温泉日和
泥山が消えて行き、新幹線口と呼ばれる改札口に僕たちは着いた。ここが出入り口になっていることを知らず、逃してしまったようざ。あちゃ・・・
「反対側も出入り口だったのか・・・」
「看板見忘れてたな」
よく見ると、改札の外にお爺さんお婆さんが集まって何やら話をしている。 悪霊に押し潰され、壊れた改札を出て話を聞くと、怪物は西の方に行ったという。僕たちは急いで西の住宅街へと走った。
走っている最中に鮫の歯から媛さんの 声が聞こえてきた。
〈ついに奴らも一般人に姿が見えるほどの力を持ってしまったか・・・これはだいぶ手強くなるぞ。〉
「な、なら、オレたちはどうすりゃいいんだ!!」
〈3人で力を合わせれば倒せるはずだ!そして炎輝!お前の力は火だ!!〉
「火!?どんな力なんですかァ?」
「敵を燃やし尽くす力だ。闇夜で光にすることもできる」
「了解!」
走っているうちに、悪霊の姿が見えてきた。しかも、まさに産卵中ざ。僕たちは 話し合い、まず僕が山を放ち、悪霊の産卵管を埋めることにした。感覚が鈍い悪霊は全く気付いていなきようざ。そして、振り向いてきた奴は動こうとするが、動けない。奏ちゃんにはここで待ってもらって、炎輝と僕だけで行くことにした。
まず僕が山を放出して奴の脚の辺りをを固め、炎輝は朧火をつけて山を焼き、固定した。そして、奴の身体を完全に山で覆い、少し離れた上で炎輝が火を起こし、奏ちゃんに一気に火種を吹き飛ばしてもらい、悪霊は花火のように爆発した。
「「「やったー!!!」」」
気がつくと、周りには地元の人たちが集まって拍手をしていた。そして、藍色の浴衣姿の媛さんが人混みを掻き分けて歩いてきた。
「お前たち、よくやったな」
「媛さん!?」
「今日の敵は手強かったろう?」
「だ、だな」
「いいかお前達。今日は1人に1万2000円ずつやろう。特に炎輝と萩也は突然のことで替えの服もないだろうから服でも何着か買っておけ。ここは温泉地だから温泉に浸かるのも良いな。吾は美肌の湯に浸かるが」
媛さんも結構・・・乙女なんだな。
「ただ、午後6時には鮫山に戻されるからな。コロッケ食ってようが温泉で素っ裸でいようがな。忘れてたが、お前達に名物のみしまコロッケひとつずつあげるぞ」
みしまコロッケを僕たちは頬張った。ホクホクした食感が戦の後の空腹にピッタリだ。
「では、また後でな」
「「「了解!!」」」
僕らはまず温泉に向かった。
温泉で湯船に浸かりながら、男子会を楽しんでいた。
「奏ちゃーん」
「んー?」
「どんな感じで勇者に加入したー?」
「え、えーと、同級生の女の子と歩いてたら鮫の歯に触っちまって・・・そっから一緒に連れてこられちまった」
「女の子!?彼女ォ??」
「チッゲェよ!!あいつは・・・ただの中学からの同級生だよ!!」
「あれれぇ〜なんで少し間を空けてんざ〜?」
「間なんて空けてネェぞ!」
「空いてた♪空いてた♪」
「お前らァーーー!!!」
「「うわぁーーー!!!」」
奏ちゃんはなんでかからかいたくなるキャラなんざよなぁ〜。まあ、どんだけ隠しても、奏ちゃんの気持ちはもうミエミエざよ?