助っ人参上!!
気づくに、アタシの右脚に鮫の歯が縫われた山吹色の紐が巻きつかれちょる。しかも、解けん。如何にすなれば良きか?
〈聞こえたかお前達〉
「ひぇええ!?」
〈吾は磯部媛だ。突然だがお前達は鮫の歯の勇者に選ばれた。拒否権はない。〉
「あ〜なや!アニメのようで優なりか!!」
「さぁかな!さぁかな!」
〈戦を甘く見るな。本当に命懸けで戦ってもらうぞ。それより、お前達は土砂崩れで行く手を塞がれてここに降ろされただろう〉
「如何にもさにありき」
〈実はあの土砂崩れは、悪霊が引き起こしたのだ〉
「悪霊!?」
〈そうだ。この悪霊は幸崩しだ。人々の幸せな心を糧とする。厄介なのは、其奴は人を殺さず、周りのものを崩してじわじわと人を内側から崩していくことだ。既に350人程が死に、2400人程が被害に遭っている〉
「さなれば、行くほかになけれ!」
「せかな!」
かくしてアタシんらは共に幸崩しを倒すべく小走りで今幸崩しのいると言う丹波亀岡まで向こうた。
「枇杷、汝の鮫の歯は何処にありぬるん?」
「左脚にありける」
見るに、枇杷の左脚に桃色の紐に巻きつかれちょる鮫の歯あり。さ言えば、枇杷も枇杷のお母も桃色が好みと語りちょったか。
「柚香、あれは何ぞ?」
前を見るに、怪しき獣ならぬものありけり。
髷の如き黒髪を幾つも挙らせたる姿の悪霊、幸崩しは見る者より明き心を奪うやなけわいを纏い、白昼なに其の周り宵のやに暗し。
「こりゃヤバいな」
「かね。」
〈戦の前に言わねばならぬことがあった。柚香、お前の霊力は毘、仲間を助けることができ、対象を真ん中に引き寄せることができる霊力だ。枇杷、お前の霊力は沙、砂を自在に発生させる霊力だ〉
毘、沙・・・
其の霊力が如何に力となるかはわからん。にょが、力の得らるることに、我が厨二心に火を点けたり。
「えっさー!!やっちょるでーー!!!」
〈柚香、気合いはいいがまだお前はやり方を知らないだろう。そこで助っ人として勇者を1人派遣する。大木の横を見ろ〉
大木の横を言いし通りに見るに、濡羽髪ロングの背の低き少女あり。
「た、たれぞ?」
「わ、私は琴音。よろしくね?」
人を安心させるやな見た目の其の少女は、たれとも仲良くなるるけわいを感ずるなり。
「私も一回しか戦ったことないけど、できる範囲でなら助けられるからね!」
「「ありがと。。」」
かくして、アタシんらの戦は正に幕を開けんとしちょった。




