57.抗争に乱入
「この辺りで?」
俺は首をかしげる。
「そうだ。大きいグループ通しの争いだから、大規模な争いになる。そのため、ここも戦いの場所になる可能性が大きいんだ」
なるほどな。
ここも戦いの場所になるのか。
それは、確かに面倒だ。
というか、その情報はどこから集めてきたのだろうか?
今は聞かないが、今度時間があるときに聞いてみよう。
「どうする?逃げた方がいいのか?」
俺は今後の方針を問う。
「それをお前たちと決めたいと思ってな。正直、逃げるのが1番安全なんだ。だが、シャバスから聞いただろ?アレのためにも、鍛えるチャンスは十分活用した方がいいと思うんだよな」
あぁ~。
上位の悪魔が戻ってくるって話か。
確かに。、大規模な戦いに紛れて戦えば強くなれるだろうな。
だが、それはかなり危ないことだ。
下級悪魔であるウユリの部下たちは死ぬことが十分あり得るだろう。
「、、、ここで生き残れなければ、結局生き残れない可能性が高い。俺はそう思うんだが、お前らはどう思う」
俺はウユリたちに問う。
ここで逃げれば、今は生き延びられるかも知れない。
だが、その先のことを考えればどうだろうか?
普通に訓練していても絶対に糅てない。
「そうかもねぇ。俺はじゃあ賛成で」
ギレは俺の意見に賛成する。
そうなると、
「はぁ~い。さんせぇ!」
ギレもそうだよな。
この2体の意見が違うこと何て考えられないし。
「俺も賛成だな。少し、心は痛むが致し方ないだろう」
シャバスも賛成した。
心は痛むらしい。
なんだかんだ言って、こいつも優しいんだな。
でも、1番心が痛むのは、
「たしかに、そうだな。ここで勝てないヤツは、この先を生き延びるのは難しいだろう。、、、そうか。それが1番だよな」
暗い顔をしながらウユリは賛成した。
コイツにとって、部下は大切なモノだからな。
1番下級悪魔たちと接してきた時間も長い。
コイツにとってはつらい決断だろう。
「ウユリと、ウユリの部下たちには悪いが、俺たちが強くなるために、今回の抗争に乱入するぞ!」