90.無理矢理な生物
平行執筆中作品。
悪役令嬢になるはずだった闇の女王 ~悪役令嬢に転生したから、闇の組織を作っとく~
「グゥゥゥゥ」
うめき声が聞こえるところまでやってきた。
「ここにいるのか」
俺は音のするモノを見つめる。
そのものには布が被さっていた。
檻か何かに布をかぶせてるんだろうか?
俺は布に手を伸ばす。
シュッ!
俺は思いきって布をとった。
そこにいたのは、
「グゥゥゥゥ」
見たことのない生物だった。
全体的には四足歩行の獣。
だが、前足の部分に人の顔が付いていたり、首から上があり得ない方向を向いていたり、尻尾から紫色の煙が出ていたり。
これが、合成獣というヤツか?
「グゥゥゥ!!」
その合成獣らしき生物は動かないであろう体を必死に動かして俺を威嚇する。
心が痛いな。
かなり苦しいだろう。
、、、楽にしてやるか。
「来世では幸せになってくれよ」
俺はそう言って、魔力吸収の魔眼を使った。
レオに最初に呼ばれたときのように、魔力とともに魂が出てくる。
それを俺はパクッと食べた。
倒した悪魔のように体も食べてやりたかったが、魔力でできている悪魔と違って、コイツは肉体を持っているため食べることはかなわなかった。
「本当に、レオの予想通りだな」
安らかに眠っているような顔で死んだ生物を見ながら、俺はレオの評価をまた1段上げた。
こういった生物がいることをレオは事前に予測していたのだ。
レオたちの仲間は一般人が多い。
そのため、敵はザコを相手にすることはないと言うことで、こういう魔改造した生物を放って、それで一般の兵士たちを殺すのだそうだ。
ガサゴソ。
俺はやるせなさや怒りなど、湧き上がる様々な感情を抑えるために物色を再開する。
レオからはあまり回収する品は多くなくていいといわれているので、違う種類の物品を持って行けるように心がける。
「こんなもんかな?」
俺は手に収まっているモノを見ながらつぶやく。
そして、そのままレオの所まで帰って行くのだった。
今回は物品があるため、地中では無く空中から帰るぞ!




