鎖のお嬢様
もうこんな生活嫌でございます!!
と叫びながら屋敷を飛び出してから、幾日が経ったのでしょう。気がつけば坂東の故郷を遠く離れた高知県で汽車に揺られておりました。ここなら追手も来ないと思ったのもつかの間、乗っていた 列車が突然揺れ、全ての機器が止まってしまいました。運転手様はここからは降りて次の駅まで歩いてください。その分は払い戻し致しますのでと言いましたが、あたしは屋敷育ち故に体力がなく、すぐにフラフラになってしまい、立って歩くのがやっとぐらいになっていました。
そんな時、前から歩いてきた少年にぶつかってしまった。少年は背が高く、物腰柔らかそうな外見で、憎むべきところが何もなさそうな人でした。しかし、話しているまさにその時、歩いてきた方向からおぞましい生き物が近づいてきました。
褐色の毛皮を纏い、ナメクジのように粘液を出しながらノロノロと進んでくる怪物は、マンモスのようにも見えましたが、それとは違いそうでした。
「逃げよう!」
あの少年は私の手を握り、走り出しました。
しかし、その先で声が降ってきました。
「その箱を開けなさい」
ドレスの中に、困った時に開けろと言われていたものがあったのを思い出しました。
開けると、三角形の化石がはめ込まれているティアラがありました。
「これは鮫の歯だ。このティアラを付ければ化け物と戦える。」
声はそう囁き、あたしがこのティアラを付けると、周辺全てが光り出し、ティアラが固定されました。
「あなたの名前は何と・・・」
「吾は磯部媛。お前の名は、何という」
「あ、あたしは、丹生谷千沙子です。」
「そこの若造は何という」
「ボクは、平木田礼温といいます。」
「2人とも、いい名前だな。これからあの怪物と戦ってもらうが、2人だけだと不安だから助っ人を呼ぶ。炎輝、行け!!」
すると、そこには優しく強そうな少年が現れました。
「2人とも、よろしくゥ!!」
「「はい、お願いします!!」」
こうして、あたしの初戦は始まりました。




