第12話 公式戦
コージにとって初めての公式戦が始まった。
8月、真夏の太陽が照りつけていた。グランドも広くて立派なスタジアムだ。
両親はもちろんスタンドにいた。
「暑いねー。コージは大丈夫かな?」
コージは暑さが苦手なので、母は心配だった。
すると、グランドから「よーし、ナイスボール!」
聞き慣れた声がそこにあった。コージは試合前のキャッチボールをしていた。大丈夫そうだ。
相変わらずチームで一番大きな声を出していた。
背番号は「10」、つまりレギュラー番号ではない。試合でもスタメンは外れていた。
でも、コージは気合いが入っていた。
「もし、出番があったら絶対に打ってやるぞ!」
その思いで、素振りやキャッチボールも手を抜かない。
試合は、コージのチームが優位で進む。コージはファーストベースコーチを任されていた。日頃の練習で声を出している事を評価してもらった。
試合に出れなくもコージはベースコーチとして懸命に声を出す。そんなコージを両親も見つめていた。
「コージ、頑張れよー」
父の声にコージも手を上げた。
出番はなくても、一生懸命なコージの汗は輝いていた。
「コージ、代打の準備しろ」
最終回で監督から指示がでた。
試合はリードしているが、一点差で追加点がほしい大事な場面だ。
コージは、緊張しながらヘルメットを被りバットを握りしめる。スタンドの両親も声を出して応援するが、その声が耳に入らないほど緊張していた。
とうとう公式戦の初打席だ。結果はどうなる?




