その方向にしばらく歩いていくと森の中に突如草原が現れた。ここが縄張りか?


首長地竜の図体を考えると、木々をなぎ倒していかない限りは

森を抜けることはできないだろう。その気になれば抜け出せるんだろうが…

なんだか隔離されてるみたいで気の毒だな。


そんなことを考えながら首長地竜の傍まで移動する。

わかってはいたが実際に目の当たりにするとでかいな…


脚の辺りをペチペチすると俊敏な動きでこちらに向き直り、

頭ごと首を叩きつけてきた。俺に当たったのは首の中ほどの部分だったが、

その先にある頭は地面にめり込んでいた。

こんな攻撃方法で脳震盪を起こしたりしないんだろうか?


首長地竜が頭を元の位置に戻すと、俺の首を刃物が当たったような感覚が襲った。

しかしそちらに目をやっても何もない。かまいたちか何かか?

次に放ってきたのは竜巻だった。風魔法が得意なんだろうな。

その後は踏みつけてきたり尻尾をぶん回してくるなどありきたりな攻撃だった。

飽きてきたので殴って絶命させる。

ドロップは何かの袋と皮と肉?皮は見た覚えがあるな。目の前の図鑑に目をやる。


首長地竜:A~

カリファ大陸南部に生息する大型の草食地竜。

巨体を生かした攻撃と風魔法がやっかいな難敵。

 ドロップ

 ・世界中の葉

 ・大型地竜の皮

 ・首長地竜の肉


世界樹じゃないのか。子供の頃、世界中だと思ってたが…アカネもそのクチか?

などと考えながらドロップ品を回収する。


世界中の葉:A

 1日に1度チキューに存在する植物の葉を選んで1枚取り出すことができる袋。

 2枚目以降を取り出すと50%の確率で袋自体が破損する。


…なるほど、これは確かに世界中だな。俺が悪かった。


首長地竜の肉:A

 文字通り首長地竜の肉。味、魔子含有量ともに極上。

 ただし、弱い存在が食すると魔袋が破裂して死亡することがある。


おいおい、説明文が怖いぞ。ラナが食ったら死ぬんだろうか…?



その後何度も狩り続けたが世界中の葉はドロップしない。

やはりある程度時間が経たないとドロップのフラグが立たないんだろうか?

次で最後にするか…と首長地竜の近くに行くと、

縄張りのほぼ真ん中辺りだったことに気づいた。


「木までは距離があるし、一回やってみたかったんだよな。」


首長地竜の尻尾を脇に挟んで固定し、そのまま横に回転する。

足が浮き、首も遠心力で動かせない首長地竜はかまいたちで反撃してくるが、

風の刃が俺に届く前に回転している自らの体に当たっていた。


そろそろ離そうと更に力を込めた瞬間、

首長地竜の体がスッと消えてその反動で転んでしまった。

くそう、叫ぶ準備は万端だったのに…頭の血管が破裂して死んだのかな?

と思ったが、目の前には図鑑が浮かんでいる。


新しく倒した動物はいないしドロップ品を拾ってもいない。

見ると開かれているのは所持品のリストだ。

わけもわからないままリストを確認すると首長地竜の文字が点滅している。


「…は?」

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