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ドイツ帝國に生きる  作者: 幽々夢 妖帝歌
平和への祈り
105/105

ヴィリーのお仕事

ラインハルトは西部戦線にいた。

先の極秘任務・封印列車は見事にドイツ領内を越え、レーニンたち革命家は祖国ロシアへと向かっていった。

しかし、それがラインハルトの功績となることもなければ、ドイツ軍の勝利に直結するわけでもなかった。

ラインハルトは任務の直後から再び、西部戦線で指揮を取ることになっていた。

そして、新たな防衛ライン、ジークフリートは堅牢な守りでドイツ軍を守っていた。


「大尉?」


ヴィリーは、塹壕内の薄暗い作戦室でじっと考え込むラインハルトの顔を覗き込んだ。


「大尉殿? 大尉殿ー」


「ん? ああ、ごめん」


ラインハルトは自分に声がかかっていることにようやく気がつき、苦笑いしながらヴィリーに謝った。


「例の任務、どうでした? 上手くいきましたか?」


「ん? ああ、おそらく上手くいったよ。それより、口外無用だから、気をつけて」


ラインハルトはヴィリーに忠告した。彼は極秘作戦には加わらず、西部戦線でラインハルトの帰りを待っていたのだ。


「わかっていますよ。誰にも言っていませんから」


ヴィリーは自慢気に言った。


「ところで帰ってきて早々、なんだか悩みがちですね? 相談に乗りましょうか?」


ラインハルトはあることを考えていた。

そして、彼は意を決して、ヴィリーに相談することにした。


「ブラウ君、相談したいことがあるんだけど……」























「私は勝利の秘密を知っている!!!」


ニヴェルは、フランス軍司令部で豪語した。

周りの将校たちは期待に胸を膨らませる。


「ニヴェル殿、それは誠ですか!?」   「ついにドイツ軍を打破する方法を発見したのですな!!」


ニヴェルは口角を上げて、自信満々といった具合に答えた。


「うむ! 私のこの作戦を実行すれば必ずや、ドイツ軍を蹴散らし、引いてはこの大戦を終わらせることになる!」


「おお!!」


司令部は沸き立った。ただ一人を除いては。


(……)


ペタンはニヴェルのことを冷ややかな目で見つめていた。



















(しかしだ、全くもってどこにいるのかわからない……)


ヴィリーは、西部戦線の各所を回っていた。目的はただ一つ、ある人物を探すためだった。

ヴィリーはラインハルトのもとを離れて、その人物を探し回った。それは捜索開始からすでに数日を経つほどには難航した。


(というか、戦場だったら絶対に珍しい方だと思うんだけどなぁ……)


ヴィリーは、ラインハルトから聞いた話を思い出してはそう思った。


(あの方なら、何か知っているかもしれない。でも取り合ってくれるかなぁ……)


ヴィリーは不安を抱きながらも、ドイツ軍飛行場に向かうことにした。



「貴様、用件はなんだ?」


「はい、あの、リヒトホーフェン騎兵中尉にお取次を……」


「無礼者! あの方は現在、大尉に昇進なされた! 階級には気をつけろ!」


ヴィリーは怒鳴られて萎縮した。つい先日会った時には、リヒトホーフェンは確か中尉になったばかりのはず、彼は内心そう思った。


「えっと、あの……」


「どうしたの?」


飛行場入り口で縮こまったままになっているヴィリーのもとに、やけに透き通った声が聞こえた。

ゆっくりと視線を上げると、そこには不格好に深く被ったヘルムに、口元まで隠れるマントを着る軍人が立っていた。


(顔を……隠しているのだろうか?)


ヴィリーはその不自然な姿に違和感を抱いた。


「は! いえ、この者がリヒトホーフェン騎兵大尉殿に用があるとのことでしたので!!」


「そう」


その人物は小さな声でそう言うと、ヴィリーの方を向いて言った。


「リヒトホーフェンさんは、今、出撃中よ。ちょうどいい。もう少しで戻ってくるそうだから、一緒に待ちましょう」


その人物は身を翻して、飛行場内に置かれた椅子の方へと戻っていった。どうやら、紅茶か何かを飲んでいた最中のようだ。

ヴィリーは、その人物が何者か気になりつつも、同席して待つことにした。

読んでくださりありがとうございます。次の話が投稿され次第、ぜひ読んでいってください。

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